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医学のあゆみ271巻9号 がん研究10か年戦略の成果と課題──基礎から実用化までをつなぐ研究開発

  • ページ数 : 272頁
  • 書籍発行日 : 2019年11月
  • 電子版発売日 : 2021年2月10日
¥6,490(税込)
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商品情報

内容

がん研究10か年戦略の成果と課題──基礎から実用化までをつなぐ研究開発 企画:
堀田知光(国立がん研究センター名誉総長,公益財団法人がん研究振興財団理事長)
宮園浩平(東京大学大学院医学系研究科分子病理学分野)

・“がん研究10か年戦略”は,がんの本態解明,新規薬剤・医療技術の開発,新たな標準治療の確立などの8つの具体的研究事項を設定し,患者・社会と協働した研究を総合的かつ計画的に推進することとしている.
・AMEDは省庁連携プロジェクトとして,がん領域においてジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト(JCRP)を立ち上げ,基礎研究から実用化をめざした研究までを一貫したマネジメントの下に推進してきた.
・本特集では,JCRPの研究開発で得られた成果のなかから特筆すべき研究を取り上げ,当該研究者に具体的な成果と実用化に向けた現在の状況および今後の課題・展望について紹介いただく.

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序文

はじめに

堀田 知光

国立がん研究センター名誉総長,公益財団法人がん研究振興財団理事長

宮園 浩平

東京大学大学院医学系研究科分子病理学分野教授


わが国における本格的ながん対策は,1984(昭和59)年の“対がん10カ年総合戦略”の策定にはじまり,以来10年ごとに改訂されて30年にわたって,がんの本態解明から臨床への応用に至るまでの研究が推進されてきた.本戦略は2006(平成18)年に成立した“がん対策基本法”を踏まえて,2014(平成26)年より新たに“がん研究10か年戦略”に引き継がれ,今日その折り返し点にある.

“がん研究10か年戦略”はがんの本態解明,新規薬剤・医療技術の開発,新たな標準治療の確立,がんの予防・早期発見手法の開発,ライフステージやがんの特性に着目した研究〔小児がん,AYA(adolescent and young adult)世代がん,高齢者がん,難治性がん,希少がん〕などの8つの具体的研究事項を設定し,患者・社会と協働した研究を総合的かつ計画的に推進することとしている.2015(平成27)年に設立された日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)は省庁連携プロジェクトとして,がん領域においては本戦略を受けてジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト(JCRP)を立ち上げ,がんの基礎研究から実用化をめざした研究までを一貫したマネジメントの下に推進してきた.現在,JCRPは基礎研究から応用研究をおもに担う“次世代がん医療創生研究事業”と,おもに非臨床から実用化までを担う“革新的がん医療実用化研究事業”を中心に構成され,“先進的医療機器・システム等開発事業”および“臨床ゲノム情報統合データベース整備事業”と密接に連携している.

本特集ではJCRPの研究開発で得られた成果のなかから特筆すべき研究を取り上げ,当該研究者に具体的な成果と実用化に向けた現在の状況および今後の課題・展望について紹介いただくこととした.また,“がん研究10か年戦略”の中間評価と今後のがん研究のあり方について紹介し,JCRPの成果と課題を明らかにすべく企画した.

なお,本特集で紹介する研究成果はJCRPが支援する380課題の一部であり,ほかに多くの有望な課題があることを付記しておきたい.

目次

基礎研究

【本態解明】

日本人難治性がん・生活習慣病関連がん大規模統合ゲノミクス解析と国際コンソーシアムでのデータ共有による国際貢献 柴田龍弘

異分野先端技術融合による薬剤抵抗性を標的とした革新的複合治療戦略の開発 伊藤謙治・山田泰広

オルガノイドを用いた, 微小環境によるがん増殖機構の理解 川﨑慎太郎・佐藤俊朗

【シーズ探索】

テロメア制御因子を標的とした革新的がん治療薬の開発 清宮啓之

腫瘍血管の再構築と促進による新しいがん治療法の開発 高倉伸幸

肺がん,大腸がん臨床検体からのPDXモデルなどの作製と,それらを用いた薬剤抵抗性機構の解明および新規治療法の開発 片山量平

肥満誘導性肝がんの微小環境における脂質代謝物を標的とした治療戦略 大谷直子

応用研究~非臨床研究

【バイオマーカー/診断】

新しい悪性中皮腫マーカー・シアル化HEG1による精密・早期診断の開発と臨床への展開 辻祥太郎・今井浩三

がん特異的なエクソソームによるリキッドバイオプシーの実用化をめざして 吉岡祐亮・落谷孝広

MAPKシグナルに異常を認める腫瘍に対する分子標的治療開発 衣斐寛倫・矢野聖二

切除組織培養分泌エクソソームの網羅的解析によるがん早期診断薬開発 植田幸嗣

マウスモデルと臨床材料を用いた消化器がん転移の研究 武藤誠

骨髄異形成症候群(MDS)のオミックス解析による治療反応性および病型進展の新たなバイオマーカーの同定とその実用化に関する研究 南谷泰仁・小川誠司

プレシジョンメディシンの実現に向けた意義不明変異の解釈 高阪真路

【創薬/評価系】

血小板活性化因子(PAF)シグナル遮断による神経障害性がん疼痛の克服──PAF-Pain Loop遮断を標的とした新規カテゴリー鎮痛薬開発へ 山本将大・進藤英雄

DDSを基盤とした革新的がん治療法の開発 西山伸宏

小児がんにおける分子プロファイリングの新展開――小児T細胞性急性リンパ性白血病における新規融合遺伝子の発見 滝田順子

がん細胞・がん間質細胞特異的な酸素センシング機構を標的としたがん微小環境標的薬剤の開発 坂本毅治

日本発放射性薬剤64Cu-ATSMによる再発悪性脳腫瘍に対する革新的治療法の開発――非臨床試験~第I相臨床試験 吉井幸恵・他

【免疫療法】

薬剤抵抗性を標的とした革新的複合治療戦略の開発 大植祥弘

多発性骨髄腫に対する新規CAR-T細胞療法の開発 保仙直毅

iPS細胞からのCAR発現キラーT細胞,NK細胞を用いた免疫再生治療の開発 金子新

固形がんに対するIL-7/CCL19産生型CAR-T細胞療法の研究開発 安達圭志・玉田耕治

臨床研究

【新規治療薬の開発/医師主導治験】

革新的抗がんウイルス療法の実用化臨床研究 藤堂具紀・伊藤博崇

成人T細胞白血病/リンパ腫に対する新規治療アプローチ――Tax標的樹状細胞ワクチン療法(第I相試験) 末廣陽子

RET融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がんに対する新規治療法の確立に関する研究 葉清隆・後藤功一

再発または難治性のALK陽性未分化大細胞リンパ腫に対するアレクチニブ塩酸塩の開発 永井宏和

【ゲノム医療の開発】

思春期・若年成人(AYA)世代急性リンパ性白血病への小児型治療の導入および遺伝子パネル診断による層別化治療の研究 早川文彦

産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業SCRUM-Japanで組織した遺伝子スクリーニング基盤を利用した,多施設多職種専門家から構成されたExpert Panelによる全国共通遺伝子解析・診断システムの構築および研修プログラムの開発 吉野孝之

臨床ゲノムデータベースを用いたがん精密医療 油谷浩幸

TOP-GEARプロジェクトとNCCオンコパネル検査の保険収載 河野隆志

NGS技術を駆使した遺伝学的解析による家族性乳がんの原因遺伝子同定と標準化医療構築 中村清吾・犬塚真由子

【医療技術の開発】

超音波検査併用による乳がん検診の有効性を検証する無作為ランダム化比較試験 大内憲明・他

切除可能肝細胞がんに対する陽子線治療と外科的切除の非ランダム化同時対照試験 秋元哲夫・他

術前肺マッピング法の開発と発展――過不足のない低侵襲肺切除を実現するために 佐藤雅昭

早期胃がんに対するセンチネルリンパ節を指標としたリンパ節転移診断と個別化手術の開発 眞栁修平・他

先天性巨大色素性母斑を母地とした悪性黒色腫に対する予防的低侵襲治療方法の開発 森本尚樹

頭頸部癌全国症例登録システムの構築と臓器温存治療のエビデンス創出 丹生健一・他

評価・課題

がん研究10か年戦略の進捗評価 青木一教

今後のがん研究のあり方 中釜斉

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書籍情報

  • ISBN:9784006027109
  • ページ数:272頁
  • 書籍発行日:2019年11月
  • 電子版発売日:2021年2月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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