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- 医学のあゆみ278巻11号 ヒューマノイドロボットの医療分野での応用
商品情報
内容
・ここ10年,ヒューマノイドロボットの露出は急激に進んでいる.医療分野においてもヒューマノイドロボットの需要はすでに出現している.
・医療従事者の不足する未来,感染症の脅威に見舞われている現実を踏まえると,ヒューマノイドロボットの技術を医療の場に積極的に取り入れる決断が必要かもしれない.
・ヒューマノイドロボット技術は今後の進歩も確約されているといえる.技術が医療の世界で正しく利用されるためには医療従事者の研究参加も不可欠である.
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序文
はじめに
ここ10年,ヒューマノイドロボットの露出は急激に進んでいる.携帯会社や銀行,空港などでもロボットが応対することが日常的となってきている.子どもたちは昔からロボットがそこにいたかのように,ロボットと自然に接している.英会話の練習にもロボットを導入している学校もある.対話技術の発展にもめざましいものがある.ロボットは会話の内容によっては,自律動作にて長時間の会話も可能となっている.
医療分野においてもロボットの活躍にはめざましいものがある.外科手術ロボット「Da Vinc(iダヴィンチ)」は治療法のなかですでに確固たる地位を築いている.介護ロボットの普及も進んでいる.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を機に,問診ロボットの導入もはじまってきている.
ヒューマノイドロボットについても需要はすでに出現している.会話の内容によっては人よりロボットのほうが自己開示しやすいなどとの報告もある.状況によっては,人よりロボットのほうが安心して関われるとの報告もある.ヒューマノイドロボットにはただ人の代わりをするだけでなく,人にはできない仕事も期待できるのかもしれない.現状のロボット技術でもすでに医療分野に革新をもたらすことが期待できる.医療従事者の不足する未来,感染症の脅威に見舞われている現実を踏まえると,われわれはもっとヒューマノイドロボットの技術を医療の場に積極的に取り入れる決断が必要かもしれない.
ヒューマノイドロボット技術は今後の進歩も確約されているといえる.技術が医療の世界で正しく利用されるためには医療従事者の研究参加も不可欠であり,参加することでさらなる応用が見込まれる.もちろん安全性については慎重に見極め,倫理の問題は常に検討していく必要がある.
本特集では,ヒューマノイドロボットの医療分野への応用研究の領域で世界を先導している専門家8名に執筆いただいた.忙しいなか快諾してくださったおかげで,現時点で最新の知見を網羅できたと思っている.この場を借りて御礼申し上げる.本特集を一人でも多くの方に御覧になっていただき,本分野が今後ますます発展することを願っている.
国立精神神経医療研究センター精神保健研究所児童・予防精神医学研究部
熊﨑博一
目次
特集:ヒューマノイドロボットの医療分野での応用
はじめに 熊﨑博一
医療分野で支援するロボットの現状 松本吉央
ロボットを活用した自閉症研究・自閉症療育 小嶋秀樹
精神科におけるヒューマノイドの潜在性 熊﨑博一
対話型ヒューマノイドロボットの技術 吉川雄一郎
生活習慣病治療におけるヒューマノイドロボットの役割 入江潤一郎・他
抱擁型通信メディアによる不安やストレスの軽減 住岡英信
医学分野のロボット研究 ― 今後の展望に向けて 宮尾益知
ヒューマノイドロボットが問う倫理 村松太郎
連載
・この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症17
旋尾線虫幼虫症 吉田 彩
・いま知っておきたい最新の臨床検査 ― 身近な疾患を先端技術で診断16
先天異常疾患における遺伝学的検査 清水健司
・オンラインによる医療者教育(3)
医学生評価のオンライン化(デジタル化)の7つのポイント―富山大学の場合 三原 弘
・ユニークな実験動物を用いた医学研究(1)
はじめに 花園 豊
絶滅危惧種アマミトゲネズミ―― メスの細胞から精子が生じる柔軟性 本多 新
TOPICS
・免疫学
腫瘍由来可溶型CD155を介した新規免疫逃避機構 奥村元紀・渋谷和子
・生化学・分子生物学
種間で保存されたACE2様酵素B38-CAPによる高血圧・心不全の改善作用 久場敬司
・細胞生物学
狙ったオルガネラ膜でのリン脂質の蛍光ラベル化と動態追跡 土谷正樹・浜地 格
FORUM
・パリから見えるこの世界
百寿エドガール・モランのMy Way,そして我が道としての自然哲学 矢倉英隆
・子育て中の学会参加(9)
救急科医の視点から 黒澤慶子
次号の特集予告
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書籍情報
- ISBN:9784006027811
- ページ数:82頁
- 書籍発行日:2021年9月
- 電子版発売日:2021年9月8日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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