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改訂 マウス・ラット実験ノート~はじめての取り扱い、倫理・法的規制から、飼育法・投与・麻酔・解剖、分子生物学的手法とゲノム編集まで

  • ページ数 : 204頁
  • 書籍発行日 : 2023年3月
  • 電子版発売日 : 2023年4月8日
¥4,950(税込)
ポイント : 270 pt (6%)
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商品情報

内容

長年支持されてきた動物実験初級者のバイブル,待望の改訂!

初めてマウス・ラットを扱う方にも理解しやすいと好評のロングセラーの改訂版.豊富なイラストと写真によるわかりやすさはそのままに,最新技術と実験環境の変化を反映した内容にリニューアルしました.

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序文

改訂版の発刊にあたり

これまでに,さまざまな疾患の発生や病態の成立に影響を与える環境要因や遺伝的要因についての研究がなされ,それらの個体レベルでの機能解析において動物モデルは重要な役割を果たしてきました.例えば,疾患の発症にかかわる要因の解明には,安定した飼育環境のもとで,遺伝的に均一な動物モデルを用いた表現型の解析が不可欠です.また,遺伝的要因の解明のために,コンジェニック系統や遺伝的な組換え動物などの作製がさかんに行われ,それらの表現型がヒト疾患のモデルになりうるのか,臨床的妥当性と有用性の検討が数多くなされてきました.

本書で詳細に触れてはいませんが,ヒト疾患の病態解明や治療薬開発において,動物モデルを用いた個体レベルでの薬物動態,薬物分布評価,および治療効果判定は依然として重要な位置を占め,本書の初版が発行された当時と比べて新たな手法や治療薬が生み出されています.例えば,抗がん剤等の薬効判定では,ヒト腫瘍細胞やオルガノイド,あるいは,ヒト腫瘍検体の直接的な動物への移植(PDX:patient-derived xenograft)モデルが効果的な評価系として数多く活用されるようになっています.また,さまざまな疾患に対応する治療として,免疫チェックポイント阻害剤,薬剤や放射線治療薬を付加した新たなタイプの抗体薬の開発など,ヒトの免疫学的特性の理解に基づいた治療法の開発が急速に進んでいます.このようなタイプの新薬の開発現場では,免疫不全動物を用いたヒトの免疫学的な環境を模倣した動物モデルの作製が急務です.ここまで述べてきたように動物を用いた実験系および評価系が急速に多様化・複雑化し高度化するなか,近年では,モデル動物の有効な活用により研究を迅速に進め,基礎研究から臨床応用へのシームレスな連携を効率的に運用することが求められています.すなわち,ヒト疾患の解明に資する成果を効率的に生み出すためにも,動物モデルの意義と重要性はますます高まっているといえます.

『マウス・ラット実験ノート』の初版が2009 年に発行されてからすでに13 年ほどが経ちました.2009 年当時は初学者向けの「実用的な動物実験の説明書」はあまりなく,実際に動物実験を行うに際して必要となる基本的な実験手技や,効果的かつ安全に動物実験を実施するために知っておくべき事項について,実験者の目線からできるだけ具体的に解説するというスタンスで書かれた本書は,研究者の皆様に広く受け入れられました.ただ,そのような本書も13 年の間に古くなった部分があります.そこで『改訂 マウス・ラット実験ノート』では,マウス・ラットの実験にかかわる倫理的・法的規制や,種・系統の選択,動物の入手方法という初版でも好評を博していた基本的な項目について,内容を精査・更新しました.また,初版発行当時の動物実験に関連する研究環境から大きく変化した点についても取り上げています.特に,CRISPR-Cas9 を用いたゲノム編集技術の開発普及により,遺伝子改変動物の作製技術が大きく変化している現状を鑑みて,「ゲノム編集を用いた遺伝子改変マウス・ラットの作製」の項目を追加しました.また,編集会議で現在の学生に必要とされた「体外受精と胚移植」「微生物モニタリング」などの項目も追加しています.

また,以前から提唱されている「3R」という動物実験の基本的理念があります.私たちはReplacement(代替),Reduction(削減),Refinement(苦痛の軽減)の点に十分に配慮したうえで,研究を企画・立案し,再現性の高い操作によって動物実験を行う必要があります.人道的な見地に立って,効率的かつ倫理的に実験を進められるように,改訂版においても詳述しました.

本改訂版が,初版に引き続き,動物実験にかかわる研究者にとって実用的な手引書として活用され,研究者の不安を取り除き,自信をもって正しい動物実験を遂行できることに少なからず貢献できれば幸いに思います.本改訂版の作成にあたっては,初版同様に多くの専門家の先生方に献身的なご協力をいただきました.ご多忙のなか,本書の趣旨をご理解いただき,利用者にとって現状の研究背景を踏まえた有用な改訂版の作成にご協力いただきましたことを改めて深く感謝いたします.また,本改訂版の発行にあたり,多大なご尽力をいただきました羊土社編集部の岩崎太郎様と𠮷田雅博様にはこの場を借りて感謝します.


2023年2月

改訂版の監修・編集を代表して
中釜 斉

目次

第1章 マウス・ラットを用いた実験をはじめるにあたって【北田一博】

Ⅰ.マウス・ラットを用いた実験

Ⅰ-1 マウス・ラットを用いた実験とは

Ⅰ-2 なぜ,マウス・ラットなのか

Ⅰ-3 マウス・ラットを用いた実験の種類と流れ

Ⅱ.動物実験で結果を出すためのノウハウ

Ⅱ-1 事前に実験計画を練り抜く

Ⅱ-2 マウス・ラットの都合に合わせる

Ⅱ-3 動物実験手技を洗練させる

Ⅲ.マウス・ラット実験の倫理的・法的規制

Ⅲ-1 マウス・ラット実験の倫理的な考え方

Ⅲ-2 マウス・ラット実験の法的規制

Ⅳ.種・系統の選択法

Ⅳ-1 マウスかラットか

Ⅳ-2 マウス系統の選択

Ⅳ-3 ラット系統の選択

Ⅴ.マウス・ラットの入手方法

Ⅴ-1 業者から購入可能なもの

Ⅴ-2 国内のリソースセンターから分与してもらうもの

Ⅴ-3 国外のリソースセンターから分与してもらうもの

Ⅴ-4 研究者に分与してもらうもの

第2章 基礎知識・取り扱い方【今井俊夫,落合雅子】

Ⅰ.飼育・実験に必要な基礎知識

Ⅰ-1 生物学的特性

Ⅰ-2 導入前の基礎知識

Ⅰ-3 導入時の基礎知識

Ⅱ.保定法

Ⅱ-1 用手的な保定

Ⅱ-2 器具を用いる保定法

Ⅱ-3 逸走した場合の対応

Ⅲ.個体識別(マーキング)法

Ⅲ-1 マーキング(耳介)

Ⅲ-2 マーキング(被毛)

Ⅲ-3 マーキング(尾)

Ⅲ-4 マーキングに使用する器具と麻酔の利用

第3章 研究のための飼育・管理の仕方

Ⅰ.飼育・管理と観察の仕方【庫本高志】

Ⅰ-1 動物実験に影響を与える因子

Ⅰ-2 SPF領域(バリア領域)への入退室と観察の仕方

Ⅱ.ケージ交換の基本とコツ【庫本高志】

Ⅱ-1 注意点と手順

Ⅲ.安楽死法【庫本高志】

Ⅲ-1 心構えと安楽死法の種類

Ⅲ-2 麻酔下での頸椎脱臼法

Ⅲ-3 炭酸ガスによる窒息

Ⅳ.死体処理の仕方【庫本高志】

Ⅳ-1 心構えと処理の実際

Ⅴ.胚や精子の超低温保存法【滝澤明子,小林俊寛,吉見一人】

Ⅴ-1 マウス・ラットの2細胞期胚の保存方法

Ⅴ-2 マウス精子凍結保存方法

Ⅵ.体外受精と胚移植【小林俊寛,吉見一人】

Ⅵ-1 マウス・ラットの体外受精方法

Ⅵ-2 マウス・ラットの胚移植方法

第4章 研究のための繁殖・交配【綾部信哉,水野沙織,吉木 淳】

Ⅰ.繁殖・交配の基礎知識と方法

Ⅰ-1 動物を導入する前に

Ⅰ-2 マウス・ラットの性周期と繁殖

Ⅱ.系統維持に必要な知識と交配方法

Ⅱ-1 代表的な系統の種類と交配方法

Ⅱ-2 系統の維持・交配に有用なその他の方法

Ⅲ.系統の維持の仕方と研究のための繁殖計画

Ⅲ-1 系統維持のための個体管理法

Ⅲ-2 研究のための繁殖計画

Ⅳ.ジェノタイピング(遺伝子型の判定法)

Ⅳ-1 DNAの抽出(マウス・ラット組織からのゲノムDNA精製)

Ⅳ-2 PCR反応

Ⅳ-3 アガロースゲルの作製

Ⅳ-4 電気泳動と染色

Ⅳ-5 ジェノタイピングの実例と注意点

Ⅴ.微生物モニタリング

Ⅴ-1 微生物モニタリングの意義

Ⅴ-2 感染症の成立過程

Ⅴ-3 微生物モニタリングの設計

Ⅴ-4 検査法と検体

Ⅴ-5 感染症が疑われる個体を発見したら

Ⅴ-6 糞便検体の採取

第5章 基本的な実験手法

Ⅰ.投与法【平川公昭】

Ⅰ-1 腹腔内投与法

Ⅰ-2 静脈内投与法

Ⅰ-3 経口投与法

Ⅰ-4 皮下投与法

Ⅰ-5 筋肉内投与法

Ⅱ.採血法【平川公昭】

Ⅱ-1 マウス・ラットの腹大動脈採血(全採血)

Ⅱ-2 マウス・ラットの尾静脈採血(一部採血)

Ⅱ-3 マウス・ラットの外頸静脈採血(一部採血)

Ⅲ.麻酔法【平川公昭】

Ⅲ-1 全身麻酔の種類

Ⅲ-2 腹腔内投与による全身麻酔

Ⅲ-3 吸入による全身麻酔

Ⅳ.解剖法【平川公昭】

Ⅴ.分子生物学的手法【庫本高志】

Ⅴ-1 ゲノムDNAの精製

Ⅴ-2 トータルRNAの抽出

Ⅴ-3 タンパク質の抽出

第6章 研究への応用・手法の紹介

Ⅰ.マウス・ラットでできること

Ⅰ-1 実験をはじめる前に【北田一博】

Ⅰ-2 初代培養【庫本高志】

Ⅰ-3 in vivoイメージング【庫本高志】

Ⅰ-4 移植実験【石田紗恵子】

Ⅰ-5 発がん実験【庫本高志】

Ⅰ-6 抗体作製法【北田一博】

Ⅰ-7 行動解析【石田紗恵子】

Ⅱ.トランスジェニックマウス(ラット)・遺伝子ターゲティングマウス作出【後藤元人,高橋利一】

Ⅱ-1 トランスジェニックマウス(ラット)の作出

Ⅱ-2 遺伝子ターゲティングマウスの作出

Ⅱ-3 トランスジェニックマウス,遺伝子ターゲティングマウスの使用上の注意

Ⅲ.ゲノム編集を用いた遺伝子改変マウス・ラットの作製【吉見一人,真下知士】

Ⅲ-1 ゲノム編集の原理

Ⅲ-2 受精卵でのゲノム編集

Ⅲ-3 Cas9およびgRNAの入手,設計

Ⅲ-4 ノックイン用ドナーDNAの設計,調製

Ⅲ-5 受精卵への導入法

Ⅲ-6 遺伝子改変動物作製支援

Ⅳ.便利なデータベース紹介とその使用法【吉見一人,真下知士】

Ⅳ-1 マウス系統を検索する

Ⅳ-2 ラット系統を検索する

Ⅳ-3 マウス・ラットの遺伝子情報を調べる

Ⅴ.便利な受託機関紹介とその使用法【吉見一人,真下知士】

Ⅴ-1 マウス・ラットを胚/精子で凍結保存する

Ⅴ-2 マウス・ラットの微生物検査(モニタリング)を依頼する

Ⅴ-3 マウスの特性解析を依頼する

付録❶ コピーして使える便利な付録

付録❷ マウス・ラット実験の便利な資料集【渡邊歩美,庫本高志】

付録❸ トラブルシューティング【北田一博】


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書籍情報

  • ISBN:9784758122627
  • ページ数:204頁
  • 書籍発行日:2023年3月
  • 電子版発売日:2023年4月8日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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