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- こういうことだったのか!! 一般医療者の生き残りの気管挿管
商品情報
内容
わかりやすくてマニアックな大好評シリーズの第10弾.気管挿管というハードルが高いテクニックには,守るべきさまざまなルールやコツがある,これまで誰も教えてくれなかった考え方とノウハウを読み込めば,どんな症例にも対応できる応用力を手に入れることができる.新しい知識を学び直して常識をアップデートし,気管挿管のリスキリングをするためのサバイバルブック.著者のメッセージ「気管挿管・気道管理で足をすくわれて欲しくない。生き残ろうぜ!!」をぜひとも体感していただきたい。
序文
著者からのメッセージ
気管挿管のリスキリングをしよう
気管挿管は,麻酔科医以外の医療者にとってハードルが高いテクニックであることに異論はないでしょう.イージーな症例もありますが,時にDAM(difficult airway management)に遭遇します.筆者の口癖は「どんな症例の気管挿管にも真剣に,全力で立ち向かうんやで〜」です.
手術室外,一般病棟・ICU・ERなどにおける気管挿管は,あわただしい雰囲気の中で行われるケースが大半です.
若手医療者にチャンスが与えられることが多いのではないでしょうか.
多くの若手医療者は,初期臨床研修中の1〜2カ月の麻酔科研修において気管挿管を習ったのみです.
初期研修1年目の記憶など忘却のかなたではないでしょうか.気管挿管手技のみに心がはやり,気管挿管におけるさまざまな守るべきルールやコツに関心が割かれていないと感じます.
例えば,ビデオ喉頭鏡を用いた気管挿管において,スタイレットによる気管チューブ形状の設定は非常に重要ですが,準備された気管チューブをそのまま使うシーンが多いと感じます.
技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために新しい知識やスキルを学び直す“リスキリング”が流行り言葉になって久しいです.
一般医療者を想定した,気管挿管も含めた気道管理についてのリスキリングが必要ではないかと考え,筆者なりの方法論を本書にまとめました.
気道管理全体を1冊にまとめたかったのですが,伝えたいメッセージが多すぎました.
本書は気管挿管にフォーカスを当て,気管挿管以外の気道管理は姉妹書「こういうことだったのか!! 一般医療者の生き残りの気道管理」にまとめました.
筆者のメッセージ「気道管理で足をすくわれて欲しくない.生き残ろうぜ!!」が読者に届くことを望みます.
2025年3月
小尾口邦彦
目次
CHAPTER 01 本書を読み進める前に
DAM
麻酔科医が行うエアウェイルーチンも伝えたい
エアウェイルーチンもかなり変わった
DAM対策において,ある程度の用具の準備は必要
真のDAMは突然目の前に登場する
ICUにおける気管挿管リスクの評価スコア
ABCプラニング
気道管理のチェックシートを作り配備しよう
姉妹書とあわせて読んで欲しい
生き残ろうぜ
CHAPTER 02 RSI? modified RSI? 自発呼吸温存? 意識下挿管?
手術室において麻酔科医による予定症例に対しての通常の麻酔導入・気管挿管
かつて手術室外において主流であった筋弛緩薬を用いない気管挿管方法
RSI(迅速導入気管挿管)
ロクロニウムの作用発現時間
筋弛緩薬を投与しない気管挿管は非常に難しい
RSIが重視される前,2010年頃の気管挿管方法
その後RSIは急増した
Modified RSI(修正RSI)
重症患者に対してのRSI診療ガイドライン
意識下挿管
気管挿管における薬剤選択
気管挿管の準備
CHAPTER 03 輪状軟骨圧迫とBURPは違う
輪状軟骨の解剖学的特徴
輪状軟骨圧迫(cricoid pressure)
輪状軟骨圧迫の実際
輪状軟骨圧迫は効果があるのか?
実務において輪状軟骨圧迫は簡単ではない
BURP
気管挿管手技者に指示されたときに行うのがBURP
OELM
輪状軟骨圧迫とBURPを兼ねるのは…
CHAPTER 04 直接視型喉頭鏡の基本理論
直接視型喉頭鏡の基本理論
手首はぜったいに撓屈させない
直接視型喉頭鏡の作用点
筆者の気管挿管のイメージ
ビデオ喉頭鏡は舌圧子能力をかなり失った
CHAPTER 05 若手医師教育において直接視型喉頭鏡の扱いをどうすべきか
気管挿管が必要であるのに,ビデオ喉頭鏡がない状況に当たったらどうするのですか?
ビデオ喉頭鏡の整備が必要なのでは
CHAPTER 06 バックアップビデオ喉頭鏡が必要なのでは?
現実に,多くの若手医師はビデオ喉頭鏡の教育のみを受けている
ビデオ喉頭鏡は作動しないかもしれない
ERやICUにおいてはビデオ喉頭鏡を複数配置すべきでは
ディスポーザブルビデオ喉頭鏡をバックアップ機器としてもよいのでは
CHAPTER 07 ビデオ喉頭鏡の普及は日本と海外において別経路をたどった
海外における本格的なビデオ喉頭鏡のスタート
日本における本格的ビデオ喉頭鏡のスタート
McGRATH MACの登場
従来品は弱弯型と強弯型と単純に分けられなくなった
CHAPTER 08 新型携帯型ビデオ喉頭鏡の登場
AceScopeとUEスコープ共通の特徴
AceScope
UEスコープは中等度弯曲型ブレード
UEスコープ小児用ブレード
本書において強弯型ビデオ喉頭鏡も扱います
CHAPTER 09 ビデオ喉頭鏡の注意点 深く入れすぎるな
McGRATH MACのMAC3ブレード長は小さくみえる
ブレードの深く入れすぎが多い
MAC4ブレードをむやみに選択すべきではない
最初に喉頭蓋の視認が気管挿管の大原則
指導医のもとで行われた研修医による喉頭展開の実際
喉頭展開を振り返ると…
食道入口を声門と勘違いするケースもある
CHAPTER 10 ビデオ喉頭鏡による軟部組織損傷リスク〜ビデオ喉頭鏡には死角がある〜
McGRATH MAC(弱弯型ビデオ喉頭鏡)添付文書における気管挿管手順
ブレードの進行において直視は重視されなくなった
気管チューブによる軟部組織損傷はあり得る強弯型ブレード使用時,軟部組織損傷リスクは上がる
強弯型ブレードを使用したとき,リスクは上がる強弯型ブレードの口腔内操作手順は従来と異なる
4ステップテクニック
気管チューブの声門への誘導にも注意が必要
CHAPTER 11 強弯型ブレードの実際
そもそもなぜ強弯型ブレードは強弯なのか?
強弯型ブレードと弱弯型ブレードの比較
強弯型ブレードは水かきをもたない
強弯型ブレードは薄型
CHAPTER 12 強弯型ビデオ喉頭鏡で語られるテクニック〜弱弯型ビデオ喉頭鏡ユーザーも知っておきたい〜
直接視型喉頭鏡において良好な声門直視こそ正義
強弯型ビデオ喉頭鏡テクニックはアナザーワールド
Sacrifice the view(視野を犠牲にしろ)
Sacrifice the viewがなぜ有効なのか?
POGOスコア
POGOスコア<50%を目指せ?
スタイレットを少し抜き反時計回転する
喉頭鏡をさらに左に位置する
CHAPTER 13 気管チューブ・スタイレットの形をどうする問題
気管チューブの形状にこだわりがない?
ビデオ喉頭鏡によってすべてがイージーとなったのか?
スタイレット使用の利点と欠点
スタイレットを使うor使わない
気管チューブへのスタイレットのセット
スタイレットによるさまざまな気管チューブ形状
気管チューブの2カ所に角度をつける方法
筆者は宗旨替えをした
CHAPTER 14 スタイレットを抜くときも注意が必要
少しスタイレットを抜くテクニック
スタイレットを抜くと…
スタイレット抜去時,気管チューブの先端は跳ねる
気管にチューブ留置後のスタイレット抜去
正中位で患者足側に弧を描くようにスタイレットを抜去しなければならない
ビデオ喉頭鏡全盛時代の新たなルールを理解しよう
CHAPTER 15 気管チューブ先端形状を意識しなければならない
一般的な気管チューブ先端形状
なぜベベルは左横を向くのか?
喉頭蓋や披裂軟骨に干渉するとチューブは進行できない
Counterclockwise rotation
時計回転でもよいかも
声門部への気管チューブの入射角も問題となる
経鼻挿管においても反時計回転
パーカー気管チューブはスゴイ
魂は細部に宿る
CHAPTER 16 Can visualize cannot intubate現象を考える
チューブやカテーテルを正しく進めるためは軸をあわせなければならない
Can visualize cannot intubate現象を理解するために
硬性スタイレットのルール
強弯型ビデオ喉頭鏡における気管挿管テクニックCan visualize cannot intubate現象においても頻用されるテクニック
気管チューブ先端形状を意識することも重要
なぜビデオ喉頭鏡による気管挿管においてC型は時に難しさを抱えるのか
気管挿管のフェーズによって気管チューブをあわせる面をチェンジする
右口腔にかなり広大なスペースがある
CHAPTER 17 Sniffing position
Sniffing position(スニッフィングポジション)
首枕・肩枕体位はsniffing positionではない
3本の軸を用いたsniffing positionの意義の説明
Sniffing positionは容易に頭部前屈・顎先低下体位となる
手動によるsniffing positionの最適化
頸椎を愛護的に扱わなければならない
Sniffing positionにおける理想の枕高
Sniffing positionの地位の低下?
筆者もsniffing positionへの取り組みを少し変えた
CHAPTER 18 Ramp position
Ramp positionの実際
CHAPTER 19 気管挿管に不慣れなすべての医療者にすすめたい体位 BUHE・HELP
Ramp positionは肥満患者に限定されるのか?
BUHE・HELP
研修医の気管挿管にBUHE ・HELPを用いると
CHAPTER 20 GEBを使いこなせ
Cormack分類とGEB
クリックサイン・ホールドアップサイン
GEBの形状の裏技
GEBの酸素投与デバイスアダプタ
GEBからの酸素投与のタイミング
GEBへの酸素流量
ガイドがついたビデオ喉頭鏡におけるGEBの活用
GEBを万能棒として常備したい
GEBは絶対に配置すべき
新世代GEBの登場
CHAPTER 21 GEBの親戚・チューブエクスチェンジャー
チューブエクスチェンジャーによる気管チューブの入れ替え手順
チューブエクスチェンジャーの選択
どの製品を常備するか悩ましい
気管チューブ抜管後のお守りとしてのチューブエクスチェンジャー
チューブエクスチェンジャー留置の効果を評価した報告
チューブエクスチェンジャーを留置したときのルール
チューブエクスチェンジャー留置は適応外使用
結局,どのGEB・チューブエクスチェンジャーを配置する?
チューブエクスチェンジャーを普段使いしよう
CHAPTER 22 GEBや気管チューブエクスチェンジャーの注意点は中心静脈カテーテル留置の注意点と同じ
折れをカテーテルは乗り越えることができない
近年推奨されるダイレーター挿入時のテクニック
GEBや気管支ファイバースコープを用いた気管挿管においても
直接視型喉頭鏡よりビデオ喉頭鏡においてGEBの扱いは難しい
軽い段差をカテーテル類は乗り越えられない
GEBや気管支ファイバースコープを用いた気管挿管においても段差は問題となる
ガイドワイヤーやチューブはその特性を意識しなければならない
CHAPTER 23 気管支ファイバースコープ挿管
DAMは突然眼前に現れ,気管支ファイバースコープ挿管しか対応できない状況があるかもしれない
CHAPTER 24 かなり難しい経口気管支ファイバースコープ挿管
経口気管支ファイバースコープ挿管の基本
なぜ経口気管支ファイバースコープ挿管は難しいのか理解する
経口気管支ファイバースコープは舌の表面を沿わせることはできない
経口気管支ファイバースコープは咽頭後壁に沿って進行する
経口気管支ファイバースコープ先端のコントロールは難しい
気管支ファイバースコープの気管留置に成功しても…
準備しておきたい気管支ファイバースコープ挿管用経口エアウェイ
水溶性潤滑剤をしっかり使う
二人以上で戦うのが経口気管支ファイバースコープ挿管
CHAPTER 25 意外に簡単な経鼻気管支ファイバースコープ挿管
なぜGIF検査において経鼻が好まれるのか
経鼻気管挿管中に鼻出血を起こすと地獄
小指による鼻孔のブジー
気管チューブの選択
3面を一致させるのが経鼻気管支ファイバースコープ挿管
手技者の立ち位置
気管チューブの鼻孔への挿入
気管チューブへ気管支ファイバースコープ挿入
チャンスを捉えて「経験を積もう」
ディスポーザブル気管支ファイバースコープを活用しよう
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書籍情報
- ISBN:9784498166820
- ページ数:208頁
- 書籍発行日:2025年3月
- 電子版発売日:2025年3月25日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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