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- 困っている子をほめて育てる ペアレント・トレーニングガイドブック 第2版
商品情報
内容
●より実践的なペアレント・トレーニングテキストの本邦最新版
初版発刊以降、家族支援が重要視され、厚生労働省「発達障害児者および家族等支援事業」において都道府県・市町村でのペアレント・トレーニング(ペアトレ)の推進がおこなわれるなどペアトレをとりまく状況は大きく変わってきました。
本書では、各機関(保健センター、療育機関、家族会、児童相談所など)において、さまざまな障害のある(可能性のある)子どもたちの親にペアトレをおこなう際の具体的なノウハウ、運営時のポイントを各専門家が紹介しています。9年ぶりの改訂となる第2版では、「日本ペアレント・トレーニング研究会」が推奨してきた「基本プラットホーム」の概要、ペアトレの父親参加(パパトレ)、発達(障害者)支援センターにおける実施の工夫などを追加するなど最新の知見に基づく大幅な見直しをおこないました。
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序文
はじめに―第2版発刊に寄せて―
前回本書が発刊された2012年以降,ペアレント・トレーニング(ペアトレ)をとりまく状況は大きく変わってきました。2014年,厚生労働省の「発達障害者支援体制整備事業」のなかで,ペアトレが地域での家族支援のメニューとして明記されたのです。さらに,改正発達障害者支援法(2016)においても家族支援が重要視されており,「発達障害児者および家族等支援事業」にて都道府県・市町村でのペアトレの推進が行われています。
また,改訂された「注意欠如・多動症―ADHD―の診断・治療ガイドライン第4版」のなかで,薬物療法の普及を背景に,「診断確定後の第1段階の治療として,環境調整と心理社会的治療を行うこと,その効果判定を行ってから,第2段階の治療として効果不十分な例には薬物療法もあわせて行うこと(心理社会的治療は継続)」と示されました。
この心理社会的治療の代表的なものとして,ペアトレがあげられています。このように,ペアトレの位置づけが,医療機関では診断後早期に取り組むべき治療手技,地域の療育機関では診断前であっても取り組みたい支援メニューとなったのです。
このように,ペアトレが全国で拡がっていくなかで,「何をもってペアトレといえるのか」「どのようにしてペアトレを実施,運営していけばよいのか」という支援者からの声,「ペアトレを受けたが,子どもの行動は改善されなかった」という保護者からの声が聞かれるようになってきました。
これらの流れを受けて,2015年から全国のペアトレ実践者・研究者が集い,「効果的なペアトレの普及・指導者の育成」を目的として情報交換を行うとともに,組織化をすすめ,全国研究集会を経て,2016年10月に「日本ペアレント・トレーニング研究会」が設立されました。そして,2019年度の厚生労働省障害者総合福祉推進事業「発達障害支援における家族支援プログラムの地域普及に向けたプログラム実施基準策定及び実施ガイドブックの作成」における全国自治体・事業所などのペアトレ実態調査結果,および全国のペアトレ実践者・研究者のコンセンサスによって「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」が作成されました。このガイドブックの中で,「なにをもってペアトレというか(基本プラットホーム)」の定義が明確になったことは,非常に意義深いことです。
この第2版では,研究会から中田洋二郎先生に「グループワークで大切にしたいこと」,井上雅彦先生に「ペアレント・トレーニングへの父親参加」,式部陽子先生に「発達障害者支援センター・発達支援センター」を新たに執筆いただくとともに,上記のガイドブックで策定された「基本プラットホーム」について岩坂が執筆しています。さらに,これまでの執筆者の先生方にも,その後の経験を踏まえて必要な加筆を行っていただきました。「困った子」ではなく,「困っている子」を「ほめて育てる」ために日々現場で奮闘されている支援者,さらに保護者ご自身にも手に取っていただき,大器晩成である子どもたちの成長に役立てていただくとともに,成長を一緒に喜んでいただけることが,執筆者一同の喜びです。
2021年4月
岩坂英巳
目次
第1章 ペアレント・トレーニングとは
1 国内での歩み
2 目的
3 対象
4 内容
5 ペアレント・トレーニングを活かすために
第2章 ペアレント・トレーニングの誤解
1 ペアトレの基礎にある行動療法は飴と鞭である
2 ペアトレとは親を訓練,指導するものである
3 ペアトレに副作用はない
4 無視は冷たい感じがする
5 ペアトレのインストラクターは難しい
第3章 標準版プログラムの各セッションのポイント
第4章 セッション運営時のポイント -インストラクターとなるために-
1 開始前
2 開始時
3 前半時期(第2回~第5回)
4 後半時期(第6回~第9回)
5 終了時(第10回)および終了後
6 グループ運営
7 宿題について
8 良いところ探しやほめることについて
9 参加者(メンバー)の葛藤など
10 インストラクターとなるために
11 その他のよくある疑問
第5章 基本プラットホーム
1 基本プラットホームとは
2 コアエレメント
3 運営の原則
4 実施者の専門性
第6章 短縮版プログラム(幼児版)
第7章 学校版プログラム(ティーチャー・トレーニング)
1 学校版
2 幼児版
第8章 子どもと親の特性に応じた工夫
1 ASD タイプへの取り組み
2 虐待予防と養育者支援の観点から
3 思春期
第9章 実施機関に応じた工夫
1 保健センター・療育機関
2 家族会
3 児童相談所
4 発達障害者支援センター・発達支援センター
第10章 ペアレント・トレーニングの可能性
1 ペアレント・トレーニングをもとにした発達支援~沖縄県の取り組みから~
2 ペアレント・トレーニングの今後の展開に寄せて~20年を振り返って~
3 グループワークで大切にしたいこと
4 ペアレント・トレーニングへの父親参加
資料
資料1 募集・開始時の様式例
資料2 標準版レジュメ
資料3 幼児版レジュメ
資料4 学校版ティーチャー・トレーニングレジュメ
資料5 幼児版ティーチャー・トレーニングレジュメ
資料6 子育て啓発パンフ例
資料7 講座の流れ&グループワークのすすめ方
用語解説
おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784840753579
- ページ数:376頁
- 書籍発行日:2021年6月
- 電子版発売日:2021年9月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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