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- 肝臓クリニカルアップデート 2024年6月号(Vol.10 No.1)【特集】MASLD/MASH─脂肪性肝疾患の新概念─
商品情報
内容
疾患概念オーバービュー:MASLD/MASH とは?/Ballooning の意義は失われたか?─病理学的観点から─/MASLD/MASH の疫学は? ほか
序文
序文
わが国の慢性肝疾患の大きな原因を占めていたウイルス性肝炎に対しては,画期的新薬の登場により,ほぼ全ての症例においてウイルス排除またはウイルス制御が可能となった。その一方で,脂肪性肝疾患の重要性がクローズアップされ,診療と研究,および薬剤開発に多くの力が割かれるようになった。このような状況のなか,ごく最近脂肪性肝疾患を取り巻く状況が大きく変貌してきている。すなわち,2023 年7月に,従来の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に変わり,新たな疾患概念 “metabolic dysfunctionassociatedsteatotic liver disease(MASLD) / metabolic dysfunction-associated steatohepatitis(MASH)が56 ヵ国236 名のパネリストからなる国際コンセンサスグループにより提唱されたのである。これは代謝異常,飲酒量,およびstigma などを考慮し,脂肪肝と栄養代謝障害とを病態形成の根幹とする多因子肝疾患として捉えなおす新しい疾患体系であり,脂肪性肝疾患の病態の本質的な理解がより適切に進むとともに,治療法開発が広範囲に加速することが期待される。
そこで本号の特集では,ダイナミックに変化しつつある脂肪性肝疾患の理解と診療に役立つことを期待し,「MASLD/MASH ─脂肪性肝疾患の新概念─」をテーマとして,脂肪性肝疾患にかかわるさまざまな臨床的課題を網羅的に取り上げた。新しい疾患概念の解説に始まり,病理,疫学,バイオマーカーや遺伝要因に関する最新知見,および実臨床に則した画像診断や治療法,さらには将来展望に至るまでさまざまな課題やトピックスについて,エキスパートの先生方に詳しくかつ分かりやすくご解説いただいた。また,恒例の「連載」においても,臨床家が知っておくべき最新のトピックスについて,明解にご解説いただいた。それぞれご執筆いただいた先生方のご尽力により,本誌の発刊以来の基本コンセプトである「最新のテーマを広く・深く・わかりやすく」を本号でも踏襲することができ,とても贅沢な内容となった。ご執筆いただいた先生方には,この場をお借りして深く御礼を申し上げる次第である。本号をお読みいただくだけで,脂肪性肝疾患にかかわるほぼ全ての病態に対する診療についての理解と最新のトピックスに対する知見が深まる内容となっており,本号が読者の皆さまの診療の一助になり,脂肪性肝疾患のさらなる病態解明と治療法開発,そして肝疾患患者の皆さまの生命予後とQOL の改善に繋がれば,このうえない喜びである。
朝比奈靖浩
東京医科歯科大学消化器内科・肝臓病態制御学講
目次
特集 MASLD/MASH─脂肪性肝疾患の新概念─
序文 MASLD/MASH─脂肪性肝疾患の新概念─
東京医科歯科大学消化器内科・肝臓病態制御学講 朝比奈靖浩
1.疾患概念オーバービュー:MASLD/MASH とは?
久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 鈴木 浩之,他
2.Ballooning の意義は失われたか?─病理学的観点から─
金沢大学医薬保健研究域医学系人体病理学 佐々木素子
3.MASLD/MASH の疫学は?
東京女子医科大学消化器内科 小木曽智美
4.MASLD/MASH の遺伝子要因は?
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 瀬古 裕也
5.ハイリスク MASLD の拾い上げは?
武蔵野赤十字病院消化器内科 玉城 信治
6.MASLD/MASH のバイオマーカーは?
大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学 小玉 尚宏
7-1.MASLD/MASHの画像診断:超音波の役割
兵庫医科大学消化器内科学 西村 貴士,他
7-2.MASLD/MASH の画像診断:CTをどう使いこなすか?
国際医療福祉大学成田病院放射線科 平野湧一郎,他
7-3.MASLD/MASH の画像診断:MRI をどう使いこなすか?
名古屋大学医学部附属病院消化器内科 伊藤 隆徳,他
8.Burnt-out NASH のピットフォールとは?
三重大学大学院医学系研究科消化器内科 川 村 聡,他
9.Lean NAFLD 診療のピットフォール
愛媛大学大学院医学系研究科消化器・内分泌・代謝内科学 徳本 良雄,他
10-1.MASLD/MASH の治療:食事運動療法をどう処方するか?
医療法人ロコメディカルロコメディカル総合研究所 江口有一郎,他
10-2.MASLD/MASH の治療:現行の薬物治療はどのようにするか?
大阪大学大学院医学系研究科生体物理工学講座 鎌田 佳宏
11.MASH のデジタル療法とは
東京大学医学部附属病院検査部・消化器内科 佐藤 雅哉
12.新薬の開発状況は?
横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室 中 島 淳
座談会
肝炎医療コーディネーター
その役割と肝炎対策への貢献
出席:寺本いずみ,久保田典子,渡辺 美奈,中村香代子,松木 優子
連載
若手に役立つ議論・オピニオンリーダーからのメッセージ
・門脈腫瘍栓を有する進行肝細胞癌に対して薬物療法を優先する場合
千葉大学大学院医学研究院消化器内科学 小笠原定久,他
・門脈腫瘍栓を有する肝細胞癌に対する薬物療法後の切除
東京大学大学院医学系研究科肝胆膵外科・人工臓器・移植外科 真木 治文,他
画像診断と病理
・肝腫瘍の病理の機械学習─肝腫瘍における病理診断補助 AI システムの現状
久留米大学医学部病理学講座 近藤礼一郎,他
・肝腫瘍画像診断における人工知能
神戸大学大学院医学研究科内科系講座放射線医学分野 堀 雅 敏,他
新しい診断・薬の情報
・トロンボポエチン受容体作動薬(ドプテレット®)
北里大学医学部消化器内科学 日 高 央,他
・新規 FGFR 阻害剤(リトゴビ®錠)について
東京大学医学部附属病院臨床腫瘍科・外来化学療法部・腫瘍センター 石垣 和祥
各都道府県における肝疾患対策取り組みの現状
・岡山県における肝炎対策の現状
岡山大学学術研究院医歯薬学域肝・腎疾患連携推進講座 高木章乃夫,他
エキスパート外科医に聞いてみよう
・Medical Imaging Projection System を用いた解剖学的肝切除の可能性
高知大学外科学講座(消化器外科) 瀬 尾 智
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書籍情報
- ISBN:9784865175929
- ページ数:132頁
- 書籍発行日:2024年6月
- 電子版発売日:2024年7月9日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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