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商品情報
内容
疾患(かん)・患(かん)者・看(かん)護・観(かん)察が感(かん)覚的にわかる、感(かん)動の一冊!
ナースをはじめとするコメディカル向けに、領域別疾患患者対応のポイントを徹底的に見える化。リアルな臨床現場で本当に必要な知識が、この一冊でパッとつかめる。
SNS等でも人気の「看護師のかげさん」によるケアの4コママンガと、現役若手消化器外科医「おぺなか先生」による臨床目線の解剖イラストで、ベッドサイドがイメージできる。
臨床ナースのギモンにドクターがずばり答えるQ&Aコラム付き。臓器別の知識に加えて、消化器疾患患者の対応に必要な「横断的ケア」も深まる。 病棟で必須の薬剤の知識も、本当に必要な情報に絞って掲載。
序文
はじめに
この本を手に取っていただいている皆さんは、実習を前にした看護学生さん、新任の看護師さん、即戦力を期待されて消化器の病棟に異動になった看護師さん、あるいは若手を指導する立場になったベテランナースのかたがたでしょうか? はたまた、消化器病棟にかかわるメディカルスタッフもいるかもしれませんね。正解です。この本は皆さんのようなかたがたに役に立ててもらうことを考えて編集されました。
2020年以降COVID-19が広がったために、もっと実習がしたかった、いろいろなセミナーや勉強会に参加して成長したいのに……、気軽に勤務後に食事をしながらちょっと疑問点を質問したい、などなど、これまで簡単にできていたことができなくなって、皆さん葛藤をかかえているのではないでしょうか。
もちろん、スマートフォンやインターネットで疑問を検索すればたくさんの情報が拾えるので、その気になれば、自分で勉強したり調べ物をしたりできるかもしれません。しかし、それらの情報は玉石混交で、自分だけの判断で本当に信じてよいのか不安になることもありますよね。かといって、試験のときに使った教科書では、いざ患者さんを担当するときには、小難しくて、パッと役に立たないですよね。
この本は、そんな葛藤を解消できるように、消化器診療の最前線にいる信頼できる医師・看護師が、患者さんを看るときに必要な最新の知識・情報を、臓器・疾患ごとにパッとみてわかるようにまとめています。ぜひ、この本を基本の1冊にして、日ごろのギモンを解消し、新たな疾患について学んで、さらなるレベルアップにつなげていただければと思います。
2021年8月
独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 外科 医長 畑 啓昭
はじめに
私は2つの病院の消化器病棟で十数年働いてきました。その間にたくさんの消化器看護に関する本を購入して読んできました。そのうちに看護の本では物足りなくなり、医師向けの本を読むこともありました。なぜ看護の本が物足りなくなったのかを考えてみると、疾患や治療の解説が少ないことや、「なぜそれをするのか」という根拠が書かれていることが少ないと感じたためです。
じゃあ看護師も医師向けの本を読めばいいのかというと、当たり前のことですが、医師向けの本には「看護」は書いていません。ある程度経験がある看護師であれば、医師向けの本を読んで、その知識を自分で噛み砕いて日ごろの看護に活かすことができるかもしれませんが、看護学生や新人看護師には難しいと思います。本書が目指したのは、疾患や治療、さらに根拠や看護も充実している、一石二鳥な消化器看護の本です。
本書は疾患や治療は医師が、看護は看護師が解説しています。さらに疾患や治療の部分も看護師が監修し、単なる疾患や治療の解説ではなく、看護師が日ごろの業務で必要な知識を盛り込みました。看護師が臨床で疑問に思うことに医師が回答するQ&Aや、逆に、例えばこの治療の場合はこういうところを観察してほしい、こういう場合はドクターコールをしてほしいなど、医師が看護師に望むこともあげていただいたので、臨床で役立つ内容になっていると思います。看護に関しては認定看護師・専門看護師などの現役のエキスパートナースに執筆いただきました。
本書のもう一つのオススメはイラストです。本シリーズは写真・イラストなどのビジュアルがわかりやすいと好評ですが、さらに本書ではSNSで人気のおぺなか先生(Twitter → @ope_naka)に解剖のイラストを、「看護師のかげさん」(Twitter → @877_727)に4コママンガを書いていただきました。ぜひ、これらのイラストにも注目して読んでいただきたいと思います。
最後になりましたが、コロナ禍の大変な時期に執筆、イラスト作成を引き受けてくださいました医師、看護師の皆さまには、心より感謝申し上げます。そして本書が、臨床看護師、看護学生、その他の職種の皆さまのお役に少しでも立つことができたなら、嬉しく思います。
2021年8月
地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 看護部 久保 健太郎
目次
・執筆者一覧
・はじめに
・本書の使い方
1章 解剖・機能
畑啓昭
食道
胃
小腸:空腸・回腸
小腸:十二指腸
大腸
肝臓
胆囊・胆管
膵臓・脾臓
2章 代表的な消化器症状
畑啓昭
腹痛
悪心・嘔吐・吃逆
吐血・下血・黒色便
下痢
便秘
3章 消化器病棟のナースに必要な知識
周術期看護(久保健太郎)
術後疼痛管理(久保健太郎)
せん妄(松本真理子)
感染管理(畑啓昭)
創傷管理(久保健太郎)
ドレーン管理(久保健太郎)
ストーマケア(久保健太郎)
輸液管理・末梢静脈ラインの管理(久保健太郎)
栄養管理(久保健太郎)
内視鏡検査・治療の看護(久保健太郎)
化学療法(淺野耕太)
放射線療法(日浅友裕)
緩和ケア(塩原麻衣)
4章 食道の病気
食道がん(植村則久)
食道静脈瘤(植村則久)
逆流性食道炎(淺海信也)
食道裂孔ヘルニア(淺海信也)
食道アカラシア(淺海信也)
食道がんに対する治療(植村則久)
5章 胃・十二指腸の病気
胃がん(畑啓昭)
胃切除後障害(畑啓昭)
慢性胃炎(横井千寿)
胃潰瘍(横井千寿)
AGML:急性胃粘膜病変(横井千寿)
胃良性ポリープ(横井千寿)
上腸間膜動脈症候群(畑啓昭)
胃がんに対する治療(畑啓昭)
6章 小腸・大腸の病気
大腸がん(松末亮)
大腸ポリープ(太田義之)
腸閉塞(中西宏貴)
痔核・痔瘻(松末亮)
虫垂炎(岡田はるか)
潰瘍性大腸炎(江坂直樹)
クローン病(江坂直樹)
過敏性腸症候群(IBS)(江坂直樹)
偽膜性腸炎(CDI)(西村翔)
細菌・ウイルス感染症(感染性腸炎)(西村翔)
腸結核(太田義之)
虚血性腸炎(太田義之)
大腸ポリポーシス(花田圭太)
憩室炎(三木晶森)
上腸間膜動脈閉塞症(濱中訓生)
NOMI:非閉塞性腸管虚血(濱中訓生)
大腸の病気に対する治療
【外科】(松末亮)
【内科】(江坂直樹)
7章 消化管全般の病気
GIST:消化管間質腫瘍(村井克行)
神経内分泌腫瘍(NET)(村井克行)
悪性リンパ腫(岩本諭)
上部・下部消化管穿孔・腹膜炎(後藤健太郎)
ヘルニア(鼠径・大腿・閉鎖孔)(大倉啓輔)
好酸球性胃腸炎(岩本諭)
ベーチェット病(岩本諭)
消化管全般の病気に対する治療(村田雅樹)
8章 肝臓の病気
肝細胞がん・肝内胆管がん(髙和正)
転移性肝がん(髙和正)
肝良性腫瘍(髙和正)
肝炎(遠藤文司)
肝膿瘍(遠藤文司)
薬剤性肝障害(大濱日出子、朝井章)
アルコール性肝障害(大濱日出子、朝井章)
非アルコール性脂肪性肝炎(大濱日出子、朝井章)
肝硬変・門脈圧亢進症(遠藤文司)
原発性胆汁性胆管炎(大濱日出子、朝井章)
肝臓の病気に対する治療
【外科・IVR系】(髙和正)
【内科】(大濱日出子、朝井章)
9章 胆道の病気
中西保貴
胆囊がん・胆管がん
胆囊結石・胆管結石
胆囊炎・胆管炎
胆道の病気に対する治療
10章 膵臓の病気
膵がん(白川博文、富川盛啓、鈴木朋美、中村晃子、廣嶋愛実)
急性膵炎(下釜翼)
慢性膵炎(下釜翼)
膵囊胞性疾患(下釜翼)
膵臓の病気に対する治療
【外科】(白川博文、富川盛啓、鈴木朋美、中村晃子、廣嶋愛実)
【内科】(下釜翼)
11章 消化器で知っておきたい薬剤
久保健太郎
消化器で知っておきたい薬剤
【ドクターがずばり答える!ナースのギモン】
4章 食道の病気
01 吻合部狭窄に対するバルーン拡張術は術後いつから行える?(植村則久)
02 逆流性食道炎の患者が胸痛を訴えた場合、心電図をとったほうがいいかどうか、どう判断したらよい?(淺海信也)
03 H2ブロッカーとPPI、タケキャブ(R)(ボノプラザン)はどう使い分けている?(淺海信也)
04 H2ブロッカーとPPIを併用させることはある?(淺海信也)
05 頸部ドレーンでは縫合不全はわからないって本当?(植村則久)
06 嚥下訓練はどのように進めていくのか?(植村則久)
07 右胸腔ドレーンからの排液の混濁で縫合不全を疑うのはなぜ?(植村則久)
08 腹部食道がん手術では反回神経麻痺は起こらない?(植村則久)
09 右開胸なのに左胸腔ドレーンが入ってくる場合があるのはなぜ?(植村則久)
10 嗄声があったら反回神経麻痺があると考えていい?(植村則久)
5章 胃・十二指腸の病気
01 「胃潰瘍から胃がんになる」って本当?(畑啓昭)
02 胃切除後は結腸切除後に比べて飲水や食事の開始時期が遅いのはなぜ?幽門側胃切除よりも噴門側胃切除や胃全摘では遅くすべき?(畑啓昭)
03 ピロリ菌は一度消えたら感染しないの?(横井千寿)
04 ピロリ菌を除菌できたらもう心配ないの?(横井千寿)
05 上部消化管出血では黒色便やタール便になるのはなぜ?(横井千寿)
06 上部消化管からの出血を下血、下部消化管からの出血を血便と表現するのは正しい?(横井千寿)
07 胃十二指腸潰瘍とAGMLの違いは?(横井千寿)
08 ポリープと腺腫の違いは?(横井千寿)
09 開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット手術、それぞれ何が違うの?(畑啓昭)
6章 小腸・大腸の病気
01 結腸切除でドレーンを入れる場合と入れない場合があるのはなぜ?(松末亮)
02 術前にカナマイシンやフラジール(R)などの抗菌薬を内服することがあるのはなぜ?(松末亮)
03 ドレーン抜去の判断基準は?(松末亮)
04 直腸がん術前に浣腸をしてもよい?(松末亮)
05 術後に腸管刺激性の下剤(センノシドなど)や浣腸はいつから使用してもいい?(松末亮)
06 縫合不全が起こって再手術になったときは、どうしてほとんど人工肛門造設なの?(松末亮)
07 保存的治療をしていた人が手術になるのはどんなとき?(中西宏貴)
08 腸閉塞の悪心・嘔吐にプリンペラン(R)は使用してもいいの?(中西宏貴)
09 プリンペラン(R)を使用しても悪心・嘔吐が改善しない場合はどうしたらいい?(中西宏貴)
10 閉塞性の腸閉塞をイレウス、麻痺性イレウスを腸閉塞と呼ばないという意見があるが、最初から腸閉塞とイレウスの区別ができるものなの?(中西宏貴)
11 経鼻胃管とイレウスチューブの使い分けは?(中西宏貴)
12 イレウスチューブをメラサキュームなどで吸引する場合と自然排液する場合があるのはなぜ?(中西宏貴)
13 術後に強力ポステリザン(R)軟膏が出されるのはなぜ?(松末亮)
14 術後は温水洗浄便座で肛門を洗ってはいけない?(松末亮)
15 保存的治療をしている人が緊急手術になるのはどんなとき?(岡田はるか)
16 保存的治療をしている人と手術をする人の違いは?(岡田はるか)
17 GCAPなどの透析治療はどんな効果があるの?(江坂直樹)
18 CDIは整腸剤で予防できるの?(西村翔)
19 「下痢がひどいから、下痢止めがほしい」と言われたらどうする?(西村翔)
20 クローン病でエレンタール(R)を飲むのはなぜ?(江坂直樹)
21 なぜ回盲部に潰瘍ができやすいの?(太田義之)
22 なぜ憩室炎や憩室出血は繰り返すの?(三木晶森)
23 憩室炎から出血した場合は内視鏡?アンギオ?(三木晶森)
24 血便を繰り返す人は、毎回ドクターコールが必要?どんなときにドクターコール?(三木晶森)
25 腸管を栄養する血管のなかで、上腸間膜動脈(SMA)の閉塞が多いような気がするのはどうして?(濱中訓生)
26 NOMIはなぜ起こるの?(濱中訓生)
7章 消化管全般の病気
01 腹腔鏡下リンパ節生検はどんな手術?術後合併症は?(畑啓昭)
02 ドレーンがたくさん入っているのはどうして?ドレーン留置の場所はどうやって決めているの?各ドレーンの抜去の判断基準は?(後藤健太郎)
03 胃のGISTで内視鏡合同手術(LECS)をするのはなぜ?(村井克行)
04 前方アプローチの鼠径ヘルニアの手術の場合、除毛はどの範囲でしたらよい?陰毛はすべて除毛すべき?(大倉啓輔)
05 腹腔鏡で手術する場合と前方アプローチで手術する場合があるのはなぜ?術後合併症はそれぞれ異なる?(大倉啓輔)
8章 肝臓の病気
01 肝切除の場所や範囲によって胆汁漏のリスクは異なる?どんな手術だとリスクが高い?(髙和正)
02 転移性肝がんと肝細胞がんで手術内容は異なる?(髙和正)
03 肝庇護(ひご)薬でなぜ肝機能は改善するの?(遠藤文司)
04 なぜTPNで肝障害が起こるの?TPNで脂肪を入れなかった場合に脂肪肝になるのはなぜ?(大濱日出子)
05 アミノレバン(R)ENはなぜ就寝前に飲んでもらうの?(遠藤文司)
06 腹水のある患者にアルブミン製剤を投与するのはどうして?(遠藤文司)
07 アルブミン製剤と利尿薬(静注)が一緒に処方されていた場合は、アルブミン製剤を投与してから利尿薬を投与すべき?(遠藤文司)
08 原発性胆汁性肝硬変は一般的な肝硬変と何が違うの?(大濱日出子)
09 下痢でもモニラック(R)は飲んでもらうべき?(遠藤文司)
9章 胆道の病気
01 術前にENBDやPTCDをしている症例に、ケイツーN静注を入れるのはなぜ?(中西保貴)
02 胆管がんに対するPDと膵頭部がんに対するPDはまったく同じ手術?(中西保貴)
03 なぜ何度もERCPをする場合があるの?EBDをして次の週にクリーニングをする(1回でできない)のはなぜ?(中西保貴)
04 ERCP2~3時間後の採血では何を見ているの?(中西保貴)
05 PTGBDの排液が透明なことがあるのはなぜ?PTGBDの正常な排液の性状と量は?どんな異常がある?(中西保貴)
10章 膵臓の病気
01 なぜERCP後に急性膵炎を起こすことが多いの?(下釜翼)
02 急性膵炎の強い痛みはどうしたらいいの?(下釜翼)
03 膵頭十二指腸切除術後の予兆出血ってどんなドレーン排液?軽微な出血ってどの程度?見つけたらどうしたらいい?(白川博文)
04 膵管チューブの完全ドレナージと不完全ドレナージはどうやって決まる?看護師の注意点は変わる?(白川博文)
05 術後膵液瘻になるとドレーン排液がワインレッド色になるのはなぜ?時間が経つと灰色になるのはなぜ?(白川博文)
06 各ドレーン(腹腔内ドレーン、膵管チューブ、胆管チューブなど)の抜去の基準は?(白川博文)
07 EUS-CDってどんな治療?(下釜翼)
・引用・参考文献
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書籍情報
- ISBN:9784840475891
- ページ数:448頁
- 電子版発売日:2025年2月1日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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