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エラー回避の思考回路を鍛える! 麻酔科S&S症例ファイル 改題改訂第2版

  • ISBN : 9784784962235
  • ページ数 : 384頁
  • 書籍発行日 : 2021年10月
  • 電子版発売日 : 2021年10月15日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥5,500 (税込)
ポイント : 100 pt (2%)

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商品情報

好評書『麻酔科M&M症例ファイル』の改題改訂第2版!解説部分をきめ細かく全面的にアップデート

■起こりがちなエラー(インシデント事例)を集め、その失敗事例の原因分析を通して将来のエラーを防ぐ方策を学びます。
■今版では、最近の患者安全学の潮流をふまえ、失敗を振り返り教訓を学ぶSafety-Iに加え、日常の成功に着目して現場の調整力を強化するSafety-IIのアプローチを組み合わせて解説!
■どの診療科でも起こりうるエラーを取り上げており、麻酔科だけでなく、臨床研修医や専攻医などの若手医師、指導医にも広くおすすめです。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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■ 序文

改題改訂第2版 序文


本書の初版『麻酔科M&M症例ファイル』の上梓から7年以上が経過しました。この間,医学も医療も急速な発展を続けています。画期的な新薬や低侵襲を謳う先進医療が次々に臨床現場に導入されています。しかしこれら最先端の医療の裏側で,患者安全が様々な危険に曝されていることを忘れてはなりません。ある特定機能病院で高難度先進医療を受けた患者の死亡が相次いだ事件は,患者安全の面で大きな進歩を遂げたと思われていた21世紀のわが国の医療組織のクリニカル・ガバナンスを再び根本から問い直す契機になりました。「WHO患者安全カリキュラムガイド多職種版2011」の冒頭で,当時のWHO事務局長Margaret Chan博士が表明した状況認識,“One of the greatest challenges today is not about keeping up with the latest clinical procedures or the latest high-tech equipment. Instead, it is about delivering safer care in complex,pressurized and fast-moving environment.”は, 2021年の現在にもそのままあてはまります。

患者安全学も常に進歩しています。近年の大きな潮流のひとつは,Safety-Ⅱおよびレジリエントヘルスケアという概念の普及とその実装化への試みです。失敗を振り返り教訓を学ぶSafety-Ⅰと,日常の成功に着目して現場の調整力を強化するSafety-Ⅱは,相反するものと捉えられがちですが,決してそうではありません。状況に応じてそのバランスを変えつつ,2つのアプローチを両立させて患者安全を常に維持することが私達の目標です。例えるなら,Safety-ⅠとSafety-Ⅱは楕円の2つの焦点です。2つの焦点からの距離の和が一定になる点が描く滑らかな軌跡が,患者安全という成果です。そのような思いから,『麻酔科S&S症例ファイル』と改題した第2版が誕生しました。もし本書を読まれた方が楕円の軌跡が滑らかでないと感じたとすれば,それはひとえに編者である私の力量不足によるものです。Safety-ⅠとSafety-Ⅱ(+将来的にはSafety-Ⅲ?)の統合を目指して,学びを続けたいと思います。

改題した第2版ですが,その基本的コンセプトは初版のものを受け継いでいます。すなわち,本書は「患者影響度にかかわらずエラーの原因分析と再発防止に自律的に取り組む」という医療専門職の責務の実践であり,医師のプロフェッショナリズムを探究するひとつの試みです。「麻酔科」症例ファイルと銘打っていますが,取り上げた症例に現れるエラーの多くは,麻酔科に特有の知識・技術に関連したものではなく,どの診療科でも起こりうるものです。その意味で初版同様に,麻酔科以外の医師,特に臨床研修医や専攻医などの若手医師,およびその指導医の方々にも本書を手に取っていただきたいと思っています。

“To err is human”であると同時に,“To save the next victim is also human”です。冒頭で言及した「ある特定機能病院」は,苦い医療事故の教訓を土台に,今では患者安全の教育と実践のトップランナーとしてわが国の医療を牽引しています。

本書が,安全な医療を提供できる,自立と自律の精神を身につけた若手プロフェッショナル医師の育成と,医療現場における安全文化の醸成に少しでも貢献できるなら,編者としてこれに優る喜びはありません。


謝辞

出来の悪い研修医であった編者にプロの麻酔科医の「いろは」を叩きこんで下さった,30数年前の“梁山泊”帝京大学医学部附属市原病院(現・帝京大学ちば総合医療センター)麻酔科のスタッフ,特に森田茂穂(故人),福家伸夫,稲田英一の先生方に深く感謝致します。編者を患者安全の道に誘って下さった坂本哲也先生(現・帝京大学医学部附属病院長)をはじめとする,当時から現在にいたる帝京大学医学部附属病院安全管理部のメンバーの方々にも,編者の患者安全教育活動に対するご支援とご指導に対して御礼を申し上げます。

Safety-Ⅱとレジリエントヘルスケアに造詣の深い安心院康彦先生(帝京大学医学部附属病院安全管理部副部長)の斬新な論考がなければ,「S&S」と改題した第2版の上梓は困難でした。ご協力に心より感謝致します。


2021年10月吉日
帝京大学医学部医学教育センター 麻酔科学講座
編者 髙田真二

■ 目次

Ⅰ 総論

1.世界標準の患者安全の考え方とM&Mカンファレンスの意義

2.Safety-Ⅱとレジリエントヘルスケア

Ⅱ 模擬カンファレンス

1.小児の全身麻酔導入時の重度低酸素血症

2.ケースマップによる医療有害事象分析

Ⅲ 他山の石─模擬事例から学ぶ

1.手術室編

①術前準備

File01 Kさんのご家族の方ですか?

File02 人工呼吸器が故障です!

File03 カラセボはプラセボにしかず

File04 そんなの聞いてない!

②入室〜導入

File05 漏れたらいかんぜよ

File06 いびきがひどいって主人によく言われるの

File07 Just a Routine Anesthesia

File08 こみあげてくる恐怖

File09 Haste Makes Waste

File10 どこから漏れるんだ?

File11 見ていたつもり

③術中管理

File12 何を入れちまったんだ!?

File13 脊麻が効かない

File14 気安くレミと呼ばないで!

File15 ヘパリン入りました!

File16 厳しく追及他人の失敗,笑ってごまかせ自分の失敗!?

File17 お願い! 赤ちゃんを助けて!!

File18 浜の真砂は尽きるとも世に誤薬の種は尽きまじ

File19 あの赤い数字は何だ?

File20 入れても入れても漏れちゃうの

File21 軽症もいじくりまわせば…

File22 ラリマであれまぁ

File23 亀の甲より年の功?

④全身麻酔からの覚醒

File24 去る者は追わず─抜けたものは…?

File25 いつものあれ

File26 息してる…よね?

File27 ならぬことはならぬ

File28 びっくりさせちゃったな…

File29 それ, 早く言ってよ!

File30 九仞の功を一簣に虧く

File31 全身麻酔なんて絶対イヤッ!

File32 The sooner, the better?

⑤術後回復室〜病棟帰室後

File33 出かけるときは忘れずに

File34 明石の蛸は美味いけれど…

File35 InvisibleGlottis

File36 郵便ポストが赤いのも,みんな麻酔のせい!?

File37 思考までブロックしてはならぬ

File38 Sorry Works

2.救急外来編

多様な業務が同時進行する救急外来でアクシデントを回避するには?


索引

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