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- 成田崇矢の臨床 腰痛
商品情報
内容
序文
序文
本邦が、世界一の平均寿命となってから久しくなります。このことは、大変素晴らしいことですが、少子高齢化という歪な人口構成の一因となり、社会問題にもなっています。また、平均寿命と健康寿命の差も男性で約8年、女性で約12年と言われており、健康寿命を延ばす(労働力を確保する?)ことが社会的使命になっています。何より、1人1人の人生において、いつまでも健康で過ごせることは、誰もが願っていることだと思います。
また、国家予算に占める医療、介護費の増加も大きな問題の1つです。要介護・要支援になった原因の約10%が関節疾患、約10%が転倒と、合わせて約20%と報告されています。私たちが関わることが多い運動器疾患の領域で困る方を、いかに少なくできるかは、私たちに大きくかかっていると思います。その中で、「腰痛」は常に、男女ともに通院者率の5位以内に入っており、「腰痛」で困っている方を減らすことができれば、大きな社会貢献につながると感じています。
私が理学療法士になった26年前は、「腰痛」を「腰痛」と捉え、温めたり、電気をかけ、いわゆる痛みを緩和させる目的の対処療法が中心に行われていました。このような治療?は、腰痛の原因組織、そこに加わるメカニカルストレス、つまり病態を明らかにしているとは言えず、適切な治療法ではないため、治らないまま苦しんでいる方が多かったと思います。
歳月が進み、特に医師の方々のご尽力により、腰痛の原因組織はかなり明らかになってきていると思います。腰痛者の85%は、非特異的腰痛と言われてきましたが、山口県腰痛スタディでは、腰痛者の約8割が診断可能だったと報告されています。それでは、その組織に加わるメカニカルストレスに関しては、どうでしょうか? その点に関する専門家は私たちセラピストだと思いますが、この点に関しては、まだ整理されてこなかったと感じています。このため、本書では、病態つまり痛みの原因組織とそこに加わるメカニカルストレスを明らかにし、それを改善するための治療を行うという考え方を紹介しています。まだ、Scienceになっていないことも多く、私の臨床経験から生まれたArtの概念も多いと思います。しかし、1人1人の患者さんに本気で向き合った結果から導き出した概念であり、1つの真理ではあると感じています。と同時に、臨床経験から生まれた概念は、今後も変化(進化)すると確信しています(先に言い訳をしておきます(笑))。
多くの患者さんの教えから生まれた本書が、多くの腰痛診療従事者に届き、より多くの腰痛者の人生を変えるきっかけになればとても嬉しく思います。
2022年12月
吉日 成田 崇矢
目次
第Ⅰ部 腰痛とは何か?
第1章 腰痛治療の現状と臨床推論の重要性
1.腰痛治療の現状
2.臨床推論の重要性
第2章 歩行における筋機能
1.腰痛の大半は4つの病態が占めている
2.痛みを発生させている組織
3.腰痛の4つの病態とは
4.腰痛と下肢痛の解釈
5.まとめ
第3章 評価と治療の流れ
1.サブグループ化の重要性
2.実際の腰痛診療の流れ
3.問診
4.関節運動を利用した評価法
5.姿勢の評価
6.疼痛を誘発する動作の評価
7.まとめ
第Ⅱ部 4つの腰痛の評価と治療
第1章 椎間関節障害
1.病態と概要
2.組織学的評価(第3水準の評価を経て痛みを発している組織の同定)
3.機能評価(腰痛増悪因子の特定)
4.力学的評価
5.評価に基づく治療
6.予防
7.まとめ
第2章 仙腸関節障害
1.病態と概要
2.組織学的評価(第3水準の評価を経て痛みを発している組織の同定)
3.機能評価(腰痛増悪因子の特定)
4.力学的評価
5.評価に基づく治療
6.予防
7.まとめ
第3章 椎間板障害
1.病態と概要
2.組織学的評価(第3水準の評価を経て痛みを発している組織の同定)
3.機能評価(腰痛増悪因子の特定)
4.力学的評価
5.評価に基づく治療
6.予防
7.まとめ
第4章 筋・筋膜障害
1.病態と概要
2.組織学的評価(第3水準の評価を経て痛みを発している組織の同定)
3.機能評価(腰痛増悪因子の特定)
4.力学的評価
5.評価に基づく治療
6.予防
7.まとめ
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書籍情報
- ISBN:9784904862575
- ページ数:319頁
- 書籍発行日:2023年3月
- 電子版発売日:2025年2月13日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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