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NOGA血流維持型汎用血管内視鏡ガイドブック あらゆる臓器の動脈硬化の概念が変わる!

  • ページ数 : 240頁
  • 書籍発行日 : 2022年4月
  • 電子版発売日 : 2022年4月22日
¥7,150(税込)
ポイント : 130 pt (2%)
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商品情報

内容

「血流維持型汎用血管内視鏡=NOGA」を開発した児玉和久・小松誠らのグループを中心とした執筆陣が,NOGAの基本,画像の見方,手技の実際,実臨床への応用などについて,多くの画像・動画を用いて解説.
冠動脈をはじめ大動脈,肺動脈,腎動脈,下肢動脈などでのNOGAの有用性を示すとともに,あらゆる臓器の動脈硬化の概念を変革し,老化の仕組みにまで迫ろうとするものである.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

監修にあたって


今回,多くの皆様のご希望にお応えすべく,「血流維持型汎用血管内視鏡=NOGA」の入門書ともいうべき書籍を出版することになりました.私が医師として臨床現場の仕事に携わってから,すでに60 年近くが過ぎようとしています.当時大きく変貌しつつあった虚血性心臓病への挑戦に取り憑かれ,その中でも急速かつ驚異的進歩を遂げつつあった冠動脈の画像診断が「血管内視鏡」を手掛ける出発点となりました.その後,安全性の確保にとって「阻血」を「疎血」に代える必要性に気づき,その工夫の過程を経て,次の大動脈~全血管系へ探索の範囲を拡げるまでに発展しました.現在,私たちが視ている大動脈をはじめとした全身血管の内腔には,単に病的異常現象の早期発見や,先制治療を可能にする器質的変化の情報に止まらず,これまでの臨床医学では未解明であった驚異の世界が拡がっています.学際的な研究の必要性,すなわち分子生物学や細胞生化学など最先端の基礎医学と問題意識を共有すべき必要性をも呼び掛けています.

この発展の背景には「血管内視鏡」が既存のCT,MRI,超音波,OCT などの画像診断技術を遥かに凌駕する「空間分解能と時間分解能」をもっていることがあります.10 μm 以下の超微細な世界を,生体内で動的に観察することができます.この観察から得られた多数の所見は,大動脈内に夥しく分布する動脈硬化性粥腫が不安定化から破綻をきたし,膨大な数と量のコレステロール結晶(cholesterol crystals)を含む塞栓子を,血管内に常時浮遊させること.そしてこれらが間断なく末梢血管,末梢臓器へと流下していき,全ての臓器の末梢毛細血管へと至り,塞栓状態を引き起こす可能性を示唆しています.

周知の如く,これらコレステロール結晶を標的にして,先ずマクロファージの反応,すなわち「過剰免疫~炎症」へとつながる反応が起こります.NOGA の所見は,老化をはじめとした種々の臓器の機能障害の始まりにコレステロール結晶~自己免疫~炎症が起こりうることを臨床の場でも肯定的に提示しています.現在Michigan 大学のAbela 教授とその視点を共有し,英文のHandbook作成を急いでおります(2022 年発刊予定).

本書は,血管内視鏡を手掛ける初期段階で遭遇する技術的な問題をどう克服するか,そして変化に富む種々の画像をいかに解釈するかを述べることで,今後の医学にとって未解明の難問に挑戦する導入口となるべく工夫を凝らしています.これからNOGA の世界を探究しようとされる諸氏にとって,最適の入門書となることを確信しています.

刊行にあたり,執筆を中心的に担当いただいた上田恭敬先生,樋口義治先生,そして編集も担当いただいた小松誠先生に,また出版に際し適切な助言と尽力をいただいた中山書店編集部の柄澤薫子,賴髙誠両氏に,深く感謝いたします.


2022年3月吉日

認定NPO法人日本血管映像化研究機構名誉理事長児玉和久

目次

Ⅰ 総論

A 共通

01 血管内視鏡はどのように開発され,臨床応用されてきたのですか? (児玉和久)

02 NOGAで動脈硬化の概念が変わるとか,老化にアプローチできるとはどういうことですか? (児玉和久)

03 動脈硬化の概念が変わるというのはどういうことですか?動脈硬化の機序や病態など,もうわかっているのでは? (由谷親夫)

04 冠動脈と大動脈を血管内視鏡でスクリーニングする意義は?冠動脈はやり尽くされ,大動脈のプラークなど当たり前では? (小松 誠)

05 大動脈解離はCTでわかるもので,発症予測はやはりいまだに困難であると考えていいですか? (小松 誠)

06 以前,1例試しにやってみましたが,よく見えませんでした.血管内視鏡はテクニックが難しいのでしょう? (小松誠)

B 冠動脈

07 どういうときに冠動脈に内視鏡検査を実施することが勧められるのでしょうか? (樋口義治)

08 冠動脈のどんな病変が,血管内視鏡でわかりますか?ほかの血管内イメージングにない特徴は何ですか? (上田恭敬)

09 血管内視鏡でないとわからなかった冠動脈の病態にはどんなものがありますか(1)─マルチモダリティでの比較と優位性 (木村茂樹)

10 血管内視鏡でないとわからなかった冠動脈の病態にはどんなものがありますか(2)─急性冠症候群において,閉塞部がはたして病変部でしょうか? (小松 誠)

11 血管内視鏡で冠動脈ステントの何を評価しているのですか?(急性期) (臺 和興,塩出宣雄)

12 血管内視鏡で冠動脈ステントの何を評価しているのですか?(慢性期) (市川 稔)

13 血管内視鏡を実施する際に,冠動脈ステントの世代によって注意する点は異なりますか? (川上秀生)

14 ステント留置後は,血管内視鏡でどのように見えますか? (髙山忠輝)

15 冠動脈slow flow,no reflow には,血管内視鏡でどのようにアプローチできますか? (小松 誠)

C 大動脈

16 循環器内科医は冠動脈や下肢その他が専門と思っていました.大動脈はそこまで重要なものですか? (小松 誠)

17 大動脈プラークを評価するほかのモダリティとの違いはどれほどですか? CTなら3D画像も作れますよね? (小松 誠)

18 大動脈を血管内視鏡で見ることで何がわかりましたか?また,今後何がわかってきますか? (小松 誠)

19 始めたいのですが,「大動脈の中をごそごそ動かしまわして本当に大丈夫なのか? あんな大きな血管に細い管を入れてもどうせわからないでしょう」と理解してもらえません. (小松 誠)

20 大動脈の自然破綻プラークが,どうしてすぐに塞栓につながらないのでしょうか? (樋口義治)

21 大動脈内視鏡で同定するプラークの影響についてのエビデンスはありますか? (小嶋啓介)

22 血栓回収療法と血栓物解析の意義は? (片野雄大,木村和美)

23 脳梗塞の原因に大動脈が関与している可能性は,これまで考えられているより本当に高いのですか? ESUSの原因? (樋口義治)

24 腎機能低下における大動脈プラークの意義は? (持田泰寛,小林修三)

25 下肢の治療に血管内視鏡がどう役立ちますか? (山崎貴紀)

26 下肢閉塞性動脈硬化症の治療に,血管内視鏡がどう役立ちますか? (髙橋 覚)

27 急性肺血栓塞栓症にNOGAを行う意義とは? (小松 誠)

Ⅱ 画像

A 共通

01 所見が多すぎて整理できません.後でわかりやすくまとめるコツを教えてください. (小松 誠)

02 学会や論文での画像が小さいと言われました.どれくらいの大きさが適当ですか? (小松 誠)

B 冠動脈

03 血管内視鏡の冠動脈所見はどう表現したらいいですか? (上田恭敬)

04 冠動脈プラーク“破裂”と“びらん”はどう区別しますか?同定してもPCIするので,やることは一緒ですよね? (安永元樹,樋口義治)

05 病変以外の冠動脈を評価する意義はありますか? (上田恭敬)

06 冠動脈プラークの変化は血管内視鏡でどう評価しますか?ほかのモダリティで評価できないことはあるのですか? (上田恭敬)

07 バイパス後の血管はどうして詰まりやすいのですか?また,PCI ではどのような注意をすべきですか? (松岡 宏)

C 大動脈

08 血管内視鏡の大動脈所見の分類のようなものはありますか? (廣 高史)

09 動画を見て,どう所見を読んだらいいかわかりません.実例を示して解説していただけませんか? (小松 誠)

10 大動脈のどこを見ているか,位置情報はどうやったらわかるのですか? (小松 誠)

11 見えるのはどうせ大動脈の内膜だけですよね.その奥を見るならCTのほうが優れていますよね? (安達賢太郎,樋口義治)

12 大動脈を飛散していくプラークがありますが,なぜその後必ずしも塞栓を起こさないのでしょうか? (小松 誠)

13 puff rupture とpuff-chandelier ruptureの違いを教えてください.きらきら光っていればコレステロール結晶があるといってよいのでしょうか? (小松 誠)

Ⅲ 手技

A 共通

01 標準的なシステム,回路の組み立て方,冠動脈への進め方を教えてください (濵中佑馬,樋口義治)

02 冠動脈,大動脈,肺動脈,腎動脈,下肢動脈のそれぞれで,ガイディングカテーテルを入れ替えるのは大変です.どうしたらよいでしょうか? (伊苅裕二)

03 冠動脈観察,大動脈観察にはどれくらいの時間がかかりますか? (樋口義治)

04 ACSの性状を知るのにバルーン前の観察が望ましいですが,早く再灌流すべきですよね.どうしたらよいですか? (髙橋 覚)

05 視野にごみのようなものやエアの玉が見えますが,どうしたらよいですか? また,それを防ぐには? (中渡瀬智,樋口義治)

06 dual infusion とsingle infusionとは何ですか?注入を「フラッシュ」とはいわないのですか? (大原知樹,小松 誠)

07 ファイバーの位置が頻繁にずれて,観察が定まりません.何が悪いのでしょうか? (小松 誠)

08 注入するシリンジで手が痛いのですが,これをずっと続けるのですか?また,注入の際に注意することはありますか? (小松 誠)

09 だんだん曇って見えなくなってきました.ピントが合っていないのでしょうか? どうしたらいいですか? (髙橋 覚)

10 画像がうまく見えませんが,何が悪いのでしょうか? (小松 誠)

B 冠動脈

11 標準的なシステムはどのようなものでしょうか?アプローチの部位と方法は? (小嶋啓介)

12 PCI前に観察したいのですが,ガイドワイヤーを抜きたくないので躊躇してしまいます.どうしたらよいですか? (樋口義治)

13 吸引カテーテルで冠動脈を観察するときがあると聞いたのですが,どのように使いますか? 同じように見えますか? (川上秀生)

14 不慣れなせいか,どうしても屈曲などでカテーテルが進みません.何かコツはありますか? (上田恭敬)

15 IVUSでもあるのですが,血管内視鏡施行時や施行後にST が上がりだし,時に患者さんが胸痛を訴えることがあります.対処法や予防はどうしたらよいですか? (松岡 宏)

C 大動脈

16 EVTの際に行うシステムは,血管内視鏡にどう活用できますか? (山崎貴紀)

17 アプローチ,ガイディングカテーテルに適,不適はありますか? (髙橋 覚)

18 上行大動脈,大動脈弓部をうまく見る方法はありませんか? (髙橋 覚)

19 大動脈弁をうまく見る方法はありませんか? (小嶋啓介,深町大介)

20 大動脈をくまなく見るにはカテーテルを回すのですか?それとも縦に移動させるのですか? (小嶋啓介)

21 大動脈解離のステントグラフト治療に,NOGAはどう役立ちますか? (西 宏之)

22 SINEの治療に,NOGAはどう役立ちますか? (西 宏之)

23 人工血管,ステントグラフト内挿術において,NOGAはどう役立つと考えられますか? (村上貴志)

24 大動脈解離のステントグラフト治療に,ハートチームはNOGAを通じてどう協調したらいいですか? (西 宏之)

25 放射線IVRの分野で,血管内視鏡はどのように活かされていますか? (小泉 淳)

26 大動脈自然破綻プラークのサンプリングは,どのように行うのですか? (小松 誠)

27 コレステロール結晶を同定する意義は何でしょうか? (由谷親夫)

28 血管内視鏡以外のモダリティでも,コレステロール結晶は同定されますよね? (小松 誠)

29 NOGA施行時に採取できた血液から何がわかりますか?また,それらにはどのような意味があるのでしょうか? (由谷親夫)

付録

A 共通

01 長い病変の画像の作り方を教えてください. (小松 誠)

02 症例報告で画質が悪い,画像がわかりにくいと言われないコツを教えてください. (小松 誠)

03 所見用紙の見本(冠動脈用,大動脈用,共通)を示してください. (小松 誠)

動画一覧

索引

編集後記

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書籍情報

  • ISBN:9784521749365
  • ページ数:240頁
  • 書籍発行日:2022年4月
  • 電子版発売日:2022年4月22日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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