高齢者麻酔のポイント50

  • ページ数 : 208頁
  • 書籍発行日 : 2021年5月
  • 電子版発売日 : 2021年7月23日
6,050
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 110pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

手術を受ける高齢患者は、いわゆる予備力が低下していることに加え種々の併発疾患を有していることも多い。周術期をトラブルなく乗り切り社会復帰させるための一冊。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

序 文


わが国の人口はすでに減少局面に入っているものの,2025 年にはいわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者になり,65 歳以上の高齢者数は3,657 万人になります。高齢者数はその後も増加を続け2042年にはピークを迎える(3,878万人)ことが予測されています。手術を受ける高齢患者は青壮年患者と比較して,いわゆる予備力が低下していることは疑いのないところです。加えて種々の併発疾患を有していることも多く,周術期をトラブルなく乗り切り社会復帰させるためには特別な配慮が必要になります。  本書は,専門医取得を目指している麻酔科医層をターゲットとして,初期研修医にもわかりやすく執筆していただきました。テーマは高齢者であり,高齢患者の周術期全身管理を学べる教科書の一つとして位置付けられるよう,50個の臨床疑問をQ&A形式で解説することを目指して企画いたしました。

最初の疑問は,高齢者の定義です。WHOは65歳以上を高齢者と定義してきましたが,日本老年医学会は75歳に引き上げることを提案しています。これは,現在の高齢者においては十数年前と比較して加齢に伴う身体的機能変化の出現が5~10年遅延していることによります。総論に続いて,周術期を術前,術中,術後に分けて,種々の問題点の整理ができるよう配慮しています。そして,Q4ではポリファーマシー,Q6ではサルコペニア,Q7ではフレイル,Q41では褥瘡対策,Q42では転倒予防,Q46にはリビング・ウィルを取り上げました。これまで麻酔関連教科書にこのような内容はほとんどありませんでしたが,高齢者が手術を受けて社会復帰するためには必須の項目です。

本書が,増加を続ける高齢者の周術期管理の一助になれば幸いです。また,本書によって,一人でも多くの初期研修医が麻酔管理の奥深さとともに楽しみを感じ,麻酔科医を選択していただけるきっかけになれば望外の喜びです。


2021年4月吉日

東京歯科大学市川総合病院教授
小板橋 俊哉

目次

Q1 高齢者の定義を教えてください。/杉野繁一,山内正憲

Q2 高齢者総合機能評価について教えてください。/原哲也

Q3 高齢者の術前検査の評価について注意点を教えてください。/恒吉勇男

Q4 高齢者に多い内服薬とその術前管理について教えてください。/秋下雅弘

Q5 周術期の注意すべき薬物,その管理法を教えてください。/前島亨一郎,中塚秀輝

Q6 サルコペニアとその診断法を教えてください。/若林秀隆

Q7 フレイルとは何ですか? 評価法も教えてください。/位田みつる

Q8 プレハビリテーションとは何ですか?/位田みつる

Q9 周術期の呼吸リハビリテーションについて教えてください。/羽端章悟,田島文博

Q10 術前の栄養評価法を教えてください。/谷口英喜

Q11 周術期の栄養管理法について教えてください。/谷口英喜

Q12 周術期の口腔ケアについて教えてください。/山中玲子

Q13 術前の禁煙について教えてください。/飯田宏樹

Q14 術前の絶飲食について教えてください。/佐藤健治

Q15 若年・壮年と比べた高齢者の薬物動態・薬力学の特徴について教えてください。 /増井健一

Q16 術前にオピオイドを使用している患者の周術期オピオイド管理について教えてください。/廣瀬宗孝

Q17 周術期抗菌薬投与とは? 高齢者における注意点は?/鈴木昭広

Q18 高齢者ではどの麻酔薬の選択が望ましいのか教えてください。/内田篤治郎

Q19 高齢者の処置時の鎮静について教えてください。/羽場政法

Q20 術中に脳波モニターで麻酔深度をモニターすべきですか?/讃岐美智義

Q21 高齢者での筋弛緩薬や拮抗薬の使用にあたっての注意点を教えてください。/山本舞,鈴木孝浩

Q22 高齢者での筋弛緩モニタリングに適した部位について教えてください。/山本舞,鈴木孝浩

Q23 若年者と比べた高齢者の循環機能の特徴について教えてください。/田中克哉

Q24 高齢者での術中の輸液管理の注意点について教えてください。/末廣浩一

Q25 高齢者に対する輸血はどのように行い,何を注意すればいいですか?/山本晃士

Q26 周術期高齢者の体温調節機能の特徴について教えてください。/立花俊祐,山蔭道明

Q27 若年者と比べた高齢者の呼吸機能の特徴について教えてください。/播磨恵,大瀧千代

Q28 高齢者の気道確保時の注意点について教えてください。/岡部悠吾,白神豪太郎

Q29 高齢者の術後の呼吸器系合併症予防には気管挿管と声門上器具のどちらがいいですか?/浅井隆

Q30 高齢者の抜管時の注意点はありますか?/孫慶淑,磯野史朗

Q31 抜管後に指示に従えない場合,退室基準はどのように判断すればいいですか。/多羅尾健太郎,磯野史朗

Q32 高齢者での術後痛の特徴と疼痛評価法を教えてください。/杉山由紀,川真田樹人

Q33 高齢者での術後悪心・嘔吐(PONV)予防法を教えてください。/関博志

Q34 高齢者に多い術後合併症について教えてください。/牧盾,山浦健

Q35 術後せん妄と術後認知機能障害の違いについて教えてください。/河野崇

Q36 術後せん妄の評価法,発生率,危険因子を教えてください。/石田和慶

Q37 術後認知機能障害の評価法,発生率,リスクファクターを教えてください。/高田亮,高澤知規

Q38 周術期脳梗塞とその予防法を教えてください。/伊藤慎也,吉谷健司

Q39 術後に発生する末梢神経障害について教えてください。/鎌田ことえ,山内正憲

Q40 長期臥床患者の周術期肺塞栓症の予防について教えてください。/黒岩政之

Q41 高齢者での褥瘡対策について教えてください。/長谷川泰子,寺師浩人

Q42 周術期の転倒予防の方法を教えてください。/後藤隆久

Q43 高齢者のICU における鎮静について教えてください。/長田大雅,森﨑浩

Q44 高齢者での術後早期のリハビリテーションについて教えてください。/上田幸輝

Q45 Post intensive care syndrome(PICS)とその予防法を教えてください。/江木盛時

Q46 リビング・ウィルと共有意思決定について教えてください。/天谷文昌

Q47 術前,心房細動を合併している患者の周術期管理について教えてください。/曽我朋宏,川人伸次

Q48 大腿骨頸部骨折の麻酔管理の注意点について教えてください。/藤井啓介

Q49 TAVI の麻酔管理の注意点について教えてください。/角本眞一

Q50 入室時に認知症で暴れています。どうしたらいいですか?/藤岡頌子,坪川恒久


索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:6.8MB以上(インストール時:17.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:27.0MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:6.8MB以上(インストール時:17.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:27.0MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784771905504
  • ページ数:208頁
  • 書籍発行日:2021年5月
  • 電子版発売日:2021年7月23日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。