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実験医学増刊 Vol.39 No.20 EVs 細胞外小胞の生物学~エクソソームをはじめとする多様な小胞の生理・病理の理解と新しい解析法

  • ISBN : 9784758103992
  • ページ数 : 210頁
  • 書籍発行日 : 2021年12月
  • 電子版発売日 : 2021年12月2日
  • 判 : B5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥5,940 (税込)
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商品情報

細胞は多様な小胞を細胞外に放出することで,他の細胞・組織との間で情報伝達を行っていることが知られています.本書では,医療応用の可能性を意識しつつ,サイエンスとしての細胞外小胞研究の最先端を紹介します.

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■ 序文


細胞内で合成されたタンパク質が細胞外に放出される過程は,分泌とよばれ,Paladeらを中心にした1970年代の精力的な研究により,小胞体→ゴルジ体→細胞外という「分泌経路」の概念が確立した(1974年ノーベル生理学・医学賞).その輸送過程できわめて精巧な分子選別の機構が働くことも,その後の多数の研究者の努力によって明らかにされつつある(1999年,2013年ノーベル生理学・医学賞など).しかし,この古典的分泌経路に乗らずに細胞外に分泌されるタンパク質も少なからず存在していることが近年明らかになり,そのメカニズムが注目を集めている.

一方,細胞外には小さな膜小胞(細胞外小胞)が多数存在することも古くから知られていたが,排出された不要物か死細胞の断片くらいに思われていたものが,特定のタンパク質や核酸等を選択的に含み,細胞から細胞への情報伝達を担う可能性が示されて,その存在が一気に注目を浴びることとなった.

代表的なものが,しばしばエクソソームとよばれる直径50 ~150 nmくらいの膜小胞である.その中に含まれるmiRNAなどが,さまざまな疾病のバイオマーカーとして有用であることが明らかにされ,また創薬におけるDDSキャリアとしての有用性も期待されて,医療応用の観点での研究が過熱している.実際,そのような観点で細胞外小胞の研究を概説した書物もすでに多数出版されている.しかし,研究が進むにつれ明らかになってきたことは,一口に細胞外小胞といってもその実体は驚くほど多様であるということである.当然その生理作用もきわめて多様である.編者の一人である華山が総論のなかで整理しているので,まずそちらをご覧いただきたいが,形成の過程一つをとっても両手に余るほどの可能性があるなかで,その混合物についての議論が危険であることは自明だろう.

エクソソームとよばれる細胞外小胞の多くは,細胞小器官の一つである後期エンドソーム(多胞体)が細胞膜と融合し,その内腔小胞を放出することによって形成されると考えられているが,この代表的な過程一つをとってもその分子機構は謎に包まれている.さらに,細胞膜からの直接の膜の切断もあれば,上記で述べた非古典的分泌経路の関与も示唆され,オートファジーの関与も推定される.このような多様なメカニズムでつくられる細胞外小胞を理解するためには,基本に立ち返り,その形成,伝播,作⽤について,生物学的な理解を徹底的に深めることが必須である.また,多様な小胞の混合物ではなく,個性をもった小胞の個別の理解のために,分離・精製・解析の新しい方法論の開発も不可欠である.

折しも2017年に,文部科学省が「細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御」という戦略目標を決定し,これを受けて科学技術振興機構がCREST「細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出」およびさきがけ「生体における微粒子の機能と制御」という研究領域を立ち上げた.すでに2017 ~’19年度にわたり数多くの課題が採択され,優れた研究が推進されている.編者の一人である中野はこのさきがけ領域の研究総括を務めており,細胞外小胞に関する基礎研究の大きな成果があがりつつあることを目の当たりにしてきた.本書の企画に当たり,さきがけとCRESTの微粒子領域で活躍するメンバーを中心に執筆してもらうことで,サイエンスとしての細胞外小胞研究のおもしろさを浮き彫りにし,多くの方々に興味をもってもらおうと狙った次第である.

なお,上記の戦略目標はそもそも,生体が形成する細胞外小胞などの内因性微粒子と環境汚染物質等の外因性微粒子による生体への影響について総合的な研究開発をめざすものであり,実際,両者の研究の相乗効果も大きい.本書で外因性微粒子に関する話題を提供することも考えたが,誌面の都合で今回は見送ることとした.また何かの機会に紹介できれば幸いである.

本書のタイトルは「EVs 細胞外小胞の生物学」とした.医療等への応用に無限の可能性をもつことを強く意識しながらも,基礎研究の重要性をアピールしている.本書が,関連領域の研究者にとってよき指針になると同時に,新たに研究の世界に飛び込もうとしている若者にも新たな魅力を与えてくれることを念じている.


2021年10月

中野明彦,吉森 保,華山力成

■ 目次

序【中野明彦,吉森 保,華山力成】

概論 過熱する細胞外小胞研究【華山力成】

第1章 細胞外小胞の形成と伝播のメカニズム

1.多様な細胞外小胞の形成機構【松井貴英,福田光則】

2.細胞外小胞のプロテオームプロファイリング【今見考志,李 優嘉】

3.がんシグナルによる細胞外小胞の分泌亢進メカニズム【小根山千歳】

4.細胞老化と細胞外小胞【千葉正智,三澤知香,田中陽子,高橋暁子】

5.オートファジーと細胞外小胞形成のクロストーク【栁川恭佑,吉森 保,久万亜紀子】

第2章 細胞外小胞の生理作用と生体応答

1.EVと分化・再生―分化同調現象と新しい様式のEVの役割【山下 潤】

2.T細胞分化および機能制御における細胞外小胞の役割【山野友義】

3.免疫応答における新たな細胞間コミュニケーションツールとしての細胞外小胞の機能【林 智哉,石井 健】

4.血漿中エクソソームのプロテオーム解析によるがん診断バイオマーカーの開発【橋本彩子,佐藤美香,星野歩子】

5.腫瘍免疫の制御における細胞外小胞の二面性―細胞外小胞を利用したがん治療法の開発へ向けて【仁田暁大,諸石寿朗】

6.肝疾患の病態伝播を担う細胞外小胞の役割【江口暁子,岩佐元雄,竹井謙之】

7.ウイルス感染と細胞外小胞【佐藤好隆】

第3章 多様な細胞外小胞

1.細胞外小胞と一次繊毛の最新知見―繊毛による受信,繊毛からの放出,そして繊毛を介した発射【中里亮太,池上浩司】

2.ミグラソーム:細胞移動により形成される生体膜小胞―生合成機構から生理機能まで【Li Yu】

3.髪の色を決めるメラノソーム―白髪の発生機序とその治療に向けたアプローチ【景山達斗,福田淳二】

4.植物の細胞外小胞【濱田隆宏,武井敬仁】

5.細菌における細胞外小胞の形成機構と宿主細胞との相互作用【田代陽介】

6.電気細菌が産生する膜小胞の機能と電気共生【岡本章玄】

第4章 細胞外小胞研究の新技術

1.“Designer EV”の開発の現状と将来展望【小嶋良輔】

2.1細胞計測による細胞外小胞放出活性の可視化【白崎善隆】

3.1分子・超解像イメージングによる細胞外小胞動態解明【鈴木健一,廣澤幸一朗,磯貝 樹】

4.ナノポアデバイスを用いた細胞外小胞の1粒子解析技術【龍﨑 奏】

5.細胞外小胞の単離,分析技術の現状とナノ流体デバイスがもたらす新戦略【村田幸作,許 岩】

6.ナノワイヤによる細胞外小胞の捕捉と解析,リキッドバイオプシーへの展開【安井隆雄】

7.細胞外小胞のデジタル計測に向けて【篠田 肇,渡邉力也】

8.エクソソームを標的とする分子プローブの開発【佐藤雄介】

9.糖鎖解析による細胞外小胞の多様性と機能性評価【下田麻子,秋吉一成】

索引

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