医学のあゆみ265巻9号 アレルギー研究最前線

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2018年6月
  • 電子版発売日 : 2021年7月7日
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内容

アレルギー研究最前線
中山 俊憲(千葉大学大学院医学研究院免疫発生学)


 気管支喘息,アトピー性皮膚炎,鼻炎(花粉症),食物アレルギーなどのアレルギー疾患は,世界的に増加傾向にあり,いまや国民病といわれるほどである.日本人の約4割が鼻炎の罹患歴をもち,現在でも年間1,500人以上の日本人が喘息で死亡している.ステロイド抵抗性の慢性難治性アレルギー疾患はいまだよい治療法がなく,その病態解明と新規治療薬の開発が切望されている.また,食物アレルギーの治療や,造影剤,抗菌薬の治療によって,アナフィラキシーショックが引き起こされる事例が最近報告されているが,このアナフィラキシーショック誘引の科学的な根拠は不明である.(序文より一部抜粋)

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序文

序文


気管支喘息,アトピー性皮膚炎,鼻炎(花粉症),食物アレルギーなどのアレルギー疾患は,世界的に増加傾向にあり,いまや国民病といわれるほどである.日本人の約4割が鼻炎の罹患歴をもち,現在でも年間1,500人以上の日本人が喘息で死亡している.ステロイド抵抗性の慢性難治性アレルギー疾患はいまだよい治療法がなく,その病態解明と新規治療薬の開発が切望されている.また,食物アレルギーの治療や,造影剤,抗菌薬の治療によって,アナフィラキシーショックが引き起こされる事例が最近報告されているが,このアナフィラキシーショック誘引の科学的な根拠は不明である.

このようにアレルギー疾患はいまだ解明すべき課題が多く,精力的に研究がなされている.その一方で,さまざまな動物モデルを用いた研究や,患者サンプルを用いた臨床研究を通して,アレルギー疾患の発症や遷延化に関するあらたなメカニズムが,最近つぎつぎと明らかになっている.

その一例として,アレルギー性炎症を誘導する2型自然リンパ球の同定,病原性Th2細胞の同定,粘膜上皮細胞由来の“上皮サイトカイン”としてのIL-33,TSLP,IL-25の作動機序などがあげられる.とりわけ著者らは,アレルギー性炎症疾患の発症・病態制御に関するあらたな考え方を提唱した(本特集の平原・中山「Tpath2細胞を起点とした慢性気道炎症誘導機構」の稿参照).この考えは,次世代の治療戦略に資すると考えられる.

近年,さまざまなヒト化抗体を用いた喘息患者に対する大規模臨床試験が行われている.大きな期待を抱かせる結果が報告される一方で,抗体治療の限界と,今後の課題についても明らかになりつつある.

本特集では,アレルギー研究の最前線の研究成果と今後の展望を,新進気鋭の研究者の方々にご紹介いただいた.この特集が,アレルギー研究を行っている若手研究者や,臨床の場で難治性アレルギー疾患に対する有効な治療法を切望している臨床医の方々の一助になることを祈っている.


中山俊憲

千葉大学大学院医学研究院免疫発生学

目次

はじめに…中山俊憲

基礎研究の最前線Ⅰ:T細胞,自然リンパ球

Tpath2細胞を起点とした慢性気道炎症誘導機構
―気道上皮とのクロストーク…平原 潔・中山俊憲

アレルギー病態形成におけるTFH細胞とTH2細胞の関係…久保允人

CD69-Myl9システムによるアレルギー性気道炎症制御とその展望…木村元子・他

制御性T細胞によるアレルギー反応の制御…村上龍一・堀 昌平

粘膜上皮細胞死による制御性T細胞数の制御…中澤優太・他

アレルギー治療に向けた誘導性制御性T細胞の応用…染谷和江・他

アレルギー病態形成におけるILC2の役割とその抑制機構…籾内義希・茂呂和世

寄生虫感染モデルからみえたアレルギー病態形成…下川周子・大野博司

基礎研究の最前線Ⅱ:上皮細胞,炎症細胞など

気管支喘息における気道上皮細胞・樹状細胞による環境因子認識機構…廣瀬晃一・中島裕史

膜型IgEによるB細胞記憶の形成制御とアレルギー抑制機構…羽生田 圭・北村大介

最近明らかになったアレルギー炎症病態における好塩基球の多彩な役割…山西吉典・烏山 一

脂質によるマスト細胞の制御とアレルギー…村上 誠・武富芳隆

微細粒子吸入とアレルギー性炎症…黒田悦史・石井 健

腸内細菌とアレルギー疾患…前田悠一・竹田 潔

サーカディアンリズムとアレルギー
―とくにマスト細胞活性化を中心として…中尾篤人

アレルギー疾患のゲノム解析…玉利真由美・広田朝光

アレルギー疾患研究,臨床研究

上気道アレルギー疾患における病原性Th2細胞のかかわり…飯沼智久・岡本美孝

ペリオスチン―アレルギー疾患における新規バイオマーカー…出原賢治

アトピー性皮膚炎と皮膚バリア障害…福島彩乃・他

アトピー性皮膚炎の抗体治療…江川形平・椛島健治

鶏卵アレルギーの発症予防…大矢幸弘

真菌関連喘息とその重症化機序…浅野浩一郎

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(旧Churg-Strauss症候群)における治療法の進歩
―とくに抗IL-5治療について…谷口正実・濱田祐斗

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書籍情報

  • ISBN:9784006026509
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2018年6月
  • 電子版発売日:2021年7月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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