- m3.com 電子書籍
- 正攻法ではないけれど必ず書き上げられる はじめてのケースレポート論文
商品情報
内容
論文執筆の経験がなくても,英語が得意でなくても,やる気があれば必ずケースレポート論文は書き上げられる.著者自らの経験をベースに,テーマ選びから,書き方のコツやポイント,翻訳の方法や選ぶべきツール,投稿する海外ジャーナルの選び方などなど,はじめてケースレポート論文を書き上げるためのノウハウ,を惜しげもなく教えてくれる一冊.
序文
序
本書は英文でCase reportを書く方法をその心構えから具体的な方策まで余すことなく開示した,痒いところに手が届く趣向になっています.なぜ,佐藤先生にこのような素晴らしい実用書を書くことができたのでしょうか? 本書を熟読玩味していただければ,佐藤先生の根底に流れるチャレンジ精神と情熱が汲み取れると思いますが,私から見た佐藤先生の日常の一面を披露しましょう.佐藤先生は私が現職になって第1号の救急科専攻医です.ある国際学会でシンポジストの依頼があった際に佐藤先生に声をかけたところ,二つ返事で引き受けてくれました.初めてのシンポジウムが英語の国際会議で,しかも私自身も別のシンポジウムと被ってしまい,孤立無援となりました.しかし,臆することなく最後まで見事にやり切ってくれました.その研究をきっかけに,後に学会や秋田県から奨励賞も受賞しています.一事が万事で,その後も論文作成,研究,講演などの課題を次々にクリアし,今や後輩を引っ張る頼もしい存在になっています.もちろん,不要な仕事を断る勇気も必要ですが,「チャンスの女神に後ろ髪はない」とは言い得て妙です.ちなみに私には前髪もありません.どんな時も一歩踏み出すことの重要性を著者は日々実践しています.本書は佐藤先生のこれまでの創意工夫を最短で活用できるように皆さんの必要なところからでも読み進められるように構成されています.読者の知的好奇心を擽くすぐるだけではなく,琴線に触れるものがあるとすれば,佐藤先生のそういった日々の研鑽の積み重ねに依るところが大でしょう.私自身は「何もしないで後悔するよりはやってみて後悔するほうがよい」と考えていますので,Casereport作成は積極的に後押ししてきました.しかし,いろいろなタイプの上司がいるのもまた然りで,その対処法も本書では述べられています.Case report作成の過程では,この周囲の雑音(失礼!)というのは,具体的な書き方に頭を悩ますよりもはるかに大きく影響します.何か新しいことを始める時には何もしない者が邪魔をするものです.まずはタイトルだけでも書いてみよう.今すぐ,取っ掛かりたくなるような画期的な指南書をご堪能し,将来の患者さんの治療にお役立てください.
2023年11月
秋田大学医学部附属病院高度救命救急センター
センター長/教授 中永士師明
序
拙著「正攻法ではないけれど必ず書き上げられる はじめてのケースレポート論文」をお手に取ってくださり,本当にありがとうございます.この本はCase reportの執筆に興味があるが,どうしたらよいかわからない人のためのものです.本書は医師だけを対象にしたものではありません.臨床現場で活動していて,それをきちんとアウトプットしたいという思いがある全ての方に向けて書いたつもりです.できるだけ実践的に,そして読んだ方が前向きな気持ちになれるように心がけました.ただでさえ普段の仕事で忙しいのに,英語で論文を書くなんて,とても大変です.諦める理由は山ほど見つけられます.環境によっては,周囲に歓迎されないこともあると思います.上司からの厳しい指導に心折れることもあるかもしれません.しかし,この本だけはいつでも味方です.めげずに進んでみてください.必ず道は開かれます.
この本が「正攻法ではない」理由は,「素晴らしいものでなくてもよいから,あの手この手でまずは1つ書ききろう!」ということを目標にしているからです.しかし書き続けているうちに,いつか正攻法でアクセプトを勝ち取ることができる実力がついてくるはずです! 私もまだまだ勉強中の身分であります.正攻法の実力がつくよう一緒にがんばっていきましょう!
最後に私ごとにはなりますが,感謝を述べさせてください.臨床力としても人間性としても未熟ながら,前例のない環境で集中治療医を志し,周囲の方には多くのご苦労をかけて参りました.特に研修医の頃より,昼夜を問わずいつ相談しても,快くご指導をくださいます中永 士師明先生,奥山 学先生には深く感謝しております.現在も変わらず未熟者ではございますが,患者から学んだことを論文化し,指導することができるようにまでなりました.ひとえに日々のご指導の賜物であります.本当にありがとうございます.
それでは,前置きが長くなりましたが,本書をお楽しみください!
2023年11月
秋田大学大学院医学系研究科
救急・集中治療医学講座
佐藤 佳澄
目次
Chapter 01 Case reportのすごい効能
1 本書は完全なる初心者のための本
2 自己紹介
3 自分の臨床が世界とつながる
4 臨床研究の入り口
Chapter 02 実は日本語よりも英語が簡単
1 必ず英語論文にしたほうがいい理由
2 言語の壁はもうない
3 国内の学会発表は時間がもったいない
コラム 研究倫理
Chapter 03 「書きたい」を「書ける」
メンタリティ
1 臨床家なら誰でも書ける
2 はじめたならば汚くても世に出す
3 応援してくれる人がいなくても書く
4 邪道で書くから書き切れる
Chapter 04 最大の要所はLearning pointの設定
1 初心者は自分のために書こうとする
2 テーマが決まれば書けたも同然
3 あなたの感動がテーマになる
4 Learning point作りのヒント
5 Learning pointは2つ作ろう
Chapter 05 周囲との付き合い方
1 指導者に会えればいちばんよいが……
2 「この症例は論文にならない」は嘘
3 信頼している人だけに打ち明ける
4 師匠は2人もいらない
5 誰をAuthorにするか?
6 Authorの順番
コラム2 ICMJE声明
Chapter 06 Case reportは単純なパズル!
1 Case reportは論文です
2 テーマが決まればピースが決まる
3 ピースの質を高める
Chapter 07 文献検索
1 大きい情報と小さい情報
2 テーマを分解すれば集めるべき情報は決まる
3 文献検索作業
Chapter 08 実際に書いていく
1 機械的に手を動かすだけで書き終わっている
2 なにを「書かないか」が重要
3 書く順番はIDCA
4 Introduction
5 Discussion & Conclusion
6 Case presentation
7 Abstract
8 CAREガイドライン
Chapter 09 投稿先
1 安くてモラルのある医学ジャーナルとは
2 全てPubMedに載るわけじゃない
3 症例報告にImpact factorは要らない
4 意外と穴場な“特集号”
5 オープンアクセスとは
6 ハゲタカジャーナルに要注意
Chapter 10 準備をしよう
1 症例報告を書くっていくらかかるの?
2 投稿費用を節約するコツ
3 投稿規定を確認しよう
4 同意書を取ろう
Chapter 11 Case report
1 AIサービスは神$
2 AIサービスに振り回されるな
3 Case report作成に役立つサービス
Chapter 12 書き終わったらやること
1 英文校正に出す
2 よきカバーレターとは
3 投稿作業チェックリスト
4 投稿で折り返し
Chapter 13 査読(リバイズ)を乗り越える
1 投稿が受理(アクセプト)されるまで
2 リバイズは苦しい
3 リバイズを乗り切る8つのコツ
4 論文がアクセプトされた!!!
Chapter 14 アクセプトのその先
1 どんどん簡単に書けるようになる
2 原著論文作成の基礎力がついている
3 査読依頼が来る
4 臨床力の飛躍
5 おわりに
Appendix
索引
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 10.0 以降
外部メモリ:8.4MB以上(インストール時:19.4MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:33.4MB以上
-
AndroidOS 5.0 以降
外部メモリ:8.4MB以上(インストール時:19.4MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:33.4MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784498148529
- ページ数:150頁
- 書籍発行日:2023年12月
- 電子版発売日:2023年12月20日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。