関節外科 2020年6月号 Vol.39 No.6 股関節領域の術前・術中支援技術 Up to date

  • ページ数 : 123頁
  • 書籍発行日 : 2020年5月
  • 電子版発売日 : 2021年9月8日
¥2,640(税込)
ポイント : 48 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

特集:股関節領域の術前・術中支援技術 Up to date
三次元術前計画ソフトウエアの開発コンセプト
三次元術前計画ソフトウエアの特徴と使用方法
Robotic surgery ほか

関節外科バックナンバー

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

introduction


人工股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA)は,整形外科手術のなかで最も術後患者の満足度が高い手術の一つです。医学の進歩と医療技術の向上,人口の高齢化による患者数の増加,社会的ニーズの向上などの背景が加わり,わが国におけるTHAの年間手術件数は,この10年間で倍増しています。そのような背景からTHAは現在では患者個々のニーズを考慮して,日常生活動作(activities of daily living;ADL)だけでなく生活の質(quality of life;QOL)までも改善し,長期的に維持させることが求められるようになりました。とりわけ医療技術の向上は目覚ましく,なかでもインプラントの適切な設置は,脱臼率を減少させる効果があるだけでなく,エッジローディングなどを減少させて長期成績にもよい影響を及ぼします。つまり不適切な設置角度や位置は,インピンジメントや脱臼の問題だけでなく,摺動部の破損や摩耗,脚長差,大腿骨オフセットにも悪影響を及ぼします。そのため,より安全で正確な低侵襲手術が必要とされるようになりました。

一方,股関節骨切り術は以前よりも手術件数が大幅に減少しています。これは手術技術の難易度の高さや伝承者の減少に加えて,THAの手術技術が向上し,手術件数が増加していることも相対的に影響していると考えられます。そのため,股関節骨切り術はより限られた施設で行われるようになりました。しかし,骨切り術は関節温存の目的では,きわめて大切にされるべき手術技術であることは周知の事実です。従って,この骨切り術においてもより安全で正確な技術が求められるようになっています。

近年,医療技術が進歩した大きな要素の一つにCAOS(computer assisted orthopaedicsurgery)の導入があります。それにはナビゲーション,ロボットサージェリー,patients specific guideなどがあります。前二者はいまだ費用が高額のために十分な普及には至っていません。3D技術も進歩しており,後者はより安価な3Dプリンターが市販されていますが,その作成過程はいまだ煩雑であり,企業に依頼すれば数週間を要することなどが課題点です。そのほか,より安価で工夫を凝らしたアイデアによるシンプルな手術支援システムも多く編み出されています。そのため,今回の特集は,「股関節領域の術前・術中支援技術Up to date」をテーマとして企画しました。それぞれに一長一短はあろうかと思われますが,その選択肢の豊富さは,わが国には逸材である関節外科医が多く存在することを意味しています。これらの最新技術を,次世代の先生や一般開業医の先生に知っていただき,現在ではこのような技術を駆使して股関節手術が行えるということを紹介したかったのが今回の特集の目的です。逆にいえば,かなりマニアックなテーマになってしまったと思いますが,ご理解,ご容赦ください。今後の課題は保険収載であろうと思います。さらなるエビデンスの蓄積にも期待したいと思います。

今回,寄稿をご依頼させていただいた先生には,最先端かつアイデアや工夫が随所に散りばめられている大変貴重な玉稿を賜りました。この場をお借りして深謝を申し上げます。本特集が関節外科医の知識や技術のUp to dateになり,その最新の技術が股関節疾患患者へフィードバックされる特集になればこの上ない喜びです。


北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科/北里大学大学院医療系研究科整形外科
高平尚伸

目次

特集:股関節領域の術前・術中支援技術 Up to date  企画・編集:高平尚伸

Ⅰ. 術前計画

三次元術前計画ソフトウエアの開発コンセプト  伊藤知之ほか

三次元術前計画ソフトウエアの特徴と使用方法  土井口祐一

Ⅱ. 術中手術支援

Robotic surgery  菅野伸彦ほか

コンピュータナビゲーションシステムを用いた寛骨臼回転骨切り術  池 裕之ほか

Navigation THA  徳永邦彦ほか

ポータブルナビゲーションシステムを用いた仰臥位THA  箕田行秀ほか 

HipGrid® DRONEによる仰臥位THAの術中支援  福島健介ほか 

PSIを用いた人工股関節全置換術  名越 智

股関節の骨切り術に対するPSG  坂井孝司 

大腿骨ステム設置支援患者固有テンプレート(PST)  北田 誠ほか

人工股関節全置換術(THA)のための器械式術中支援デバイス-HipCOMPASS-  須田 健ほか

APP側臥位骨盤固定器(APP Lateral Positioner®)と簡易装着可能なカップ設置ガイド(iFlexG®)  岩切健太郎

仰臥位THAのための簡便な術中カップ設置支援デバイスHipPointer-いつでも,どこでも,誰とでも正確なカップ設置-  仲宗根 哲ほか

レーザーポインター付き角度可変式アライメントガイド/術中カップ設置角計測アプリケーションを用いたTHA  岡上裕介

症例と治験

・人工膝関節全置換術(TKA)術後の屈曲可動域に影響する因子  今村亮太ほか

連載

・スポーツドクターの現場

第8回 レスリング  中嶋耕平

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:13.0MB以上(インストール時:29.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:52.2MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:13.0MB以上(インストール時:29.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:52.2MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784008203906
  • ページ数:123頁
  • 書籍発行日:2020年5月
  • 電子版発売日:2021年9月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。