膠原病学 改訂6版

  • ページ数 : 672頁
  • 書籍発行日 : 2015年7月
  • 電子版発売日 : 2016年4月1日
¥16,500(税込)
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商品情報

内容

免疫学と臨床免疫学を対等に見据えた、新しい時代の膠原病学テキスト!

若手医師や大学院学生、医学の知識のない人達にも理解しやすいように、解剖学や生理学的な知識を補足し、懇切丁寧な解説で書かれています。
また、広大な免疫学の知識を実用上必要なものに限って取り入れられており、多忙な臨床の現場において実用に耐える教科書となっています。

序文

第6版への序文

読者の変わらぬご支持を受けて茲に膠原病学第6 版上梓する.私は三月に九州大学病院教授を定年退官し九州大学特任教授として診療と研究を続けているが,自身の多忙に紛れて三年経過しての改訂となった.この間生物学的製剤は,関節リウマチの治療を一変させて安定期に入った感がある.安定期に入っただけでなく,その格段の有効性の故に,続々と他の膠原病リウマチ性疾患に応用されて,これまで治癒が見込めなかった疾患が治療され,また直截的な治療効果の故に病態までが見通せるようになった.エコーやMRI など画像診断の進歩も診療に貢献し,疾患遺伝子研究は発症へのHLA(原因抗原との絡みとして)の寄与を明確にし,HLA 以外の疾患遺伝子の多型が病像を形作る個性として寄与していることも見えてきて,疾病の分子病態が詳細に記述されて,発症病因が見えて来る,そんな時代になった.

本書はこうした新しい時代に即して,新たな診療ガイドラインや考え方に沿って,全身性エリテマトーデス,関節リウマチ,血管炎,ベーチェット病,炎症性脊椎疾患,乾癬性関節炎,肺高血圧症,骨粗鬆症など多くの章の内容を一新し,治療を最新のものにした.発症病因について,自己免疫(自己攻撃)の前提に立たず,現在の事実がより整合性をもって理解されるよう,しかも独善を排除しつつ,証拠を踏まえて記述した.ただ研究は人のなせる技であり,得られた事実が素直に解釈できればよいが,古来往々にして有力な仮説(観念)が人々の見解を歪め真実の解明を遅らせた.事実の調査が不徹底,事実を直視せず色眼鏡(固定観念)で見た,あるいは事実から真実に至る論理構築が存在しないのに敢えて押し切った,のが原因と思う.要するに事実イコール真実でなく,見出された事実から真実に至る間に人による解釈が介在するのであって,黄熱の如くウイルスの概念のない時代にウイルス疾患は解明され得ないし,天動説が人々全員の固定観念(常識)である時代に地動説は受け入れ難い.科学研究は時代の子であり観念の子なのである.とはいっても,患者は現前に有り,膠原病は解明されていない.逡巡していてはいつまで経っても解決しない.私達は,誤謬を畏れつつ,批判的精神をもって,事実を重視しながら真実に至る努力を続けるべきである.「功名は常に窮中に有り過患は功処に従いて生ず」(華岡青洲)のとおり,真実は困窮の中に有って功処(うまく行く処)にない.本書が俊秀を啓発して,しかもその行く手を遮らない教科書であることを願っている.

今回の改訂に際し,昨年お別れした臨床の恩師故七川歓次先生,畏友故Kontinnen教授に敬礼してさらなる前進を期し,出版に際して懇切に善処いただいた丸善出版の小林秀一郎部長に感謝する.

平成27年6月

九州大学病院別府病院内科にて

塩沢俊一

目次

1部 免疫システムへのアプローチ

1章 免疫システムの概要

2章 免疫異常の検出法

2部 免疫系の細胞と臓器

3章 抗体とB細胞

4章 T細胞

5章 抗原提示Antigen Presentation

6章 TLRと第一線の非特異的防御機構

7章 免疫系の発生と臓器,DC

3部 免疫応答を調節する分子

8章 補体および低分子生理活性物質(プロスタグランジン,トロンボキサン,ロイコトリエン,NO)

9章 サイトカインCytokine

10章 接着分子Adhesion Molecule

4部 生体防御応答の正常と異常

11章 感染に対する防御応答

12章 免疫不全症Immunodeficiency Syndrome

5部 膠原病へのアプローチ

13章 膠原病の概念および発症病因

14章 膠原病の診察法

15章 膠原病の検査

16章 画像による診断

17章 関節の構造と機能

6部 臨床薬理学

18章 膠原病の治療薬

7部 膠原病の臨床

19章 関節リウマチRheumatoid Arthritis(RA)

20章全身性エリテマトーデスSystemic Lupus Erythematosus(SLE)

21章 混合性結合組織病Mixed Connective Tissue Disease(MCTD)

22章 全身性硬化症Systemic Sclerosis(SSc)(強皮症Scleroderma)

23章 多発性筋炎・皮膚筋炎Polymyositis/Dermatomyositis(PM/DM)

24章 全身性血管炎Systemic Vasculitis

25章 シェーグレン症候群SjøgrenŠs Syndrome

26章 抗リン脂質抗体症候群Anti-Phospholipid Antibody Syndrome(APS)

27章 ベーチェット病Behçet Disease

28章 痛風Goutおよび偽痛風Pseudogout

29章 若年性関節リウマチ・若年性脊椎関節症,成人スチル病,ライム病

30章 リウマチ性多発筋痛症Polymyalgia Rheumatica(PMR),RS3PE症候群,Macrophagic Myofasciitis

31章 Spondyloarthritis(SpA),Fasciitis

32章 乾癬性関節炎Psoriatic Arthritis(PsA)

33章 サルコイドーシスSarcoidosis

34章 掌蹠膿疱性骨関節症

35章 再発性多発性軟骨炎Relapsing Polychondritis

36章 好酸球性筋膜炎,その他の筋膜炎

37章 線維筋痛症候群Fibromyalgia Syndrome

38章 自己炎症症候群Autoinflammatory Syndrome

39章 無菌性骨壊死症,その他リウマチ症状を示す疾患

40章 アレルギーと疾患

8部 全身からみた膠原病

41章 膠原病と血液疾患,腫瘍

42章 膠原病と肺

43章 膠原病と腎

44章 膠原病と肝胆道・消化器・後腹膜

45章 膠原病と眼

46章 膠原病と皮膚

47章 膠原病と代謝性疾患

48章 結合組織の遺伝性疾患

49章 膠原病と神経内分泌,ストレスの認知行動療法

50章 膠原病患者の主治医になるということ

【付録1】関節可動域の測定法

【付録2】CD 分類表

【付録3】インターロイキンの種類

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書籍情報

  • ISBN:9784621089453
  • ページ数:672頁
  • 書籍発行日:2015年7月
  • 電子版発売日:2016年4月1日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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