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泌尿器外科 2021年8月号(Vol.34 No.8)【特集】進化する去勢抵抗性前立腺がんの診断と治療の最新知見

  • ページ数 : 107頁
  • 書籍発行日 : 2021年8月
  • 電子版発売日 : 2022年8月2日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

特集 進化する去勢抵抗性前立腺がんの診断と治療の最新知見
CRPCの遺伝子変異と遺伝子診断─治療標的遺伝子の同定やコンパニオン診断への応用─/CRPCの画像診断─全身拡散強調MRI(DWIBS)とPSMA-PET─/CRPCのsite-directed therapy─オリゴ転移のCRPC治療をどうするか─ ほか

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序文

序文

2014 年以前のCRPC 治療,特に転移性去勢抵抗性前立腺がん(metastatic castration resistant prostatecancer:mCRPC)に対してドセタキセル投与が中心であり,本邦ではなるべく長く投与を継続していた時代が続いた。2014 年以降になって,アビラテロンやエンザルタミドなどの新規ホルモン剤の開発が進み,ドセタキセル治療前後の投与や,新規ホルモン剤投与の逐次療法が実臨床において重要なテーマとなった。さらに,タキサン系抗がん剤のカバジタキセルが開発されると,新規ホルモン剤とタキサン系抗がん剤の逐次療法に関するエビデンスも得られるようになってきた。また,骨転移に対する放射線治療薬(Ra-223)やDNA 修復遺伝子異常を認めるmCRPCに対する PARP(Poly( ADP-ribose)polymerase)阻害剤など,多彩な作用機序の治療薬の開発が続いている。

上記したように,mCRPC 治療は進化を続けていることがわかる。がんの遺伝子変異とその診断などゲノム医療が現実的になってきたが,mCRPC 治療も個別化の方向性が見えてきたことが,この特集の初めに詳しく解説されている。また,mCRPC の画像診断として従来のCT や骨シンチでは感知できない病変部位の描出に,拡散強調MRI の有用性が最近注目されている。将来,本邦でも使用できるであろうPSMA-PET 診断と治療を加えたtheranostics への応用など新規画像診断を使用したmCRPC 治療戦略についての解説がなされている。mCRPC でも転移数の少ないオリゴCRPC に対するside-directedtherapy は,まだエビデンスは少ないけれども将来有望なmCRPC 治療の一つとして,この特集で取り上げている。

以前のCRPC 治療は転移性CRPC に対する治療戦略がほとんどであったが,最近は非転移性CRPCの治療薬による臨床試験が展開されてきた。主に新規ホルモン剤のアパルタミドやエンザルタミド,ダロルタミドによる無転移生存期間と全生存期間の延長が報告され,QOL を維持しながらの新たな治療戦略が確立してきた。その次の段階であるmCRPC のホルモン療法については,最近になって様相が変わってきている。つまり,新規ホルモン剤などが転移性去勢感受性前立腺癌に対して使用(upfront治療)が可能になったことで,upfront 治療後のmCRPC に対してどのようなホルモン療法が成り立つのか,まだエビデンスは存在していない。それらの課題などについても解説が加えられている。mCRPC の化学療法としてはタキサン系抗がん剤の治療が行われているが,新規ホルモン剤を含めた逐次療法についてのエビデンスとして,カバジタキセルの有用性がCARD 試験の結果で確認された。mCRPC の放射線同位元素内用療法として,骨転移に対してはRa-223 治療が行われているが,近い将来にはルテチウムを用いた治療法も期待されている。どのタイミングでこれらの治療法を行うべきか,臨床試験結果などから解説されている。2020 年末から,DNA 修復遺伝子に異常がある症例に使用できるPARP 阻害剤が保険適応になった。その適応にはBRCA1/2 遺伝子異常を調べるコンパニオン診断が必要である。PARP 阻害剤のオラパリブを用いたPROfound 試験の結果やコンパニオン診断などについて,解説している。

今後のmCRPC 治療については,各種薬剤の組み合わせによる臨床試験や,遺伝子異常やPSMA 発現などを調べるコンパニオン診断を通した治療薬の開発などが進んでくる見通しであり,mCRPC 治療の開発はまだ続くと予想している。本特集で取り上げた治療手段が,適切な症例に適切なタイミングで投与できるヒントに繋がれば幸いである。


横浜市立大学付属市民総合医療センター泌尿器腎移植科
上村 博司

目次

特集 進化する去勢抵抗性前立腺がんの診断と治療の最新知見

序文

 横浜市立大学付属市民総合医療センター泌尿器腎移植科 上村 博司

CRPCの遺伝子変異と遺伝子診断─治療標的遺伝子の同定やコンパニオン診断への応用─

 千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学 坂本 信一

CRPCの画像診断─全身拡散強調MRI(DWIBS)とPSMA-PET─

 東京医科歯科大学大学院腎泌尿器外科学 吉田宗一郎,他

CRPCのsite-directed therapy─オリゴ転移のCRPC治療をどうするか─

 東京大学大学院医学系研究科泌尿器外科学 川合 剛人

M0CRPCの診断と治療─最新の考え方─

 久留米大学医学部泌尿器科学講座 井川 掌

mCRPCのホルモン療法─Upfront ARAT治療導入による治療戦略の変化を考察する─

 東京慈恵会医科大学泌尿器科 木村 高弘

mCRPCの化学療法─タキサン系抗がん剤のエビデンスと使用方法─

 北里大学医学部泌尿器科 田畑 健一

mCRPCのRI内用療法─Lu177-PSMA治療,Ra223治療─

 札幌医科大学泌尿器科学講座 橋本 浩平,他

mCRPCに対するPARP阻害剤─コンパニオン診断,使用の実際─

 横浜市立大学附属市民総合医療センター泌尿器・腎移植科 三好 康秀,他

連載

第127回 泌尿器科領域におけるトラブルシューティングロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術における尿管損傷

 信州大学医学部泌尿器科講座 鈴木 中,他

第36回 泌尿器科診療に役立つ周辺手技と処置

 福井大学医学部附属病院救急科 秦 龍彦

総説

アンドロゲン受容体阻害薬が認知機能に及ぼす影響─血液脳関門透過性の臨床的意義─

 山口大学大学院医学系研究科神経生理学講座 美津島 大,他

臨床研究

前立腺癌CTIBL(Cancer treatment induced bone loss)に対するデノスマブの36ヵ月治療成績

 ながえ前立腺ケアクリニック 永江 浩史,他

新規過活動膀胱患者の薬物療法に関する実態調査

 ファイザー株式会社インターナルメディスンメディカルアフェアーズ部 実形 剛樹,他

症例報告

腎結石に合併した腎盂扁平上皮癌の1例

 昭和大学藤が丘病院泌尿器科 松井 祐輝,他

腎移植後体外受精にて挙児を得た1例

 浜松医科大学泌尿器科 杉山 貴之,他

特発性の両側尿管狭窄症に対してステロイドが著効した1例

 順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科 平松 一平,他

地方会

第62回 日本泌尿器科学会神奈川地方会

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書籍情報

  • ISBN:9784865174311
  • ページ数:107頁
  • 書籍発行日:2021年8月
  • 電子版発売日:2022年8月2日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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