てんかん臨床に向き合うためのシナリオ

  • ISBN : 9784880028798
  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2021年4月
  • 電子版発売日 : 2021年3月3日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥3,850 (税込)
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商品情報

てんかんはちょっと苦手という医師のために、精神科はちょっとわからないという医師のために

てんかんは小児科、脳神経内科、脳外科、精神科といった複数の診療科で診療されており、専門医の数も少なく充実した包括的なてんかんセンターも不足しています。地域によっても診療格差があり、てんかん診療の実際はさまざまな問題があります。精神科医外の専門医の先生がてんかん患者を診るとき、メンタル面での対応で困るケースも少なくありません。本書では、実際のご自身の現場でできることを見極め、自分なりの診療のシナリオをもって対応にあたることをイメージしてまとめました。著者のリアルな体験をもとに使える道具のないなかでどのようなてんかん診療が可能なのか伝授します。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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■ 序文

まえがき

多くの方は「まえがき」に目を通し、その書物が読むに値するかの目途をつけるのではないかと思います。しかし、初っ端から読み飛ばされては元も子もないのでここではあまり余計なことは述べないようにしたいと思います。

本書は、特別ではない「普段」のてんかん診療の経験や対応について、折に触れ考えたことを綴ったものです。本文中でも随時触れましたが、必ずしもスタンダードと思われる対応ではないこともあえて記しましたので、本書の記載をそのまま踏襲すれば理想のてんかん医療が実現するという指南書でもありません。本書の構想が浮かんだのはずいぶん前になってしまったので、いつごろ、どのようなきっかけだったのか記憶がおぼろげなのですが、「どうして、てんかん診療は良くも悪くも特別扱いされるのだろうか?」、裏を返せば「全然特別じゃないのに」という思いが根底にありました。結果として、「普通」のてんかん臨床と精神科臨床の現場で行ってきたことや考えたことを記した内容となりましたので、足場がぐらついたままの部分もあります。

本書は、一応てんかん医療に関わっている(関わらざるを得ない、または関わり始めた)、医療・福祉関係の方向けに書いたつもりですが、専門(医)云々とは関係なく何の準備もないまま気楽にどこからでも、一部だけでも(できれば通読していただきたいのですが)、目を通していただければ幸いです。そして、てんかん医療のごく基本を踏まえつつ、そこに精神医学的あるいは心理学的な視点を織り込むことがさほど特別なことではないことを感じてもらえれば幸いです。

なお、本書の内容については、共同執筆・執筆協力者との直接または間接的な議論のうえで志向性を共有しておりますが、編著者が一貫して表現などは統一し、最終的には編著者の個人的見解を述べた部分も多くあります。よって、本書の内容の全ての責任は編著者にあることを申し添えます。


岩佐 博人

■ 目次

INCEPTION 発端人生を、何を目安に測る?

CHAPTER1 てんかん臨床へのウォーミングアップ

1 精神医学から診るてんかん・てんかんから診る精神医学

2 「てんかん」かもしれないエピソード

3 てんかんをめぐる本音クロストーク てんかんを見えにくくしている霧

CHAPTER2 ケースから考えるシナリオ

1 てんかん臨床航海日誌診療の実際をながめる

ケース1 一見、元気な女子高生のケース

ケース2 高齢初発のケース

ケース3 脳波異常がないケース①

ケース4 脳波異常がないケース②

ケース5 妊娠・出産を考慮して薬剤を変更したケース

ケース6 うつ症状が出現したケース①

ケース7 うつ症状が出現したケース②

ケース8 不安症状が出現したケース

ケース9 幻聴を伴うケース

2 てんかんのようでてんかんではない?

ケース10 全身けいれんや多彩な精神症状がみられたケース

ケース11 全身けいれんが頻発するケース

3 少し込み入った課題を考える難治てんかんとは

ケース12 薬剤抵抗性てんかんで薬剤調整を工夫したケース

ケース13 いろいろな課題を抱えた難治てんかん

CHAPTER3 てんかんを覆う霧を払う

1 自分なりのてんかん臨床のシナリオを描く

2 何を諦めて、何を身につけるか

3 てんかんについてのイメージを明確にする

4 てんかん特有の分類に慣れる

5 脳波(electroencephalogram:EEG)に馴染む105

CHAPTER4 薬物療法のシナリオ

1 抗てんかん薬選択のシナリオ

2 具体的な薬剤選択

3 最初の薬で発作が完全抑制されなかった場合

4 もし治療開始の延期の希望があったら

CHAPTER5 考えるてんかん臨床のために

1 外から見えない部分も考える

2 キンドリング(kindling)121

CHAPTER6 精神医学的視点とは

1 てんかん臨床に「精神医学」の視点を混ぜこむ理由

2 精神医学的スタンスを交えた診療実践のポイント

3 精神医学的な見立てをするうえでのポイント

4 発作との時間的関係から精神面の変化を捉える

5 精神医学的・心理学的判断の基本的視点

6 健康なてんかん患者の「心」にも目を向ける

CHAPTER7 心理的支援の基本を理解する

1 患者を理解するということ

2 言葉は真実を伝えない場合がある

3 心理アセスメントは原因探しではない

4 自我1つのまとまりをもって動いている中心154

5 アドバイスするときの注意点

6 心理学的視点の意味とは

CHAPTER8 てんかんという舞台で思うこと

1 見えるものと見えないもの

2 時が過ぎてみないとわからない

3 てんかん治療終結のシナリオ

CLOSING REMARKS てんかんに向きあうための多様な眼差し

■ 特記事項

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