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メディカルオフサルモロジー 眼薬物治療のすべて〈専門医のための眼科診療クオリファイ15〉

  • ページ数 : 499頁
  • 書籍発行日 : 2012年12月
  • 電子版発売日 : 2020年11月20日
¥23,100(税込)
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商品情報

内容

眼科の扱うほとんどの疾患について,処方と診断のポイントを冒頭に掲載し,薬物治療に欠かせない疾患の基礎知識,ポイントとなる所見と症例写真,典型処方例,評価と注意点を簡潔にまとめた.薬物治療のスタンダードとトレンドが集結した1冊.日本眼科学会専門医制度の専門医資格取得に関する書籍として認定されました.

専門医のための眼科診療クオリファイ シリーズ

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序文

眼科疾患の薬物療法の最新の情報を,ここにお届けする.本来,診断と治療は,十分な検査,同僚や指導医とのカンファレンスを経て,視能訓練士,看護師とのチームで提供していくべきものである.しかし,眼科医が極端に不足している昨今,たとえば角膜潰瘍,眼内炎など,すぐに治療を開始しなければ良好な視力が残せないリスクがある症例を,一人で診察しなければならない眼科医も多い.そんなときに,この本は,同僚となり指導医となって診断治療の道筋を示してくれる.企画の当初から,これ一冊で,診断を導き治療を開始するのに最低限必要な内容を網羅することを目指した.

眼科を志して間もない後期研修医は,患者さまの医療面接を終えたら,大急ぎでこの本を参考に所見をまとめて診断をつけ,自分なりの治療方針をたてた後に指導医にプレゼンしてほしい.実際の診察では,メモをとるよりも指導医の診察を食い入るように見つめて,文章や写真では表せない診断のコツや最善の治療を,患者さまと指導医から学んでもらいたい.病棟外来の仕事が終わった夜には,この本をきっかけに,さらに洋書を含めた多くの書籍を手にとり学んでほしい.また,指導する立場になった先生にも,本書はご自分の知識をアップデートし整理するのに最適な一冊となる.

開業医や地域の病院で,一人で眼科外来を担当する医師にとっては,相談できる同僚も指示を仰ぐ指導医も不在の環境でも,疾患の特徴と処方を簡潔にまとめたこの本が,頼もしい味方になってくれるはず.

そういう理想をもって編集された本巻だが,記載された典型処方例は,必ずしもすべての患者さまに適切なものとは限らない.それぞれの患者さまの年齢,病歴,全身疾患の有無など総合的に判断して薬剤を選択する必要がある.また,本巻では処方例には一般名ではなく,あえて商品名を主体として記載した.これはその薬剤が,ほかの薬剤よりも優れているということを示すものではなく,一般名から商品名を調べるわずかな時間でも省略できることが,忙しい外来ではとても貴重だと考えるからである.実際の薬剤の選択は,総合的な判断のもとに行っていただけるようお願いする.

この本が,眼科医の診察の助けとなり,その結果として一人でも多くの患者さまを眼疾患による視力障害から救うことができれば,これに勝る喜びはないと考える.


2012年11月

信州大学医学部眼科学教室/教授
村田敏規

目次

1 結膜

細菌性結膜炎 (秦野 寛)

ウイルス性結膜炎 (内尾英一)

STD関連角結膜炎 (大熊博子,杉原紀子,松原正男)

アレルギー性結膜炎,花粉症 (内尾英一)

アトピー性角結膜炎 (海老原伸行)

フリクテン性角結膜炎,瞼裂斑炎 (内尾英一)

春季カタル (庄司 純)

巨大乳頭結膜炎 (藤島 浩)

Stevens-Johnson症候群 (斎藤禎子)

眼類天疱瘡 (斎藤禎子)

結膜弛緩症 (横井則彦)

上輪部角結膜炎 (堀 裕一)

ドライアイ(乾燥性角結膜炎,Sjogren症候群) (堀 裕一)

CQ 自己血清点眼について教えてください (堀 裕一)

結膜乳頭腫 (吉田紀子)

新生児眼炎 (後藤美和子)

2 角膜疾患

細菌性角膜炎,カタル性角膜潰瘍 (宇野敏彦)

CQ MRSA/MRSEについて教えてください (宇野敏彦)

角膜真菌症 (井上幸次)

単純ヘルペス角膜炎,帯状ヘルペス角膜炎 (井上幸次)

アカントアメーバ角膜炎 (加治優一)

蚕食性角膜潰瘍(Mooren潰瘍) (村松隆次)

Thygeson点状表層角膜炎 (渡辺 仁)

反復性角膜上皮びらん (渡辺 仁)

糸状角膜炎 (海老原伸行)

神経麻痺性角膜症,兎眼性角膜症 (鈴木 崇)

角膜化学外傷 (加治優一)

角膜変性(角膜脂肪変性,Terrien辺縁角膜変性) (海老原伸行)

角膜移植後拒絶反応 (島﨑 潤)

CQ 円錐角膜のコラーゲンクロスリンキングについて教えてください (島﨑 潤)

3 強膜疾患

上強膜炎,前部強膜炎,後部強膜炎 (朱さゆり)

4 水晶体疾患

白内障 (茨木信博)

CQ IFISについて教えてください (黒坂大次郎)

5 緑内障

原発開放隅角緑内障,高眼圧症 (相原 一)

CQ 緑内障点眼薬の配合薬の使用方法について教えてください (相原 一)

原発閉塞隅角症 (宮原照良)

落屑緑内障 (溝上志朗)

ぶどう膜炎に伴う続発緑内障,Posner-Schlossman症候群  (澤田 有)

悪性緑内障 (宮原照良)

血管新生緑内障 (山川良治)

濾過胞感染症 (久保田敏昭)

6 ぶどう膜疾患

ぶどう膜炎の診断の進め方 (杉田 直)

急性前部ぶどう膜炎 (橋田徳康,大黒伸行)

ヘルペスウイルスによる前部ぶどう膜炎 (冲永貴美子,蕪城俊克)

Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎 (肱岡邦明)

Behcet病 (川野庸一)

サルコイドーシス (朱さゆり)

CQ トリアムシノロンTenon嚢下注射の方法と注意点を教えてください (橋田徳康,大黒伸行)

Vogt-小柳-原田病,交感性眼炎 (園田康平)

CQ ステロイド全身投与方法と,その副作用予防方法について教えてください (園田康平)

急性網膜壊死 (武田篤信)

進行性網膜外層壊死 (上甲武志)

サイトメガロウイルス網膜炎 (松田順子,沼賀二郎)

梅毒性ぶどう膜炎 (中尾新太郎,江内田 寛)

結核性ぶどう膜炎 (毛塚剛司)

猫ひっかき病(neuroretinitis) (兒玉達夫)

中間部ぶどう膜炎 (川口龍史,岩﨑優子)

水晶体起因性ぶどう膜炎 (川村雅英,小池 彩,雑喉正泰)

小児のぶどう膜炎(若年性特発性関節炎,間質性腎炎) (吉村 武)

真菌性眼内炎 (中尾新太郎,武田篤信)

術後眼内炎 (坂東 肇)

悪性リンパ腫 (吉川 洋)

地図状脈絡膜炎 (伊東崇子)

眼底に白点がみられる疾患(APMPPE,PIC,MCP,MEWDS) (大島裕司)

CQ AZOORについて教えてください (白神千恵子)

脈絡膜剥離,uveal effusion (丸子一朗,飯田知弘)

トキソプラズマ症 (時光元温)

トキソカラ症 (佐藤孝樹)

7 網膜疾患

網膜動脈閉塞症 (大越貴志子)

網膜静脈閉塞症 (﨑元 晋,瓶井資弘)

高血圧網膜症 (齋藤理幸,石田 晋)

糖尿病黄斑浮腫 (村田敏規)

黄斑浮腫(糖尿病,網膜静脈閉塞症以外) (家里康弘)

中心性漿液性脈絡網膜症 (北橋正康,山本修一)

加齢黄斑変性/薬物単独治療 (鈴木三保子,五味 文)

CQ 硝子体内注射の方法と注意点について教えてください (吉田紀子)

加齢黄斑変性/PDTと薬物療法などの併用療法  (佐藤 拓)

近視性脈絡膜血管新生,特発性脈絡膜血管新生 (森山無価)

癌関連網膜症 (黒川 徹)

網膜色素変性 (池田康博)

網膜振盪症,Purtscher外傷性網膜症(遠達外傷性網膜症) (鈴木浩之,池田恒彦)

網膜芽細胞腫 (鈴木茂伸)

8 視神経・視路疾患

典型的視神経炎,球後視神経炎 (大平明弘)

虚血性視神経症 (有田量一,江内田 寛,石橋達朗)

栄養欠乏性視神経症,中毒性視神経症 (宮本和明)

外傷性視神経症 (西 智,緒方奈保子)

Leber遺伝性視神経症 (中村 誠)

9 眼瞼・涙器疾患

麦粒腫,霰粒腫 (小幡博人)

眼瞼縁炎,マイボーム腺炎,脂漏性眼瞼炎 (有田玲子)

ヘルペス性眼瞼結膜炎 (檜垣史郎)

眼瞼けいれん,片側顔面けいれん,開瞼失行 (三村 治)

涙嚢炎,涙小管炎 (岩崎明美)

10 眼窩・眼筋疾患

眼窩蜂巣炎 (千葉 大)

特発性眼窩炎症(眼窩炎性偽腫瘍) (髙村 浩)

Wegener肉芽腫 (鳥山佑一)

Tolosa-Hunt症候群 (吉田茂生)

甲状腺眼症 (三村 治)

外眼筋麻痺 (若林真澄)

重症筋無力症 (北澤憲孝)

11 屈折・瞳孔・調節異常

CQ 調節緊張症,調節けいれんの実情について教えてください (吉冨健志)

瞳孔異常 (後関利明)

斜視,弱視 (下條裕史)

12 中枢性,心身症,その他

頭痛,片頭痛 (今井 章)

眼精疲労 (平野隆雄)

13 全身薬の副作用

角膜障害(TS-1(R) ,アミオダロン) (細谷友雅)

インターフェロン網膜症 (今井弘毅)

CQ 眼科局所麻酔手術中の薬の使いかたについて教えてください (家久来啓吾,池田恒彦)

14 眼科治療の副作用

眼科治療薬による副作用 (京本敏行)

CQ 副作用の少ない点眼薬処方のポイントを教えてください (近間泰一郎)

CQ LASIK術後の合併症の原因と予防,対処法について教えてください (渡辺 仁)

CQ 眼底血管造影のショックの対処方法について教えてください (湯澤美都子)

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書籍情報

  • ISBN:9784521734736
  • ページ数:499頁
  • 書籍発行日:2012年12月
  • 電子版発売日:2020年11月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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