• ページ数 : 425頁
  • 書籍発行日 : 2021年6月
  • 電子版発売日 : 2021年7月14日
¥13,200(税込)
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商品情報

内容

●細胞診に携わるプロフェッショナルのための疾患鑑別に重点をおいたアトラス誕生!

●主要疾患の細胞像をオールカラーの美麗な写真1,000 点超を収載.

●臓器別領域における細胞診業務の実際と,各疾患の解説もコンパクトに収載.
 鑑別対象となる疾患の画像もあわせて呈示し,鑑別のポイントと臨床的意義について詳述.

●より深い臨床実践に必須となる,細胞増殖と制御のメカニズムほか最新の細胞病理学的知見についても解説.



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序文


細胞診や病理組織診断は病歴,検体の性状というマクロ所見から始まり,個々のミクロ所見から診断に至るまで,鑑別診断の連続である.検体の状態,粘液や血液混入の有無,壊死背景の有無などは重要な予備情報になるものの,最終的には,標本上の細胞形態の変化を適切に捉えることが診断の軸となる.そのためには,標本の適切な処理や固定,染色が必須であり,そのうえで細胞の形態変化を読み取ることになるが,その過程では,類似の形態を示す疾患,腫瘍を念頭に置き,丁寧に鑑別を試みることが必須となるであろう.しかし,一つ一つの細胞所見にはかなりの重複があり,年齢,症状,採取部位等を考慮しながら,必要に応じて,免疫染色などを追加しつつ,鑑別を進めていくことになる.さらに,近年のゲノム医学の進展を背景に,遺伝子情報が診断・薬剤選択に有用となる場面も増えていることから,遺伝子診断の重要性も増している.


個々の症例で最も妥当と思われる疾患にたどり着くためには,これらをひとつずつ積み重ねていくことが唯一の方法であるが,鑑別診断に主眼に置いた細胞診断の成書は少ないように思われる.そこで本書「細胞診鑑別アトラス」では,中級以上の細胞検査士や細胞診専門医を対象として,鑑別診断に役立つ細胞診の参考図書を企画して作成された.本書は細胞病理学の基礎から各領域の細胞診断業務の実際まで,多岐にわたる解説書であり,各領域でその分野の中心で現在活躍されている先生方に執筆を依頼した.とくに第Ⅱ編「臨床細胞診各論」編においては,各項目で医師と細胞検査士のペアを組むスタイルを採用することで,これまでにない充実した内容となったと自負している.執筆に際しては,多忙ななかを,快くお引き受けいただいた執筆者の皆様に編集者一同感謝を申上げたい.なお,細胞像の形態変化をアトラス中心に組み立てることを第一として企図したが,近年の医科学の進歩は著しく,一部でその解説が増えた.しかし,細胞診のエキスパ-トが知っていておくべき各分野のポイントは,十分に盛り込み構成されており,多くの細胞検査士,細胞診専門医にとって,座右の書となれば,編集者一同,望外の喜びである.


本書の監修には,基礎病理学の中心で研究をしてこられた青笹克之先生に,細胞の読みは病理学を基盤とした総論の知識の上に成り立っているという信念から,無理をお願いしてお引き受けいただいた.先生には本書の編集方針・構成から,言葉の使い方,図表における表現まで細やかに指導をいただいたことで,より読みやすく,また理解しやすい書籍になったことと思う.また編集補助の立場から4名の細胞検査士の方々に参画いただき,とくに症例や細胞写真の選定に携わっていただいた.症例収集にあたっては多くの関係者・協力施設の協力を得ていることを申し添えたい.本書刊行に尽力いただいたすべての皆様に,心より御礼申し上げる.


沖縄協同病院病理診断科部長 樋口佳代子
(株)ピーシーエルジャパンPCL 福岡所長 亀井敏昭
製鉄記念八幡病院顧問 金城 満(編集代表)

目次

監修・編集・執筆者一覧

本書の使い方

第Ⅰ編 細胞診のための病理学総論

第1章 細胞の構造と細胞分裂

細胞の構造と機能

細胞分裂

第2章 変性

細胞診にみる変性

第3章 壊死とアポトーシス

細胞死の定義

細胞死の分子生物学

細胞死の意義

まとめ

第4章 細胞の増殖と制御

増殖因子,受容体と細胞内シグナル伝達経路

ホルモン受容体/WNTシグナル/細胞周期調節

細胞周期調節

DNA修復

転写因子と遺伝子発現調節

腫瘍免疫/がんの病理・細胞診断への応用

がんの病理・細胞診断への応用

第5章 検体処理,固定と染色

検体処理

固定と染色

第6章 免疫染色の基礎と応用

免疫染色とは/免疫染色の概要/染色原理(酵素抗体法)

染色原理(酵素抗体法)

細胞診標本を用いた免疫染色のステップ

発現部位

診断マーカー

蛍光抗体法

FISH 法(Fluorescence in situ hybridization)

第7章 細胞診の報告様式

細胞診報告様式とは/細胞診報告様式の概要/細胞診報告様式の変遷

わが国で運用されている細胞診報告様式

第Ⅱ編 臨床細胞診各論

第1章 子宮頸部

[概論]

 基本的知識

 子宮頸部細胞診の報告様式/ベセスダシステムに基づく鑑別細胞診断の進め方

 ベセスダシステムに基づく鑑別細胞診断の進め方

 子宮頸部細胞診手技の実際

[疾患解説]

 正常上皮細胞

 再生性変化

 炎症

 上皮内扁平上皮性病変 SIL/CIN

 扁平上皮癌(SCC)

 上皮内腺癌

 通常型内頸部腺癌

 粘液性癌:最小偏倚腺癌

 分葉状頸管腺過形成(LEGH)

 扁平上皮癌の放射線効果

第2章 子宮内膜・卵巣

[概論]

 基本的知識/子宮内膜細胞診の記述式報告様式

 細胞診断の進め方

[疾患解説]

 【子宮内膜増殖症~内膜癌】

  異型のない増殖症

  子宮内膜異型増殖症/類内膜上皮内腫瘍

  類内膜癌

  漿液性癌

  明細胞癌

  鑑別診断

 【子宮肉腫】

  平滑筋肉腫

  低異型度子宮内膜間質肉腫

  高異型度子宮内膜間質肉腫

  未分化肉腫

  鑑別診断

 卵巣漿液性境界悪性腫瘍

 卵巣高異型度漿液性癌

 卵巣明細胞癌

 卵巣粘液性癌

第3章 乳腺

[概論]

 基本的知識/乳腺細胞診の報告様式

 乳腺細胞診 観察の基本

[疾患解説]

 乳腺炎

 乳管内乳頭腫

 線維腺腫

 非浸潤性乳管癌

 浸潤性乳管癌

 粘液癌

 浸潤性小葉癌

 浸潤性微小乳頭癌

 葉状腫瘍

 乳腺症

第4章 甲状腺

[概論]

 基本的知識/甲状腺細胞診の報告様式

 甲状腺細胞診の報告様式

 甲状腺細胞診断の進め方

[疾患解説]

 囊胞

 腺腫様甲状腺腫

 亜急性甲状腺炎

 橋本病

 濾胞性腫瘍

 乳頭癌

 濾胞型乳頭癌/大濾胞型乳頭癌

 びまん性硬化型乳頭癌

 高細胞型乳頭癌

 篩型乳頭癌

 低分化癌

 未分化癌

 髄様癌

 リンパ腫

 硝子化索状腫瘍

 甲状腺内胸腺癌

第5章 泌尿器

[概論]

 基本的知識/泌尿器細胞診の報告様式

 泌尿器細胞診の報告様式

 JRS 各診断カテゴリーの定義と細胞診断の進め方

 泌尿器細胞診手技の実際

[疾患解説]

 尿路のウイルス感染症

 反応性異型細胞

 腎原性腺腫

 尿路上皮内癌(CIS)と異形成

 高異型/低異度 非浸潤性乳頭状尿路上皮癌

 浸潤性尿路上皮癌 特殊型

 腺癌

 尿膜管腫瘍

 小細胞癌

 二次性の癌

第6章 体腔液

[概論]

 体腔液細胞診の進め方

 体腔液細胞診の報告様式

[疾患解説]

 腺癌細胞

 扁平上皮癌

 肺巨細胞癌/小細胞癌

 悪性中皮腫

 悪性リンパ腫

 悪性黒色腫/胚細胞腫

 腹膜偽粘液腫/リンパ脈管平滑筋腫症

第7章 呼吸器

[概論]

 呼吸器細胞診の報告様式

 呼吸器細胞診報告様式に基づく鑑別細胞診断の進め方/呼吸器細胞診手技の実際

 反応性病変

 扁平上皮系前浸潤性病変

 大細胞神経内分泌癌(LCNEC)

 カルチノイド腫瘍

 大細胞癌

 肉腫様癌

 唾液腺型腫瘍(粘表皮癌,腺様囊胞癌)

 縦隔腫瘍

第8章 口腔

[概論]

 基本的知識/口腔細胞診の報告様式/「口腔粘膜疾患細胞診の判定区分」に基づく細胞診断の進め方

 口腔粘膜擦過細胞診手技の実際

[疾患解説]

 感染症(ヘルペス/放線菌症/口腔カンジダ症)

 尋常性天疱瘡

 扁平苔癬

 その他の炎症性変化

 過角化症/上皮過形成

 口腔上皮性異形成

 扁平上皮癌(高分化型・低分化型)

 疣贅状扁平上皮癌

 悪性黒色腫

 転移性腫瘍(肝細胞癌)

 転移性腫瘍(カルチノイド)

 歯原性角化囊胞

 エナメル上皮腫

 口腔細胞診の鑑別診断

第9章 唾液腺

[概論]

 唾液腺細胞診の報告様式/「唾液腺細胞診ミラノシステム」に基づく鑑別細胞診断の進め方

 「唾液腺細胞診ミラノシステム」に基づく鑑別細胞診断の進め方

 穿刺吸引細胞診手技の実際

[疾患解説]

 多形腺腫

 ワルチン腫瘍

 基底細胞腺腫

 その他良性疾患

 粘表皮癌

 腺様囊胞癌

 腺房細胞癌

 分泌癌

 唾液腺導管癌

 【その他悪性腫瘍】

  上皮筋上皮癌

  筋上皮癌

  多型腺癌

  導管内癌

第10章 肝胆膵

[概論]

 肝胆膵細胞診の報告様式/肝胆膵の鑑別細胞診の進め方

 肝胆膵細胞診手技の実際

[疾患解説]

 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

 膵管癌(PanIN 含む)

 腺房細胞癌(ACC)

 膵神経内分泌腫瘍(PanNENs)

 肝細胞癌

 SPN

 転移性肝癌

 肝内胆管癌

 肝外胆管癌

 胆管囊胞性腫瘍

 胆囊癌/GIST

 GIST

第11章 中枢神経系

[概論]

 術中細胞診形態に基づく鑑別細胞診の進め方

 脳腫瘍細胞診の報告様式

 術中細胞診手技の実際

[疾患解説]

 びまん性星細胞腫

 膠芽腫

 乏突起膠腫

 その他の星細胞系腫瘍

 上衣腫

 髄芽腫

 髄膜腫

 シュワン細胞腫(神経鞘腫)

 鞍上部腫瘍

第12章 骨・軟部腫瘍

[概論]

 骨腫瘍の基本的知識

 軟部腫瘍の基本的知識

 骨軟部腫瘍細胞診の報告様式

[疾患解説]

 骨肉腫

 軟骨肉腫

 ユーイング肉腫

 脊索腫

 骨巨細胞腫

 脂肪肉腫

 平滑筋肉腫

 未分化多形肉腫

 横紋筋肉腫

 滑膜肉腫

 悪性末梢神経鞘腫瘍

 粘液線維肉腫

 孤立性線維性腫瘍/胞巣状軟部肉腫

第13章 造血器・リンパ組織

[概論]

 リンパ腫の細胞診判定区分/リンパ節細胞診断の実際

 標本採取手技および標本作成法の実際

[疾患解説]

 組織球性壊死性リンパ節炎(菊池病)

 濾胞性リンパ腫

 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)

 古典型ホジキンリンパ腫(CHL)

 節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型

 血管免疫芽球性T 細胞リンパ腫(AITL)

 末梢性T細胞リンパ腫,非特定型(PTCL,NOS)

 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)

第14章 感染症

[概論]

 セルブロック法/再染色法/細胞転写法/細胞診標本を用いる電子顕微鏡検査

 細胞診標本を用いる電子顕微鏡検査

 細胞診検体を用いたPCR

[疾患解説]

 日和見感染症

 婦人科領域の感染症

 腎臓・尿路領域の感染症

 頭頸部領域の感染症

 呼吸器領域の感染症

 消化管領域の感染症

 肝胆膵領域の感染症

 中枢神経系の感染症

 血液・リンパ節領域の感染症

 病原体と紛らわしい構造物


付録

細胞診に必要な統計学と精度管理

参考文献

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784263731994
  • ページ数:425頁
  • 書籍発行日:2021年6月
  • 電子版発売日:2021年7月14日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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