心臓血管外科手術虎の巻

  • ページ数 : 332頁
  • 書籍発行日 : 2023年2月
  • 電子版発売日 : 2023年2月14日
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商品情報

内容

各種手術を安全に行うためのコツから術後管理まで心臓血管手術のすべてを1冊で学べる!

これから心臓血管外科の修練を控えているすべての若手医師に! 自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科が受け継いできた秘伝の基本手技マニュアル.TAVIやTEVAR・MICS手術など基礎から難易度の高い術式まで網羅.著者らが描いた詳細なイラストで手技のポイントがよくわかる!

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序文

序文

日本胸部外科学会が公表している年次レポートによると,本邦における心臓血管外科の領域では毎年約70,000件の手術が行われており,その総数は漸増の傾向にあります.心臓血管系疾患の件数が増加している要因は,高齢者人口比率の急速な増加があげられ,特に動脈硬化と関連の深い大動脈瘤や大動脈弁狭窄症の増加は驚異的です.疾患の数的増加とともに,多様な手術手技を駆使した対応によって手術成績が向上していることも,手術件数増加の要因と考えられます.従来ハイリスクとされていた高齢者や多臓器疾患を有する患者に対して,ステントグラフトを用いた血管内治療・経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)・低侵襲心臓手術(MICS)などが普及することによって,治療成績も良好であることが示され,さらに手術適応は拡大されつつあります.

疾患や治療を受ける患者の“Diversity(多様性)”に対応すべく,心臓血管外科手術は時代の流れとともにいくつもの変遷を遂げてきました.一方で,自治医科大学附属さいたま医療センターでは,先々代・先代教授の時代から基本手技の習得に重点を置いて若手医師に対する指導を重ねてきました.次世代の若手医師を育成し多くの優秀な心臓血管外科医を輩出することが,施設のみならず地域全体の医療を継続して発展させるための持続可能な目標「Sustainable Development Goals(SDGs)」として脈々と受け継がれてきた経緯があります.

今回,自治医科大学附属さいたま医療センターのスタッフが中心となって分担執筆した本テキストの内容は,当センターで30年以上前から受け継がれてきた基本手技マニュアルを時代の変遷とともに改変してきたものであり,一貫して若手医師が習得すべき基本手技として存在しているものです.基本手技マニュアルは,心臓血管外科医だけのものではなく,手術に加わるチームのすべての構成員によって共有すべきであり,手術の流れを,麻酔科医・集中治療医・ナース・臨床工学技士,などあらゆる業種のスタッフが事前に理解していることで,手術時間の短縮・コスト削減はもちろんのこと,医療安全上も有益であり,手術成績の向上にも寄与することと思われます.

若手医師・医療スタッフを育成しつつ,良好な診療実績を追求することが,持続可能な発展目標につながることと信じて受け継がれてきたこの『虎の巻』を,これからの将来を嘱望されている心臓血管外科医師をはじめ,心臓血管外科診療に携わろうとしている各種診療科・パラメディカルの皆様にも共有したいと思います.心臓血管外科の診療はハードルが高いと思われているかもしれませんが,この『虎の巻』をご覧になっていただければ,意外とすんなり入り込むことができるかもしれません.


2022年11月

自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科 教授
山口敦司

目次

CHAPTER 1 心臓血管外科手術を安全に行うために〈山口敦司〉

  心臓血管外科診療の特徴

  マニュアルから学ぶことの重要性

  心臓血管外科手術時に起こりうる問題点とその予防策

CHAPTER 2 医療安全の観点から〈遠山信幸〉

  心臓外科手術と患者安全

  インフォームドコンセントと診療録(カルテ)記載

  チーム医療の推進

  有害事象(インシデント)報告制度と安全文化

  医療事故調査制度

CHAPTER 3 術前評価

1.術前検査の進め方〈木村直行〉

2.栄養状態と身体機能の評価〈木村直行〉

3.クリニカルパスの活用〈堀 大治郎〉

CHAPTER 4 手術説明の内容〈白石 学〉

CHAPTER 5 心臓血管外科手術の麻酔〈深野賢太朗 大塚祐史 讃井將満〉

  術前評価/術前カンファレンス/輸血の準備

  心臓大血管手術麻酔のモニタリング

  手術当日の麻酔準備

  胸骨正中切開でCPBを用いる典型的な予定心臓大血管手術の麻酔

   A.患者入室から全身麻酔導入

   B.中心静脈穿刺

   C.CPB前とCPB開始直後の麻酔管理

   D.CPBからの離脱

   E.CPB離脱後の管理

  弁膜症手術の麻酔

  OPCABの麻酔

  MICSの麻酔

  胸部大動脈瘤手術における分離肺換気の麻酔管理

  スパイナルドレナージの管理と脊髄虚血対策

  急性大動脈解離に対する緊急手術の麻酔

  ショック患者の緊急手術:破裂AAAと心タンポナーデ

  TAVIの麻酔

  腹部大動脈瘤に対する開腹手術の麻酔

  TEVAR,EVARの麻酔

CHAPTER 6 術後管理

1.術後ICU管理〈近藤悠生 塩塚潤二 讃井將満〉

  〈総論〉

  ICUでの治療

  一般的な(順調な)術後経過

  〈各論〉

  循環動態の管理

  呼吸器系の管理

  神経の管理

  腎臓,電解質の管理

  血液・凝固系の管理

  各病態に合わせた急性期の術後管理

  特殊な合併症の管理

  ICUで用いられる基本薬剤各論当センターでの使用方法

2.術後病棟での管理・リハビリ〈野村陽平〉

  開胸手術

  疾患別術後管理

  開腹手術

  血管内治療

  リハビリテーション

CHAPTER 7 心臓血管外科手術の実際の手順

1.人工心肺と体外循環の安全管理〈百瀬直樹〉

  人工心肺装置

  体外循環の実際

  人工心肺の安全管理

2.カニュレーション手順〈山口敦司〉

  胸骨正中切開

  心膜切開・テーピング

  送血カニュレーション

  脱血カニュレーション

  ベント挿入

  心筋保護

  心内の空気抜き

  人工心肺回路抜去

  閉胸操作・ドレーン挿入

3.特殊体外循環・部分体外循環〈安田 徹〉

4.オフポンプ冠動脈バイパス術〈山口敦司〉

  治療の対象

  ドレーピング・開胸

  グラフト採取

   A.内胸動脈

   B.大伏在静脈

   C.胃大網動脈

  グラフト トリミング

   A.ヘパリン投与

   B.グラフト トリミング

  中枢側吻合

  人工心肺(スマートサーキット)装着

  末梢側吻合

   A.末梢側吻合の手順・視野展開

  末梢側吻合の実際

   A.グラフト流量測定

   B.人工心肺離脱・止血確認・ドレーン挿入・閉胸

5.大動脈弁置換術〈堀 大治郎〉

  大動脈切開

  視野展開と弁切除

  糸掛け

  人工弁のサイジング

  弁の逢着

  狭小弁輪,基部への対応

  大動脈縫合と術後評価

6.TAVI〈野村陽平〉

  術前評価

  手術準備

  TF-TAVI

  Alternative アクセス

7.僧帽弁形成術・置換術〈白石 学〉

  右側左房アプローチによる僧帽弁手術

  僧帽弁形成術

  僧帽弁置換術

8.右小開胸心臓手術(MICS)〈山口敦司〉

  MICS(minimally invasive cardiac surgery)手術の準備

  実際の手術手順

9.上行・弓部置換術,大動脈基部置換術〈堀 大治郎〉

  上行・弓部置換術

   A.アプローチ方法

   B.開胸から人工心肺の確立

   C.脳分離送血

   D.遠位側吻合

   E.大動脈吻合法

   F.中枢側吻合

   G.弓部分枝再建

  大動脈基部置換術

   A.大動脈基部の剝離

   B.冠動脈再建

10.下行大動脈置換術,胸腹部大動脈置換術〈堀 大治郎〉

  下行大動脈置換術

   A.体位とモニター

   B.切開と視野展開

   C.術野における剝離操作

   D.大動脈遮断・切開と大動脈吻合

   E.閉胸

  胸腹部大動脈置換術

   A.胸腹部大動脈視野展開

   B.大動脈切開と吻合

11.急性大動脈解離(急性解離)の手術〈木村直行〉

  急性解離手術の特殊性と対策

  急性A型解離に対する人工血管置換手術

12.TEVAR EVAR〈荒川 衛〉

13.腹部大動脈人工血管置換術〈玉井宏一〉

14.下肢動脈バイパス〈野中崇央〉

  下肢動脈バイパス

  手術治療戦略(吻合部およびグラフトの選択)

  動脈の露出

  静脈グラフト採取

  血流遮断・血管吻合

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書籍情報

  • ISBN:9784498039223
  • ページ数:332頁
  • 書籍発行日:2023年2月
  • 電子版発売日:2023年2月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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