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医学のあゆみ283巻9号 X染色体不活化と疾患―新たな展開

  • ページ数 : 70頁
  • 書籍発行日 : 2022年11月
  • 電子版発売日 : 2022年11月22日
¥1,540(税込)
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商品情報

内容

企画:小林 慎(特定国立研究開発法人産業技術総合研究所細胞分子工学研究部門)
・哺乳類のエピジェネティクスの代表例として知られる“X染色体不活性化”をイギリスの女性研究者Merry Lion博士,およびアメリカの日系研究者大野乾博士が発見して約60年がたつ.
・今回の特集では,①モデル動物によるメカニズム解析,②幹細胞における初期化現象,③ヒト疾患の3つのテーマで,各分野の専門家に研究の紹介してもらう企画を立案した.
・本特集が,謎に満ちた“X染色体不活性化”の理解の一助となることを願っている.将来,ヒト疾患解析,再生医療も含め,これまでの基礎研究がさまざまな方向に発展することを期待したい.

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序文

はじめに

哺乳類のエピジェネティクスの代表例として知られる“X 染色体不活性化”をイギリスの女性研究者Merry Lion 博士,およびアメリカの日系研究者大野乾博士が発見して約60年がたつ.雌は雄の2 倍のX 染色体不活性化を持つため,そもそも雌雄間で遺伝子の量が異なる.通常,染色体の本数は厳密に制御されており,異数性を示す個体の多くは流産すると考えられている.なぜ,雌雄間で染色体の本数が異なる状況が許されるのか.実は,雌は片方のX 染色体上の遺伝子発現を抑制することで,雄と雌の間で実際に働くX 染色体の本数が揃う仕組みがあり,これを“X 染色体不活性化”とよぶ.

当初は,染色体の研究を行っている細胞生物学者たちが興味を持つ,専門性の高い,いわゆる“マニアック”な分野であったかもしれない.しかし近年,クローン動物作製やiPS細胞作製時に起きる細胞の初期化に深く関わり,その異常はさまざまな女性特有の疾患との関連が指摘されはじめた.研究が進むにつれて,再生医療などで注目される幹細胞研究,性差を示す疾患研究など,さまざまな分野でその重要性が認識されはじめると,興味を持つ研究者や医師の数も増えたと思われる.

今回の特集では,①モデル動物によるメカニズム解析(佐渡,平谷ら,小林,岡本の稿),②幹細胞における初期化現象(原本ら,西村らの稿),③ヒト疾患(福田,田渕の稿)の3 つのテーマで,各分野の専門家に研究の紹介してもらう企画を立案した.現時点では,これまでモデル動物として用いられてきたマウスを用いた研究が主であり,まだヒト疾患の研究は未解析の点も多い.マウスと霊長類の初期発生はかなり様相が異なるという報告もあり,今後,サルをモデルにした基礎研究も注目される.

本特集が,謎に満ちた“X 染色体不活性化”の理解の一助となり,医師や医学生が不活性化研究に興味を持つきっかけとなることを願っている.将来,ヒト疾患解析,再生医療も含め,これまでの基礎研究がさまざまな方向に発展することを期待したい.


企画:小林 慎(特定国立研究開発法人産業技術総合研究所細胞分子工学研究部門)

目次

特集 X染色体不活化と疾患─新たな展開

はじめに 小林 慎

X染色体不活性化の分子メカニズム 佐渡 敬

不活性X染色体の三次元構造と遺伝子発現制御 平谷伊智朗・プーンパーム ラウィン

非メンデル遺伝とX染色体不活性化異常─思い込みを除いて,新たな発見へ 小林 慎

霊長類におけるX染色体遺伝子量補正 岡本郁弘

生殖細胞初期化におけるX染色体再活性化のイメージング 原本悦和・小林 慎

iPS細胞誘導におけるX染色体再活性化 西村 健・他

女性多能性幹細胞における不可逆的X染色体不活化破綻と病態モデリング 福田 篤

女性特有の神経発達障害に関するX染色体不活性化─MICPCH症候群 田渕克彦

連載

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バイオマテリアルと組織再生型人工臓器 山岡哲二

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書籍情報

  • ISBN:9784006028309
  • ページ数:70頁
  • 書籍発行日:2022年11月
  • 電子版発売日:2022年11月22日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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