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医学のあゆみ278巻10号 パーキンソン病を解剖する―過去,現在,そして未来へ

  • ページ数 : 136頁
  • 書籍発行日 : 2021年9月
  • 電子版発売日 : 2021年9月1日
¥2,860(税込)
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商品情報

内容

企画:服部信孝(順天堂大学医学部脳神経内科,理化学研究所脳科学研究センター神経変性疾患連携研究チームチームリーダー)

・これまで遺伝性パーキンソン病(PD)の原因遺伝子産物の機能解析から,ドパミン神経細胞死にミトコンドリア,リソソーム,輸送システム,神経炎症,そして酸化ストレスの関与などが推測されている.
・さらには疾患の進行にプリオン病様の病態の関与が提唱され,すくなくとも異常α-シヌクレインが脳内伝播することは動物モデルでは多くの証左がある.
・本特集では過去を検証し,現在の問題点を明確にして将来展望を提案する正鵠を射た内容となっている.これらが読者にとって有効な情報となることを願ってやまない.

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序文

はじめに


2019年にはじまった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのなか,本企画に賛同していただいたパーキンソン病エキスパートの先生たちには感謝している.コロナ災禍のなか,Stay homeだからこそじっくり考えていただき,過去,現在,そして明るい未来へと読者へのメッセージとなりうる力作をお願いした.

パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)は,1817年にJames Parkinsonが“Shakingpalsy”を報告したことにはじまる.1888年にCharcotがParkinsonを称え,筋強剛を加えて“PD”と名づけ,その後1919年にFrederic H. Lewyによる黒質レビー小体の発見,1960年に佐野,Ehringerらによる東西で同時発見されたドパミン欠乏,それに基づく治療薬レボドパの導入,1983年に神経毒MPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,5,6-tetra hydropyridine)の発見,1997年に遺伝性PDのα-synuclein原因遺伝子の発見,翌年に筆者らのグループからparkin原因遺伝子の発見と,1990年以降は枚挙に遑がない.さらに単一遺伝子異常に伴う遺伝性PDは,現時点でPark1-23まで同定されており,最近,筆者らのグループにより優性遺伝性PDの原因遺伝子プロサポシンが同定された.

これまで遺伝性PDの原因遺伝子産物の機能解析から,ドパミン神経細胞死にミトコンドリア,リソソーム,輸送システム,神経炎症,そして酸化ストレスの関与などが推測されている.さらには疾患の進行にプリオン病様の病態の関与が提唱され,すくなくとも異常α-シヌクレインが脳内伝播することは動物モデルでは多くの証左がある.加えて近年,人工知能(AI)による診断技術の開発が進んでおり,また,コロナ災禍のなかで遠隔診療の有用性が認識され,運動症状を呈しているPDでの有効性が確認されている.100年人生が現実的になっている昨今を考えると長期にわたって患者をフォローする必要があり,多様性のなかでプレシジョンメディシンの実現が喫緊の課題といえよう.

本特集では過去を検証し,現在の問題点を明確にして将来展望を提案する正鵠を射た内容となっている.これらが読者にとって有効な情報となることを願ってやまない.


順天堂大学大学院医学研究科神経学,
理化学研究所脳科学研究センター神経変性疾患連携研究チームチームリーダー
服部信孝

目次

はじめに  服部信孝


総論

パーキンソン病の歴史  廣瀬源二郎

パーキンソン病の病理─過去,現在,未来  仙石錬平

診断・症状

パーキンソン病の臨床診断基準─種類とその精度(鑑別診断も含む)  前田哲也

パーキンソン病の運動症状  渡辺宏久・他

パーキンソン病の非運動症状  馬場 徹

パーキンソン病の病態生理─大脳基底核の役割  濱田 雅

パーキンソン病の眼球運動  徳重真一・寺尾安生

基礎研究の進展

α-シヌクレイン細胞間伝播─メカニズムから新規治療へ  石山 駿・長谷川隆文

パーキンソン病の分子遺伝学─家族性パーキンソン病  舩山 学・服部信孝

孤発性パーキンソン病のゲノム背景  佐竹 渉・戸田達史

パーキンソン病の診断バイオマーカー  徳田隆彦・笠井高士

基礎研究のためのパーキンソン病モデル  今居 譲

薬物治療

パーキンソン病薬物治療の変遷  山本光利

新しいパーキンソン病治療薬の登場とその適応─MAO-B阻害薬,COMT阻害薬  斉木臣二

ドパミン受容体作動薬貼付製剤を用いたContinuous Drug Delivery(CDD)  永山 寛

新たな治療法

Device aided therapy の適応とその種類  中島明日香・下 泰司

パーキンソン病における運動療法の有効性  市川 忠

パーキンソン病における疾患修飾療法の可能性  波田野 琢・服部信孝

パーキンソン病における細胞移植療法の過去・現在・未来  山門穂高

オンライン診療の現状と課題  大山彦光・服部信孝


次号の特集予告


サイドメモ

デジタルヘルステクノロジー

SAS-ELISA

シーディング凝集のアッセイ法

機能獲得変異と機能喪失変異

疾患研究でのトランスジェニックとノックイン

iPS 細胞のメリットとデメリット

疾患研究でのノックアウトとノックダウン

運動合併症(motor complications)

疾患修飾効果(disease-modifying effect)

衝動制御障害

ドパミン調節異常症候群

精神科領域での脳深部刺激療法(DBS)

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書籍情報

  • ISBN:9784006027810
  • ページ数:136頁
  • 書籍発行日:2021年9月
  • 電子版発売日:2021年9月1日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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