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臨牀透析 2022 Vol.38 No.7 増刊号 特集「バスキュラーアクセス-作製・管理・修復の基本方針 2nd Edition」

  • ページ数 : 340頁
  • 書籍発行日 : 2022年7月
  • 電子版発売日 : 2022年7月4日
6,380
(税込)
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商品情報

内容

特集「バスキュラーアクセス-作製・管理・修復の基本方針 2nd Edition」

VA は透析のアキレス腱といわれ,良い透析療法をするには良好なVA は欠かせない.
本増刊号が透析患者の患者個々に合ったVA 作製とその管理に,そしてより良い透析生活に役立ってくれることを期待している.

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序文

序文


前回『臨牀透析』で「バスキュラーアクセス― 作製・管理・修復の基本方針」が故大平整爾先生を中心として発刊されたのは2011年6月の増刊号であった.それから11年が経つ.その年の9月に日本透析医学会から「血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン」も発刊された.その後本邦のガイドラインは改訂されていない.

バスキュラーアクセス(VA)関連では未だ質の高い,大規模な研究は少ないとされるが,ここ数年VAについてのガイドラインがスペイン腎臓学会(2017),欧州血管外科学会(2018),欧州腎臓学会・欧州腎臓透析移植学会(2019),米国腎臓財団(2020)から発刊されてきた.欧米とわが国とは患者体格や医療制度が異なり,他国のガイドラインをそのまま外挿することは難しいと思われるが,他国のガイドラインを踏まえわが国のVAの現状について検討することも必要と考えた.

VAは透析のアキレス腱といわれ,良い透析療法をするには良好なVAは欠かせない.VA障害は患者の罹患率と死亡率に関連し,透析患者の一番の入院原因であり医療経済的にも費用が掛かり大きな問題となっている.VAでは自己血管使用皮下動静脈􄮘(arteriovenous fi stula;AVF)が一番長く使用でき,感染症発生が少なく死亡率も少ないとされ,多くのガイドラインでその作製・使用が推奨されている.しかし,AVFが初めて考案された時期の透析患者の年齢は壮年期が多かったのに比べ,近年年齢構成が様変わりしている.2020年末の患者調査では患者全体の平均年齢は69.4歳となり,透析患者の年齢層では70~74歳が最も多く,また,導入患者の平均年齢は全体が70.88歳となり,最も割合が高い導入年齢層は,男性が70~74歳で,女性は80~84歳となっている.このように患者の高齢化が進み,また,慢性透析患者の原疾患で最も多いのも以前は慢性糸球体腎炎であったが,現在では糖尿病性腎症となっている.事実2017年の統計調査ではAVFは男性で91.4%,女性で84.8を占めていたが,それに伴い人工血管使用皮下動静脈􄮘(arteriovenous graft;AVG)使用率も上がり,男性で5.5%,女性で10.6%となり,男女とも年齢が高くなるにつれて,AVFの占める割合が低下する傾向を認めている.合併症を多くもち余命の短い高齢者には,発育不良などで頻回にpecutanenous transluminal angioplasty(PTA)を必要とするAVFよりもAVGや,中心静脈カテーテル(central venous catheter;CVC)の使用も良いのではないかという考えも出てきている.このようななかで,VAに関する問題を基本的な事柄から最新のテクニックまで網羅した内容で今回まとめた.執筆者は経験豊富なベテランから新進気鋭の専門家までである.どの論文も力作ばかりである.本増刊号が透析患者の患者個々に合ったVA作製とその管理に,そしてより良い透析生活に役立ってくれることを期待している.


2022年5月

伊丹腎クリニック
伊丹 儀友

目次

第1章 VAの現状

(1)日本のVAと現状と今後の展望

(2)いつVAを作製するのか

(3)AVF/AVG/CVCのそれぞれの利点と欠点

(4)高齢者にとって最適なVAとは

(5)VAが 心臓に与える影響

第2章 VA作製前の準備評価

(1)作製前の全身評価

(2)血管評価 (エコー検査を含めて)

第3章 AVF作製と管理の実際

(1)AVF作製方法・部位選択

(2)AVF作製と一次閉塞を防ぐために

(3)AVF周術期対策 (感染、出血、血栓症など)

(4)AVF再循環の評価と対応

第4章 AVG・動脈表在化作製と管理の実際

(1)AVGの作製方法/マテリアル

(2)AVGを長く開存させるために

(3)AVGのトラブル管理

(4)動脈表在化の方法管理

第5章 穿刺法と管理の実際

(1)アクセス穿刺と消毒

(2)穿刺管理

(3)ボタンホール穿刺の実際と問題点

(4)エコー下穿刺の実際と問題点

第6章 AVF/AVG作製・PTA時の麻酔

第7章 カテーテル挿入と管理の実際

(1)カテーテル挿入方法/部位/種類

(2)カテーテル管理・血栓/脱血不良など

第8章 VA関連感染症と対策・治療

(1)カテーテル関連感染症-予防と治療

(2)AVF/AVG感染について-予防と治療

第9章 患者教育・看護

(1)患者教育

(2)患者教育 (血管アクセスケアを含めて)―看護師の立場から

第10章 VAトラブルの管理・対策

(1)AVG/AVFモニタリング

(2)PTAの基本とカテーテルの選択

(3)狭窄/閉塞  (PTAの方法)

(4)狭窄/閉塞  (外科的方法)

(5)瘤/血清腫

(6)静脈高血圧

(7)スチール症候群

(8)過剰血流

(9)中心静脈狭窄症

(10)アクセス関連疼痛

第11章 VA関連事故

第12章 小児におけるVAおよびVA形態と予後

第13章 VAの形態と死亡率・合併症

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書籍情報

  • ISBN:9784004103807
  • ページ数:340頁
  • 書籍発行日:2022年7月
  • 電子版発売日:2022年7月4日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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