医学のあゆみ274巻11号 形成外科の最前線

  • ページ数 : 90頁
  • 書籍発行日 : 2020年9月
  • 電子版発売日 : 2021年8月25日
¥1,430(税込)
ポイント : 26 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

形成外科の最前線
企画:森本尚樹(京都大学大学院医学研究科形成外科学)

・形成外科分野では自家組織移植,自家細胞を用いた組織再生が実臨床として長年行われてきている.わが国ではじめて承認された細胞使用製品である自家培養表皮は600例以上の患者の皮膚再生に用いられている.
・また,脂肪細胞を併用した乳房再生,軟骨細胞を用いた耳介形成手術と,細胞を自家組織と組み合わせた組織再生も行われてきている.最近では,付属器まで含めた皮膚・皮下組織全体の再生も提唱されている.
・微小循環評価,ロボット手術など組織生着に必要な検査,手技も実臨床に基づいた評価が行われている.また,瘢痕・ケロイド治療,レーザー治療など,“きれいになおす”ためにはこれらすべての理解が必要である.

≫ 「医学のあゆみ」最新号・バックナンバーはこちら

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

はじめに

形成外科は傷をきれいに治す体表面の外科と認識されている.しかし,体表面のみを治しても不十分で,実際に“きれいになおす”ためには皮膚の表層,すなわち表皮細胞からからはじまり,真皮,皮膚付属器,皮下組織である脂肪,深部の筋肉や骨,軟骨といった支持組織も含めて再建・再生させる必要がある.

再生医療というと,iPS 細胞(induced pluripotent stem cells;人工多能性幹細胞)を使った中枢神経再生,心筋再生,網膜再生など,重要に感じられる臓器・組織の再生が注目を浴びることが多い.実際には,細胞のみで組織を再生させることはほぼ不可能で,細胞のパラクライン効果や抗炎症作用など,副次的な効果が利用されている.一方で,形成外科分野では自家組織移植,自家細胞を用いた組織再生が実臨床として長年行われてきている.わが国ではじめて承認された細胞使用製品である自家培養表皮は承認から10年以上経過し,600 例以上の患者に保険治療として皮膚再生に用いられている.また,脂肪細胞を併用した乳房再生,軟骨細胞を用いた耳介形成手術と,細胞を自家組織と組み合わせた組織再生も行われてきている.最近では,付属器まで含めた皮膚・皮下組織全体の再生も提唱されている.組織再生を行うには,組織への血流が必須であるが,自家組織移植を行う形成外科では微小循環,および微小循環を得るための血管解剖を熟知しており,不十分な血流では組織が壊死する,ということを日常の診療で経験している.したがって,微小循環評価,ロボット手術など組織生着に必要な検査,手技も実臨床に基づいた評価が行われている.これ以外にも,動物には生じず,ヒトにのみ発生する瘢痕・ケロイド治療,そして体表の仕上げをするレーザー治療など,“きれいになおす”ためにはこれらすべての理解が必要である.

今回の特集である“形成外科の最前線”では臨床に直結する新規技術・治療を,それぞれの第一人者に提示していただいた.


京都大学大学院医学研究科形成外科学
森本尚樹

目次

特集

細胞リプログラミングによる潰瘍面からの新規上皮化――高齢化社会における皮膚潰瘍治療のブレークスルーをめざして……栗田昌和・他

同種細胞を用いた皮膚再生……坂本道治

自家培養軟骨による小耳症手術とその長期経過……今井啓介・他

脂肪注入による乳房再建と最近の進歩――皮弁再建との併用,鏡視下乳房切除後の再建,培養脂肪幹細胞の付加まで……佐武利彦・他

Robot-assisted microsurgeryの最前線……髙成啓介・亀井譲

光音響イメージングを用いた術前血管マッピング……津下到・齊藤晋

ケロイド・肥厚性瘢痕治療の最前線……小川令

レーザー治療の最前線……葛西健一郎

TOPICS

【臨床栄養学】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を防ぐ栄養学……香川靖雄

【消化器内科学】

肝疾患の病態形成・制御に寄与する細胞外小胞(extracellular vesicles)の役割……江口暁子

【社会医学】

第15回タバコ病予防国際学会・学術総会Global Tobacco Free Summit:タバコゼロ社会の実現~生命の源から見える現実と未来~を主催して……埴岡隆・他

連載

【再生医療はどこまで進んだか】

12.内耳性難聴に対するiPS細胞創薬……藤岡正人

【臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学】

5.制御性T細胞……大倉永也・坂口志文

【バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用】

はじめに――バイオミメティクス総論……下村政嗣

【生物模倣】

1.新たな観察法としてのNanoSuit®法――ウジ虫から学ぶ……針山孝彦

フォーラム

【医療社会学の冒険

26.(最終回)医療問題における社会と個人……美馬達哉

【パリから見えるこの世界】

95.汎心論,それは物理主義を乗り越えることができるのか……矢倉英隆

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:9.4MB以上(インストール時:21.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:37.6MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:9.4MB以上(インストール時:21.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:37.6MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784006027411
  • ページ数:90頁
  • 書籍発行日:2020年9月
  • 電子版発売日:2021年8月25日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。