実験医学増刊 Vol.39 No.12 がん微小環境に1細胞レベルで挑む~技術革新で見えてきた腫瘍内の細胞と免疫応答の多様性、がん悪性化・治療抵抗性の鍵

  • ISBN : 9784758103961
  • ページ数 : 220頁
  • 書籍発行日 : 2021年7月
  • 電子版発売日 : 2021年8月6日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥5,940 (税込)
ポイント : 108 pt (2%)

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

商品情報

シングルセル解析技術の進歩は,より深く・精緻ながん微小環境研究を可能としました.本書では新規技術で明らかになったがん幹細胞をとりまく多様性・相互作用から新規がん治療法開発の最先端までを紹介します.

≫ 「実験医学」バックナンバーはこちら

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

■ 序文

生体内における腫瘍増殖は,がん細胞周囲の微小環境(がん微小環境)によって支えられている.がん微小環境は,線維芽細胞・免疫細胞・血管内皮細胞・リンパ管内皮細胞などの腫瘍組織内に存在する非がん細胞との相互作用だけでなく,腫瘍特異的な低酸素・低栄養状態,炎症反応や他臓器との連関により構築される腫瘍内の特殊な環境をも含んでいる.がん微小環境は特に,がんの不均一性,がん転移,治療薬耐性などのがんの難治性に深くかかわっているために多くの注目を集めており,これまでにも数多くの基礎研究がなされるとともに,血管新生阻害剤などのがん微小環境を標的とした治療薬開発への展開がなされてきた.しかし,がん微小環境は個々の患者さんで異なるだけでなく,原発巣内にも不均一性が認められており,こうした不均一性が治療薬耐性や転移能獲得などのがん進化を生む一因となって,理解を難しくしている.実際に,腫瘍組織をより細かく分割して解析すると,がん細胞の難治性にかかわる遺伝子発現が部位によって異なることが明らかとなっている.そのため,がん微小環境の解析はより細かくシングルセルレベルでの解析へと変化しつつあり,世界各国よりがん微小環境のシングルセルレベルでの解析結果の報告が相次いでなされている.

近年のシングルセル解析につながる著しい技術革新は,これまでに見出すことのできなかったがん微小環境の実態をより深く・精緻に解析することを可能にしつつある.特に,がん細胞と非がん細胞との時空間的相互作用やさまざまな外界刺激に伴うがん微小環境の変化・揺らぎの解析へと結びついてきていることは驚嘆に値する.こうしたシングルセルレベルでの解析は高額な解析費用が必要となるために十分に普及しているとはいえない状況であるが,一部の研究室では精力的に解析が進められ,その結果が毎日のように論文として報告されている.近い将来,バルク解析では見出せなかったがん微小環境内の新たな細胞間相互作用や分子機構が明らかになり,想像もできなかった新しいがん治療法の開発へとつながっていくことが大いに期待される.

実験医学の増刊号として,これまでにもいろいろな側面からがん微小環境が取り上げられてきた.本増刊号では,シングルセル解析技術など最先端技術を取り込むことで新たなステージに向かって進んでいるがん微小環境研究に関して,第一線でご活躍中の先生方に現況をまとめていただいた.このようながん微小環境研究がさらに進展することで,革新的ながん治療法開発に結びつき,近い将来にがんの根治につながることを期待したい.

最後になりましたが,本増刊号に執筆いただいた先生方には,お忙しいなかにもかかわらずご快諾いただき,またご寄稿いただきましたことにたいへん感謝しております.誌面を借りて御礼申し上げます.


2021年6月

藤田直也

■ 目次

第1章 がん幹細胞を支えるがん微小環境の多様性

1. がん幹細胞の理解に向けたシングルセル解析【林 寛敦,秋山 徹】

2. 乳がん幹細胞を再現するバイオロジーとそれにかかわるシグナル伝達経路【後藤典子】

3. 薬剤耐性胃がん細胞のがん幹細胞性とその生存分子経路【馬島哲夫,清宮啓之】

4. シングルセル解析が明らかにするがん幹細胞の治療抵抗性への関与【森 裕太郎,塩川大介,岡本康司】

5. がん組織の進展に伴う細胞不均一性の変化【八尾良司】

6. がん関連線維芽細胞に依存したがん幹細胞の浸潤機構【石井源一郎】

7. がん内線維芽細胞の不均一性とがん促進作用【富永香菜,折茂 彰】

8. 血小板との相互作用が促進するがんの悪性化とその制御【高木 聡,藤田直也】

9. エクソソームによる臓器特異的な腫瘍微小環境【橋本彩子,濵﨑祐斗,星野歩子】

10. 神経によるがんの進展【高橋秀聡,佐野大佑,折舘伸彦】

11. 腫瘍血管内皮細胞の多様性とがん悪性化促進機構【樋田京子,間石奈湖】

12. がん微小環境の制御における腫瘍リンパ管多様性の役割【渡部徹郎】

第2章 腫瘍内の免疫・炎症応答多様性とがん微小環境

1. 大腸がんにおける腫瘍内不均一性と免疫応答多様性の理解【大里祐樹,小林雄太,三森功士】

2. シングルセル解析から迫る腫瘍微小免疫環境の多様性【冨樫庸介,長崎譲慈】

3. 免疫抑制性腫瘍内微小環境の構築にかかわる制御性T細胞【板橋耕太,西川博嘉】

4. 腫瘍内の炎症・免疫応答を制御するNK細胞・NKT細胞・γδT細胞【早川芳弘】

5. がん悪性化をもたらす炎症反応と転移ニッチ形成【中山瑞穂,大島浩子,大島正伸】

6. 単一細胞解析からみた複合がん免疫療法に伴うがん免疫微小環境変化【陳 昌佑,冠野柚香,七野成之,松島綱治,上羽悟史】

第3章 がん微小環境を標的とした治療薬と耐性

1. 腫瘍内における免疫チェックポイント阻害薬耐性化機構【片山量平】

2. 腫瘍内免疫環境の細胞間ネットワーク機構解明を基盤とした治療法開発【青木一教】

3. 血管内皮細胞の多様性の理解と治療応用【衣斐寛倫】

4. 肺がんの炎症性微小環境および中枢神経系での薬剤耐性【矢野聖二】

5. がんと間質の相互作用を標的とした薬剤開発の現状【大石智一,吉田潤次郎,川田 学】

6. MMPを標的としたがん微小環境改変治療法の可能性【坂本毅治】

7. がん細胞の化学療法抵抗性を生み出す固形腫瘍内低酸素微小環境【灰谷崇夫,小林 稔,原田 浩】

8. 腫瘍内の低酸素・低栄養環境を利用した薬剤の開発【永澤秀子】

第4章 新規技術が駆動するがん微小環境の理解

1. 高精度のがん診断に向けた3次元組織病理学の現在と未来【洲﨑悦生】

2. 組織透明化手法を用いた腫瘍進展の時空間解析―シングルセルレベルでのがん転移の観察【高橋恵生,宮園浩平】

3. Dockerプラットフォームを用いたシングルセル解析支援【中戸隆一郎】

4. 新たな1細胞解析ソリューションによる細胞間相互作用解析【居原田真史】

5. 画像活性セルソーター:画像情報に基づく生きた細胞の高速分取法【磯崎瑛宏,新田 尚,杉村武昭,合田圭介】

6. マスサイトメトリーCyTOF®によるシングルセルレベルの多様性解析【熊谷明日香】

7. 三次元培養を用いたがん微小環境・分子病態の解析【鎌田修平,池田和博,堀江公仁子,井上 聡】

■ 特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:13.4MB以上(インストール時:35.5MB以上)

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:13.4MB以上(インストール時:35.5MB以上)

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

まだ投稿されていません