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イラストレイテッド 感染制御ー医療従事者のためのルール&メソッド

  • ページ数 : 328頁
  • 書籍発行日 : 2023年4月
  • 電子版発売日 : 2023年3月29日
¥4,290(税込)
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商品情報

内容

この3年間,医療機関の感染対策は新型コロナウイルス感染症に重点を置いた感染対策でした。しかし,医療環境ではそれ以外の感染症にも目を向け,対策を講じていかなければなりません。本書は新型コロナ対策を踏まえつつ,感染対策の基本に今一度立ち返り,感染制御の第一人者が重要事項22項目についてイラストを豊富に取り入れながらエビデンスベースでわかりやすく解説しています。これ1冊で感染制御の原則と実践法がわかるオールインワンの本格的な感染制御テキストブックとして現役の医療従事者,医学生,看護学生の方々に好適の書です。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
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序文


2019年12月に中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は瞬く間に世界に拡散し,重症肺炎によって多くの人々が死亡した。この間,医療機関はCOVID-19への対応で想像を絶する苦労を重ねてきた。しかし,これまでも多くの易感染性宿主が治療する医療環境という特殊な状況の中では,平素は問題とならない病原体による日和見感染症や抗菌薬に起因した薬剤耐性菌感染症などが我々を悩ませ続けてきた。そして,この状況はこれから先も続いていくものと思われる。

医療従事者は今後も COVID-19に対応しながら,それ以外の感染症にも向き合い,かつ,湿性生体物質などの感染源となりうるものを適切に取り扱いながら病原体の感染経路を遮断していかなければならない。それによって患者と医療従事者双方の安全を確保していく必要がある。そのために今一度,医療環境における感染制御の基本について学んでおくことは,日常の医療安全のみならず,将来的に遭遇するかもしれない未知の感染症に立ち向かう上で必ず役に立つはずである。何故なら,COVID-19対策においては「標準予防策」の徹底など,これまでの感染予防の基本的な対策が重要な役割を果たしてきたからである。

本書は,医療環境で取り組むべき感染制御で知っておきたい項目を 22のテーマで構成し,感染制御のルールと実践手法について体系的に学んでもらえることをコンセプトに執筆した。取り上げたテーマはいずれも感染制御における重要なキーワードであり,豊富なイラストをまじえながらエビデンスに基づいてわかりやすく解説した。本書が医療環境の感染制御についてこれ 1冊で学べるオールインワンの感染制御テキストとして,臨床現場で活躍中の医療従事者の方々,これから感染制御を学んでいこうとされる方々のお役に立てば幸甚である。

最後に,このような企画を提示していただいた(株)リーダムハウスの多賀友次氏に心から感謝の意を表する。


2023年3月

浜松市感染症対策調整監・浜松医療センター感染症管理特別顧問
矢野邦夫

目次

1 感染

1. 宿主- 寄生体関係  

2. 感染

3. 病原体

4. 病原体の毒力

5.病原体による感染成立過程

6. 感染症

7. 易感染性宿主

8.医療関連感染の概念

2 感染予防

1. 感染予防の黎明期

2. 感染予防策の変遷

3. 病原体伝播と感染

4. 隔離予防策の構成

5. 接触感染

6. 飛沫感染

7. 空気感染

8. 感染予防策の組織的な取り組み

3 標準予防策

1. 標準予防策の概念

2. 手指衛生

3. 個人防護具 

4. 咳エチケット

5. 患者の収容

6. 患者ケア器具の衛生管理

7. 環境整備

8. リネン類の衛生管理

9. 安全な注射処置

10. 腰椎穿刺処置

11. 医療従事者の安全確保

12. 標準予防策は常時実施

4 感染経路別予防策

1. 感染経路別予防策の概要

2. コホートとコホーティング

3. 隔離の概念

4. 接触予防策

5. 飛沫予防策

6. 空気予防策

7. 防護環境

8. 免疫不全患者への対策

9. 感染経路別予防策の適用時期

10. 感染経路別予防策の実施期間

5 手指衛生

1. 手指衛生の重要性

2. 手指衛生の種類

3. 普通石鹸とアルコール

4. アルコールか石鹸と流水か

5. 手指衛生のタイミング

6. 洗い残しと正しい手洗い手順

7. 手荒れ防止

8. 手指衛生の遵守率

6 個人防護具

1. 個人防護具とは

2. 手袋

3. サージカルマスク

4. N95 マスク

5. ゴーグル/フェイスシールド

6. ガウン/エプロン

7. PPE の着脱手順

7 環境整備

1. 感染対策における環境整備とは

2. ゾーニングと空調・換気システム

3. 環境表面

4. アスペルギルス対策

5. レジオネラ対策

6. 環境消毒

7. 感染性廃棄物

8. エリア別環境整備のポイント

8 消毒薬

1. 消毒薬の概要

2. 低水準消毒薬

3. 中水準消毒薬

4. 高水準消毒薬

5. 生体消毒薬による消毒の実際

9 洗浄・消毒・滅菌

1. 器具・器材の消毒・滅菌の概要

2. 洗浄の概要と洗浄法

3. 消毒の概要と消毒法

4. 滅菌の概要と滅菌法

5. 中央材料部における一括処理

6. 器具・器材の消毒・滅菌の実際

10 CRBSI カテーテル由来血流感染

1. 医療に関連した血流感染

2. カテーテル由来血流感染の定義

3. CRBSI のリスクファクター

4. CRBSI の原因病原体

5. 血管内カテーテルへの病原体の侵入経路

6. 血管内カテーテルの種類

7. CRBSI 防止のガイドライン

8. 血管内カテーテルの感染対策

9. 手指衛生・無菌操作

10. マキシマル・バリアプリコーション  

11. 皮膚消毒

12. ドレッシング材による清潔管理

13. 血管内カテーテルの交換

14. 輸液セットの交換

15. 閉鎖式輸液システム

16. CRBSI 防止のためのケアバンドル

11 CAUTI カテーテル関連尿路感染

1. 尿道カテーテルの留置と尿路感染

2. CAUTI の発症様式

3. CAUTI の特徴

4. CAUTI の原因病原体

5. 尿道カテーテルの種類

6. 閉鎖式導尿システム

7. CAUTI 防止対策の概要

8. 尿道カテーテル留置の適応・不適応

9. 尿道カテーテル挿入・固定の注意点

10. 尿道カテーテル留置中の管理

12 SSI 手術部位感染

1. 手術部位感染(SSI)とは

2. SSI の分類

3. SSIの原因病原体

4. インプラント手術とSSI のリスク

5. 抗菌薬の予防投与

6. 周術期の患者管理

13 VAP 人工呼吸器関連肺炎

1. 人工呼吸器関連肺炎(VAP)の概要

2. VAP のリスクファクター

3. VAP 防止のための患者管理

14 C.difficile感染

1. 抗菌薬関連下痢症

2. Clostridioides difficile

3. C.difficile感染症

4. C.difficileの伝播防止

15 日常ケアと感染

1. 経腸栄養

2. 気管吸引

3. ネブライザー

4. 加湿器

16 透析と感染

1. 透析室の特殊性

2. バスキュラーアクセス

3. 透析室における感染

4. 穿刺時の皮膚消毒

5. 透析室の環境整備

17 内視鏡と感染

1. 内視鏡の汚染と感染リスク

2. 内視鏡の衛生管理

3. 内視鏡洗浄における不備と汚染

4. 消化管内視鏡検査前の抗菌薬予防投与について

18 針刺しと感染

1. 針刺し

2. 安全器材

3. 針のリスクと対策

4. 鋭利器材専用廃棄ボックス

5. 針刺し直後の対応

6. 病原体別にみた針刺し後の対応

7. 針刺しと労災

8. エピネット

19 抗菌薬

1. 抗菌薬とは

2. 抗菌薬の選択毒性

3. 抗菌薬の作用機序

4. 抗菌スペクトル

5. 抗菌薬の感受性

6. 抗菌薬のPK/PD

7. 治療的薬物モニタリング(TDM)

8. 抗菌薬の適正使用

9. エンピリック・セラピー

10. 系統別抗菌薬の分類

20 薬剤耐性菌

1. 薬剤耐性菌とは

2. 細菌の薬剤耐性のしくみ

3. 多剤耐性菌

4. 多剤耐性菌対策の2段階アプローチ

5. 薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン

21 ワクチン

1. ワクチンとは

2. ワクチンの種類

3. 定期接種と任意接種

4. 医療従事者と予防接種

5. B 型肝炎ワクチン

6. 麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘ワクチン

7. インフルエンザワクチン

8. 肺炎球菌ワクチン

9. 新型コロナウイルスワクチン

10. ブレイクスルー感染

22 疫学とサーベイランス

1. 疫学とは

2. 感染症疫学の特殊性

3. 感染症疫学で扱う数字

4. 疫学調査における感染の期間

5. 記述疫学

6. 疫学におけるリスクの概念

7. コホート研究とケース・コントロール研究

8. 2×2表

9. オッズ比

10. 95%信頼区間

11. 交絡因子

12. 基本再生産数と実効再生産数

13. エピカーブの読み解き

14. アウトブレイク対応

15. サーベイランス

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書籍情報

  • ISBN:9784906844234
  • ページ数:328頁
  • 書籍発行日:2023年4月
  • 電子版発売日:2023年3月29日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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