逆転発想法で攻略 医学英語執筆のためのときめく実践例文集

  • ページ数 : 850頁
  • 書籍発行日 : 2020年5月
  • 電子版発売日 : 2021年9月22日
7,480
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商品情報

内容

「医学英語学術論文の執筆」について新たな執筆方法論を提案する1冊!

本書は、製薬企業で約40年間医薬品創製や臨床医学研究に携わるとともに、国際学会での発表や国際学術誌への投稿などの実績をもつ著者が「医学英語学術論文の執筆」について新たな執筆方法論を提案する1冊です。
繊細な意味を包含する日本語を英文に変換する場合、「英単語」をどんなに駆使してみても「情報伝達」には限界があります。この限界を越えるためには、①「文脈」に準じた「英語表現のパターン」を頭に刻み込み 、②「セマンティック」を頭に取り込み、「熟語や連語」で具体的な形式として「情報伝達」する必要があります。
したがって、「医学英語論文を執筆する」場合、従来のように「英単語」から発想するのではなく「逆の発想法」、つまり「構文」を考え「熟語・連語」を想起し、最後に「英単語」を考えるという方法が大切です。これを著者は「逆転発想法」として提案しています。また、「自己学習」のみならず「辞書」としても使えるよう工夫しています。

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序文

はじめに

著者は40年間の永きに渡り医薬品の創製に携わり,基礎ならびに臨床医学の研究に与するという貴重な経験をいたしました。この間国際学会で発表し,国際学術誌に投稿する機会も数多くありました。

この経験から言えますことは,自分が考えていることを簡潔明瞭かつ理路整然と適切な英語で表現することがいかに困難な所為であったかということです。医学英語学術論文を読んで理解することと,学術論文を英語で執筆することとの間には「大きな隔たり」があることを身に染みて感じました。

このような苦い経験はなにも著者に限ったことではなく,医学に与する研究者にとっては,いまでも共通の悩みではないかと想像いたします。海外の医学研究施設に留学し研鑽を積むこと,それは確かに専門領域の見識が広くなるばかりではなく,英語の語彙数を増やすという面では大きな貢献になったと思います。しかし,いざ医学英語学術論文を自分ひとりで書こうとすると「越えられない障壁」に突き当たることが常でした。

そこで著者は「越えられない障壁の原因はなにか?」という素朴な疑問を自分自身に発し,思索を重ねた結果,ようやくその回答が得られたように思います。その回答とは,

①日本語の繊細なニュアンスをいかにして英語で表現すればよいのか

②論理的な文章を英語でいかにして書き上げるのかこの2点に注力することではないかと思います。では,これら2点を克服するには具体的にどのようにすればよいのでしょうか? その方法論を念慮し創意工夫しました。

従来のように「英単語」を個別に記憶することは大切なことです。なぜなら英文を解釈するうえで必須だからです。でも,それだけでは英語の文章は作れません。英語の文章にするには「英文法」を遵守し,「英単語と英単語の繋がり」を考えながら「熟語」(idioms)や「連語」(collocations)を駆使し,英語的な「言い回し」(phrases)へと止揚,昇華させ,最後に日本語の意味に近い英語表現へと訳出していく筋道が最も「理に即している」と思います。著者はこの観点に立って「医学英語学術論文の執筆」を目的に据え,新たな執筆方法論をここに提案したいと思います。

言語とは「情報伝達」の手段です。したがって,文章の「文脈」が一貫していない,あるいは「論理性」が成り立っていなければ「情報伝達」はできません。これを言語学の専門用語では「意味尺度」(セマンティック・スケール,semantic scale)と称します。換言すれば,「文脈」や「論理性」がないような日本語は,たとえ頭の中で浮かんだ文章でさえ,英語に変換することはできないことを意味します。

殊に繊細な意味を包含する日本語を英文に変換する場合には「英単語」をどんなに駆使してみても,「情報伝達」には自ずと限界があると思います。このことは読者の皆さま方も重々ご承知かと存じます。では,どのようにすればよいのでしょうか? それには

①「文脈」に準じた「英語表現のパターン」を記憶に克明に刻み込み

②「セマンティック・スケール」を頭に取り込み,「熟語や連語」で具体的な形式として「情報伝達」する

ことに限ります。

具体的に申し上げます。「医学英語論文を執筆する」場合には,従来のように「英単語」から発想するのではなく「逆の発想法」によって行うことが大切です。つまり,まずは「構文」を考え,続いて「熟語・連語」を想起し,最後に「英単語」を考える。この順番で発想する方法―「逆転発想法」―を本書では提案したいと思います。従来の英文読解のための学習方法からの脱却です。英文を執筆する場合には,この「逆転発想法」が功を奏すると硬く信じています。

本書籍のタイトルを「医学英語執筆のためのときめく実践例文集」としました。本書で採用した例文はすべて英国,米国,豪州やニュージーランドなど英語を母国語とするネイティブ・スピーカーが書いた医学英語学術論文から抜粋しました。また医学専門領域に関係なく,どの専門領域でも使えるような共通の「英語表現の抽出」に注力し,選択した例文だからです。きっと「清々しい英語表現」を発見することでしょう。発見する楽しみを味わってください。珠玉の文章に出会えると良いですね。「言語はその言語を母国語とする人から学べ」あるいは「郷に入らば,郷に従え」との精神に沿って,相応しい例文を選択いたしました。このように「適切な英語表現を選択する」ことに約8年間,それらを「編纂」するのに約2年間を要し,結局「上梓」まで約10年の月日が流れました。

本書は「自己学習」のみならず「辞書」としても使えるように工夫されています。本書の索引では「セマンティック・スケール」から英語表現を検索し,引用できるよう配慮しましたのでご活用ください。紙面スペースの都合上「英文法」ならびに「専門用語」などの説明は割愛させていただきました。したがいまして「英文法」に関しましては「ロイヤル英文法改訂新版」(旺文社)や「英文法解説」(金子書房)を参照なさり,また「専門用語」につきましては専門書を紐解くことをお薦めします。

本書に選択された「英単語」につきましては“The Oxford English Dictionary”(Oxford University Press),“Collins Cobuild:English Dictionary for Advanced Learners”(Harper Collins Publishers) あるいは“Lexis:English-Japanese Dictionary”(Obunsya)などに立ち戻ってください。これらの辞書は例文が多く,おおいに参考になろうかと存じます。

“The Oxford English Dictionary”にも述べられていますが,すべての点において同じ意味を有する英単語は2つとありません。「類似語」(synonyms)ですら,異なる文脈においては異なるニュアンスを有します。ですので「初めて出会った英単語」がでてきたら,必ず上述の辞書で確認することをお薦めいたします。

箴言に曰く“Experience is the best teacher”(習うより慣れろ)です。大いに刻苦勉励なさることを期待いたします。

最後になりますが,出版にあたり株式会社じほうの編集者の方々には大変お世話になりました。衷心より御礼申し上げます。


2020年5月吉日

著者

目次

第Ⅰ章(Chapter 1)

鮮やかな英文に触れる

Coffee Break-1

第Ⅱ章(Chapter 2)

豊かな表現力を養う

動詞(verbs)

副詞(adverbs)

その他の単語(others)

連語・熟語(collocations & idioms)

Coffee Break-2

第Ⅲ章(Chapter 3)

汎用されている英単語・英語表現

Coffee Break-3

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書籍情報

  • ISBN:9784840752725
  • ページ数:850頁
  • 書籍発行日:2020年5月
  • 電子版発売日:2021年9月22日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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