• ISBN : 9784621307243
  • ページ数 : 768頁
  • 書籍発行日 : 2022年7月
  • 電子版発売日 : 2022年8月5日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥28,600 (税込)
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商品情報

医学は私たちの健康と生命を守る営為であり、人間社会のどの地域・時代にも存在する。医学の歴史は経験知と哲学をもとにした古代の伝統医学から始まり、次第に科学・技術と結びつきを強め、高度な現代医学へと発展してきた。医学史という学問分野は、先人たちの事績や過去の医学知識にとどまらず、医療と社会・文化との関わり、薬学・生物学など周辺分野との関わりといった多様な背景や時空間までもが視野に入っている。本書は日本の医史学研究者が集結し、西洋、インド、アラビア、東アジア、日本など様々な地域と時代の医学史を、興味深いテーマを見開きで次々読める形で収録した。人間と医学と社会のかかわりを追う人への入り口となる一冊。

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■ 序文

刊行にあたって

医学は人々の健康と生命を守る営みであり,文明の発祥とともに始まり,あらゆる地域・社会に存在しています.医学の歴史は,医療を提供する医師・医療者の歴史であるだけでなく,医療を享受する民間・社会の歴史でもあります.その原初の形は経験知をもとにしたり,宗教と結びついたりしていましたが,哲学と結びついて一定の理論体系をもつようになり,やがて科学・技術と結びつきを深めて,高度な現代医学へと発展してきました.医学・医療は,あらゆる時代・地域において,それぞれの社会や文化と深く関わり,薬学や生物学など周辺分野と共鳴しあい,さまざまな病気を経験・認識・克服し続けてきました.その意味で医学史は,医学・医療の専門職にとってだけでなく,社会の多くの人々にも意味深いものであると思います.

日本医史学会(Japanese Society for the History of Medicine : JSHM)は,医史学の研究と知識の普及を目的に,1927(昭和2)年に設立されました.日本医学会を構成する141 の学会(2022 年4 月現在)の第1 分科会と位置づけられています.医史学では,医学の歴史のみならず,それに関連するあらゆる領域の歴史を幅広く探究します.その歴史の視野には,医学とそれに関わる歯学・看護学・薬学などの諸分野,医療による病の癒やしとその社会・文化との関わり,医史における先人たちの事跡,自然科学・生物学の一部としての側面などが含まれます.さらに日本の伝統医療である漢方医学の歴史も重要なテーマになっています.医学の歴史についての書籍は,これまでも数多く書かれてきました.歴史を物語る医学史書は,17 世紀末のルクレール(Le Clerc, D.)による『医学史Histoirede la médecine』(1696, 1723)や18 世紀末のシュプレンゲル(Sprengel, K. P.J.)による『実用的医療史試論Versuch einer pragmatischen Geschichte derArzneikunde』全5 巻(1792-1803)から始まり,ガリソン(Garrison, F. H.)による『医学史序論An Introduction to the History of Medicine』(1929),シンガー(Singer, C.)とアンダーウッド(Underwood, A.)による『医学小史(A ShortHistory of Medicine』(1962,邦訳1985-86),マイヤー= シュタイネック(Meyere-Steineg, T.)とズートホフ(Sudhoff, K.)による『図説医学史IllustrierteGeschichte der Medizin』(1965,邦訳1982)などの名著があります.我が国では富士川游の『日本医学史』(1904)から始まり,小川鼎三による中公新書の『医学の歴史』(1964),川喜田愛郎による大著『近代医学の史的基盤』(1977)などが広く読まれ,坂井建雄による『図説医学の歴史』(2019)は最新の医史学研究の成果と現代医学の急速な進歩を踏まえて書かれています.

こういった従来の医学史書は,書物として通読されることを前提にし,医学の歴史の流れに重点を置いて書かれていました.今回,日本医史学会が新たに編纂する『医学史事典』は,こういった従来の医学史書とは一線を画し,現代医療の従事者のみならず,伝統医学の医療者・研究者,さらに社会・文化・歴史に造詣の深い方たちの力を結集し,医学・医療とそれに関わるさまざまな事項を収める医学史の総合的・俯瞰的な事典を目指しました.もう一つの特色は,小項目を並べるのではなく,中項目を見開き1 つに収めて「読む事典」を目指したことです.本書は全体を5 部に分けて,第Ⅰ部と第Ⅱ部では世界の医学史の18 世紀以前とそれ以後,第Ⅲ部と第Ⅳ部では日本の医学史の江戸時代までと近現代,第Ⅴ部では社会・文化と医学の関わりを扱うことにしました.編集委員長を坂井建雄(日本医史学会理事長),副編集委員長を小曽戸洋(日本医史学会前理事長)が担当し,それぞれの部について編集幹事と数名の編集委員が分担して項目を選定し,日本医史学会の会員を中心にその分野のエキスパートに執筆を依頼し,ご協力を得ることができました.

21 世紀に入って医学・医療は急速に進歩して,あまねく多くの人たちに高度な医療を提供できるようになり,社会の中で存在感を増しています.2020 年から世界に広がった新型コロナ感染症を通して,医学・医療はますます注目を集めるようになりました.このような時代において,医学と社会との関係も含めて医学の歴史のあらゆる面についての視点を提供する本事典が刊行されることは,まことに意義深いものと考えています.


2022年5月吉日

編集委員長
坂井建雄

■ 目次

第I部 世界の医学(1):古代から近世まで

仏典(仏教経典)の中の医学

アーユルヴェーダ(インド伝統医学)

中国医学(古代)

ギリシア神話と医学

ヒポクラテス

ヒポクラテスにおける病気

ヒポクラテス集典

古代アレクサンドリアの医学

古代ローマの医学

古代ギリシャ・ローマの薬学

ガレノス

ガレノスの解剖学

体液病理説

ガレノスの疾患理論

アントニヌスの疫病

古代末期の医学

キリスト教と医学

中国医学(中世)

中世の病院

イスラーム世界の医学

イスラーム世界の病院

イスラームの錬金術

イブン・スィーナー

医学校の誕生

アラビア医書のラテン語翻訳

ペスト

ルネサンス人文主義と医学

中世の解剖学

活版印刷と医書出版

16世紀前半の解剖学

ヴェサリウス

解剖図:16世紀

植物園

初期近代文芸と医学

芸術と医学

パレ:近代外科の父,フランス4代の国王の侍医

パラケルスス

科学革命と医学

ハーヴィの血液循環論

新構造の発見

錬金術と化学

機械論と医学

哲学者と医学

西洋の医学教育

西洋伝統医学

中国医学(宋金元時代)

中国医学(明清時代)

韓医学

ベトナム医学

非自然的なもの

オエコノミア・アニマリス

医学と情報爆発

解剖図:17・18世紀

初期近代の病院

内科医の組織

医学の大衆化

医学の専門化

18世紀の外科学を主導した2大巨頭

臨床観察

近代医療倫理の誕生

病理解剖

J・ハンターとE・ジェンナーの種痘

フランス革命と医学

瀉血

尿診

脈診

眼科治療(古代から初期近代)

外科医:中世〜近代初期の外科医,理髪外科医,およびそれらの組合

薬剤師(中世〜初期近代の薬剤師)

女性医療者

産婆

ヨーロッパの歯科医療:中世から近代初期

第II部 世界の医学(2):近現代

有機化学から生化学へ

ビタミンの発見

細胞のエネルギー代謝

遺伝情報とタンパク質合成

細胞の興奮性

血液の検査

尿の検査

血液型と輸血

循環器疾患の治療

X線と造影法の歴史

向精神薬

精神疾患治療の変革

微生物の発見とワクチンによる予防

病原体の発見

病原体との戦い

産婆術から産婦人科へ

帝王切開

避妊と不妊症治療

整形外科学

自律神経系の発見

ニューロン:その概念の確立

神経生理学

大脳の科学:皮質の機能局在の解明

西洋近代医学の特徴

基礎医学の由来

基礎医学の諸相(1):19世紀初頭/フランス

基礎医学の諸相(2):19世紀初頭/ドイツ語圏

基礎医学の諸相(3):19世紀中葉以後/ドイツ語圏

基礎医学の諸相(4):19世紀中葉以後/ドイツ語圏以外

臨床医学の由来

臨床医学の諸相(1):19世紀初頭/フランス

臨床医学の諸相(2):19世紀初頭/イギリス

臨床医学の諸相(3):19世紀初頭から中葉/ドイツ語圏

基礎医学の諸相(5):20世紀以降

腎臓の構造と機能

臨床医学の諸相(4):20世紀

画像診断と機器の変遷

感染制御のブレイク・スルー:消毒法の提唱者 ゼンメルワイスとリスターの貢献

19世紀の外科学に変革をもたらした2大巨頭

臓器移植

内視鏡外科の隆盛

心拍動の自律性

植物から分離された医薬

化学合成された医薬

薬剤学から薬理学へ

眼科学

細胞形態学と顕微鏡

筋収縮と細胞骨格

細胞間結合と細胞外基質

精神医学の成立

精神分析と心理学

神経学

注射の医療史

病理解剖学と病理組織学

医師の資格制度

歯科医学の科学化

近代看護師の誕生

腫瘍医学:山極勝三郎

医療機関としての病院

麻酔法

生活環境の科学

社会環境の科学

法律に関わる医学

脳の外科手術

打診法,聴診法

体温計、肺活量、血圧計

小児科の歴史

耳鏡、喉頭鏡、検眼鏡

心電計、脳波計

細胞説の誕生

細胞説の衝撃

進化論

内分泌腺とホルモン

生体防御・免疫学理論の変遷

生体防御(1):自然免疫系と獲得免疫系

生体防御(2):免疫制御

生体防御(3):移植と感染症

超音波医学

血液透析

再生医療

小児科学と周産期学

免疫学の発展

第III部 日本の医学(1):神話の時代

先史から有史へ

飛鳥時代

奈良時代ー平城京

渡来した中国医書と佚存書

平安時代

丹波康頼と『医心方』

鎌倉時代

梶原性全と『頓医鈔』『万安方』

南北朝〜室町時代

戦国安土桃山時代

茶と医薬

曲直瀬道三と『啓迪集』

江戸時代の医学(初期)

江戸時代の医学(中期)

江戸時代の医学(後期)

江戸時代の医師

江戸時代の医学教育

江戸時代に渡来した中国医書

中国医書の和刻と日本化

日本の医書著述・出版と医学の日本化

養生思想

産婦人科の歴史

外科の歴史

眼科の歴史

江戸時代の歯科治療

鍼・灸・按摩の歴史

売薬の歴史

国学と医学

漢学(儒学)と医学

江戸文学と医学

本草学と博物学

薬草の調査と栽培

疾病分類と処方集

張仲景医書の研究と応用

古方派と吉益東洞

折衷派と浅田宗伯

漢蘭折衷の医学

江戸医学館と考証医学

考証医学の古医籍研究

朝鮮通信使と医学交流

飢饉と救荒書

堕胎・間引き

梅毒の流行と対応

天然痘の流行と対応

麻疹の流行と対応

コレラの流行と対応

庶民の疫病対策:一般庶民の役病信仰と民間療法

医師・薬品・病の番付と引札

【蘭学・蘭方】

西洋医学の到来

出島オランダ商館と紅毛流外科の誕生

紅毛流医学の基盤を築き上げた17世紀の商館医

「通詞蘭学」の芽生え

洋医書の到来と利用

在来薬草の合同調査と新薬草の導入

抄訳から全訳へーオランダ語学習に飛躍17世紀の試みから青木昆陽,野呂元丈,前野良沢らへ

人体観の変遷 近世解剖学の黎明

刑死体解剖の普及

知を得る新しい道:『解体新書』とその後の訳書

洋方医学の拡散:大坂・京都および江戸で台頭する蘭学塾

在村蘭学:蘭学者門人の地方的広がり

長崎遊学と通詞蘭学者

単語帳から辞書へ

蘭医学の成立

疼痛をとり除く、全身麻酔の始まり

出島商館の巨匠

医学校・医学所の普及、西洋医学と藩の政策

薬品会・物産会(和・蘭・漢)

近代西洋医学の夜明け

中国を介した西洋医学の受容

医療道具・医科器械

西洋世界への窓口としてのオランダ商館

看護の歴史

第IV部 日本の医学(2):近現代

【幕末明治期を中心として】

近代西洋医学教育の誕生

蘭学塾と藩校・医学塾(幕末)

幕末明治初期の医学教育

西洋外科器械―日本への導入と国内での製作開始―

ドイツ人教師による医学教育

ドイツ留学生の日本医学へもたらしたもの

明治期の医学教育・医師資格制度

明治初期の公立医学校

明治期の私立医学校

明治期20年代以後の医学校

明治初期の病院

看護婦養成の始まり

女医の登場

伝染病と衛生行政

日本の天然痘対策

明治維新後の漢方医学

医薬の近代化

民間薬と民間療法

脚気論争

日本赤十字社のはじまり

伝染病研究所―北里柴三郎

医師法・歯科医師法の制定

軍事と医療

救療事業

【大正・昭和戦前】

医療の社会化(日本)

戦前の精神病医療

大正・昭和初期の医学校

スペイン風邪

公的医療保険の始まり

保健所法から地域保健法へ

医療の国家管理

厚生省の誕生

戦時下の医学専門学校増設

戦時下の非人道的医学研究(1)九州大学生体解剖事件

戦時下の非人道的医学研究(2)京都大学と731部隊

【昭和戦後・平成】

占領期の保健医療改革

占領期の公衆衛生と衛生教育

占領期の医育改革

戦後の感染症対策

予防接種法とワクチン

国民皆保険

老人保健法と高齢者医療保険制度

介護保険制度

研修医制度

戦後の精神保健医療

医師の不足と過剰

医学教育の自由化・国際化

岩手県沢内村の挑戦

長野県佐久病院の農村医療

占領下沖縄の保健医療システム

日本の医学とノーベル賞

【通史】

日本医師会・日本医学会の始まり

人口問題とその対策

死亡統計

日本の結核史

母子保健史

がん対策史

難病対策史

西洋外科学導入史

障害者対策史

学校保健史

日本の臓器移植史

日本の人工臓器史

日本の近代看護導入史

産婆から助産婦、助産師へ

保健婦のはじまり

歯科医師のはじまり

理学療法士などのはじまり

薬剤師のはじまり

栄養士のはじまり

災害と医療

19世紀における戦争と医療

20世紀における戦争と医療

診療報酬と医療費

日本における「医」の倫理

生命保険と民間医療保険

公立病院と私立病院

製薬・創薬と基礎研究史(本草,南蛮薬,製剤学,新薬開発)

日本の病院船

医療材料の開発史

献体と人体解剖

第V部 社会の中の医学

学際領域としての社会医学

医療の社会史(欧米)

医療の社会史(日本)

医療の社会史(アジア)

医学史と社会学

医学史とジェンダー論

医学史と文学

医学史と身体

文化

医学史と倫理学

医学史と経済学

医学史と地理学

医学史と人口学

患者の歴史

都市と医療者集団

出産の社会史

家族と医療(欧米)

家族と医療(日本)

高齢者と医療

近現代における西洋民間療法

近現代における伝統医学(日本)

近代中国に受容された日本の伝統医学研究

近現代における伝統医学(東アジア)

歴史のなかの感染症

寄生虫病と社会

ハンセン病と社会

性感染症と社会

HIV/エイズと社会

がんと社会

痛みの医学と社会・文化

視覚障害と社会

聴覚障害と社会

肢体不自由と社会

ダウン症と社会

精神病と社会

精神医療とメディア

病院(子ども)

病院(結核)

結核患者の療養所生活

病院(性感染症)

病院(精神科)

私宅監置

公衆衛生(イギリス)

公衆衛生(フランス)

公衆衛生(ドイツ)

公衆衛生(アメリカ)

衛生組合

学校と衛生

食と栄養(給食)

食と栄養(ナチス)

優生学と医学

産業と医療

農村と医療

植民地医学・帝国医療(東アジア)

植民地医学・帝国医療(インド)

植民地医学・帝国医療(アフリカ)

国際赤十字・赤新月運動

医療の社会化(イギリス)

医療の社会化(ドイツ)

医療の社会化(北欧)

医療の社会化(アメリカ)

医療の社会化(中国)

総力戦と医療

人体実験・医学・戦争

戦争と看護

戦争障害者と医療

被爆と医療

イタイイタイ病

水俣病

大気汚染公害

薬害

ワクチン問題

再興・新興感染症

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