Heart View 2020年8月号 Vol.24 No.8 血管炎症候群を理解する

  • ページ数 : 123頁
  • 書籍発行日 : 2020年7月
  • 電子版発売日 : 2021年8月25日
¥3,080(税込)
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商品情報

内容

特集:血管炎症候群を理解する
1 血管炎症候群の疾患概念と分類
2 大型血管炎をいかに診断するか?
3 川崎病をいかに診断するか? ほか

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序文

企画にあたって

中岡良和
(国立循環器病研究センター研究所血管生理学部部長/大阪大学大学院医学系研究科招聘教授)


「 血管炎症候群」は全身性血管炎ともよばれ,一次性に血管壁に炎症をきたす病態で,厚労省指定難病が数多く含まれる疾患群である。血管炎の分類基準として汎用されるChapel Hill Consensus Conference 2012(CHCC2012)分類では,血管炎症候群のカテゴリーは7つ,疾患数は26にも及ぶ。疾患の数が多く,いずれの疾患も複雑な印象があるため,循環器領域の多くの医師は「血管炎」に対して「自分には関係ない疾患」というイメージをもたれているのではないだろうか?

冒頭から特集テーマに対してネガティブな私見を記してしまったが,「血管炎症候群」で循環器領域に深く関係する疾患には高安動脈炎と川崎病がある。これらの2疾患は日本人医学者の高安右人先生(眼科医)と川崎富作先生(小児科医)がそれぞれ発見なさった血管病であり,日本が誇る疾患である。また,これらの2疾患の基礎研究と臨床研究の進展は近年顕著で,非常にホットな研究領域となっている。

① 高安動脈炎では日本で遂行された治験(TAKT study:2018年Annals of Rheum Dis 誌に掲載)によって抗interleukin-6受容体抗体のトシリズマブが2017年8月に薬事承認されて,従来のステロイド治療を補完するclass ⅠBの治療としてガイドラインでも推奨される形に変更された。さらに,2018年4月に公知申請を経てFDG-PET/CT が大型血管炎(高安動脈炎と巨細胞性動脈炎)に対する画像検査として厚労省から承認され,CT やMRI と比べてより視覚的・定量的に病勢をとらえられるようになった。このような大きな臨床上の進歩が大型血管炎ではみられている。

② 川崎病では日本で遂行された多施設ランダム化比較試験(KAICA trial)により,免疫グロブリン大量療法(IVIG)にシクロスポリンを併用する治療が従来の標準治療に比べて冠動脈病変の合併率を減らすことが示された(2019年Lancet 誌に掲載)。日本から発信されたGWAS での基礎研究の成果が,実際に臨床の新しい治療法に発展して大きな進歩がみられている。また,川崎病では移行期医療の問題もあり,循環器内科医と心臓外科医にも知識が必要となっている。また,ANCA 関連血管炎は1982年の抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)の発見以来,血管炎研究の中心に位置する疾患であり,循環器領域の医師には馴染みが薄いと思われるが,血管炎症候群を理解するうえで重要である。

そこで,本特集は「血管炎症候群を理解する」というタイトルで,血管炎症候群の領域から特に3つの疾患群,(1)高安動脈炎と巨細胞性動脈炎からなる大型血管炎(2)川崎病(3)ANCA 関連血管炎に焦点を当てて,国内を代表するエキスパートの先生方に執筆いただいた。分子レベルの最先端の基礎研究による成果から最新の診断・治療法まで,ホットな情報が満載である。本特集が,循環器内科医・心臓血管外科医・小児循環器医の先生方の「血管炎症候群を理解する」一助となれば望外の喜びである。

大変残念なことに,巻頭言を作成中の2020年6月5日に,川崎富作先生が逝去されたというニュースが飛び込んできた。改めて先生のご功績に敬意を表するとともに,心よりご冥福をお祈りしたい。

目次

特集:血管炎症候群を理解する 企画・構成/中岡 良和

診る

1 血管炎症候群の疾患概念と分類  針谷正祥

2 大型血管炎をいかに診断するか?  内田治仁

3 川崎病をいかに診断するか? 濱 田洋通

4 ANCA 関連血管炎をいかに診断するか?  田村直人

5【Expertise】大型血管炎の画像診断には何を使うのが良いか?  前嶋康浩

識る

6 大型血管炎の疫学的特徴  杉原毅彦

7 血管炎症候群の病理学的特徴  大原関利章,髙橋 啓

8 大型血管炎はどのように発症するか?  吉藤 元,寺尾知可史

9 川崎病はどのように発症するか  尾内善広

10 ANCA 関連血管炎はどのように発症するか?  西出真之

治す

11 大型血管炎の内科的治療のポイント  真鍋侑資,中岡良和

12 大型血管炎の外科治療・血管内治療の現状と問題点  渡部芳子,種本和雄

13 川崎病をどう治療するか?  鈴木啓之,末永智浩,垣本信幸,鈴木崇之,土橋智弥,武内 崇

14 ANCA 関連血管炎をどう治療するか?  長坂憲治

15【Expertise】高安動脈炎の心臓血管手術での周術期をいかに管理するか?   有田 陽

連載

【英語による 自信がもてる学会発表の技術 プレゼンの方法からパワポの作り方まで】

Chapter 3 読み原稿を準備しよう

2 グラフや表を説明する  上嶋徳久,加藤祐子

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書籍情報

  • ISBN:9784008102408
  • ページ数:123頁
  • 書籍発行日:2020年7月
  • 電子版発売日:2021年8月25日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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