医学のあゆみ276巻4号 卵円孔開存の問題と新しい治療

  • ページ数 : 74頁
  • 書籍発行日 : 2021年1月
  • 電子版発売日 : 2021年7月21日
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商品情報

内容

卵円孔開存の問題と新しい治療
企画:赤木禎治(岡山大学循環器内科)


・卵円孔は,胎児循環において酸素飽和度の高い臍帯から流入する血流を胎児の全身に送るために必須の心内構造である.出生後は数日から数カ月以内に機能的に閉鎖する.
・卵円孔が完全に癒合しない場合,フラップ状の一方向弁の形態となり,右房圧が左房圧を越えた場合に右左短絡を生じるようになる.この状態を卵円孔開存(PFO)とよぶ.
・本特集ではPFOの解剖学的特徴から,潜因性脳梗塞の病態,PFOの診断と閉鎖術の基本的知識,さらにさまざまな病態との関連について各領域のエキスパートに執筆をお願いする.

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序文

はじめに
Introduction


赤 木 禎 治
Teiji AKAGI
岡山大学循環器内科


卵円孔は,胎児循環において酸素飽和度の高い臍帯から流入する血流を胎児の全身に送るために必須の心内構造である.出生後は数日から数カ月以内に機能的に閉鎖する.しかし,卵円孔が完全に癒合しない場合,フラップ状の一方向弁の形態となり,右房圧が左房圧を超えた場合に右左短絡を生じるようになる.このような状態を卵円孔開存(patent foramen ovale:PFO)とよび,一般健常成人の約15~20%に認めることが知られている.

PFOを介して静脈血栓が左心系に流入し,血栓塞栓性の脳梗塞を起こすことを奇異性脳梗塞とよび,脳梗塞の他にも冠動脈,腎動脈など全身動脈の塞栓症を引き起こすことが報告されていた.2017年に発表された3 つのコントロールスタディにより,奇異性脳塞栓症再発予防を目的とするPFO カテーテル閉鎖術は,従来の抗血栓療法のみによる治療と比較し,有意に脳梗塞再発を予防することが証明された.日本では,2019年末にAmplatzerTM PFO device が保険診療として認可され,治療実施施設の拡大が進んでいる.米国神経学会は2020年にこれまでの基準見直し,60歳未満でPFO以外に塞栓源を認めない患者において,PFO カテーテル閉鎖術は脳梗塞の再発リスクを低下させるであろうとの見解を示している.同時に,PFO は一般人口の1/4 に認められる心内構造であるため,PFO が認められることだけて閉鎖術の適応とはならないこと,閉鎖術の有用性と閉鎖術に伴うリスクを十分に説明することを推奨している.PFO が関与する脳梗塞の多くは若年発症であり,適切な治療対応は社会的に大きな意義を有すると思われる.奇異性脳梗塞以外にも,潜水病,高山病,片頭痛との関連も指摘され,今後より詳細な検討が必要である.

本特集ではPFOの解剖学的特徴から,潜因性脳梗塞の病態,PFO の診断と閉鎖術の基本的知識,さらにさまざまな病態との関連について各領域のエキスパートに執筆をお願いした.今後数年のうちに新たな知見が加わると思われるが,その引き金となる特集である.

目次

特集:卵円孔開存の問題と新しい治療

はじめに

卵円孔開存とは─形態と閉鎖栓開発の歴史

潜因性脳梗塞とは─潜因性脳梗塞の診断過程と経皮的卵円孔開存閉鎖術の適応評価

潜因性脳梗塞再発予防としての経皮的卵円孔開存閉鎖術─これまでのRCTの解析

卵円孔開存のエコー診断─ハイリスクPFOとは

卵円孔開存のカテーテル閉鎖術─step by step

卵円孔開存カテーテル閉鎖術に対するBrain Heart Team

Approach

卵円孔開存を有する潜因性脳梗塞に対する至適抗血栓療法─卵円孔開存閉鎖術後の管理も含めて

脳梗塞以外の病態と卵円孔開存─片頭痛,減圧病,platypnea-orthodeoxia syndrome

TOPICS

麻酔科学 麻酔薬ケタミンとうつ病の関係

脳神経外科学 アデノシン製剤の静注による超短時間循環静止を利用した脳動脈瘤手術

FORUM

日本型セルフケアへのあゆみ9 標準治療は,本当に患者にとって最適な治療か?

天才の精神分析─病跡学(パトグラフィ)への誘い12 自然主義作家ゾラと19世紀医学―病跡学の余白に


次号の特集予告

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書籍情報

  • ISBN:9784006027604
  • ページ数:74頁
  • 書籍発行日:2021年1月
  • 電子版発売日:2021年7月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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