• ページ数 : 328頁
  • 書籍発行日 : 2021年5月
  • 電子版発売日 : 2023年5月26日
¥6,050(税込)
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商品情報

内容

最新の国際規格に完全対応! 安全のための報告事項のほか,植込み型医療機器に求められるMRI適合性への対応について記載を追加.MRI装置・周辺機器・医用材料などに関わるすべての方へ,MRIの安全教育と検査管理認証制度対応に必携のテキスト.

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序文

この「MRI 安全性の考え方」の第2 版が出版され,早7 年の歳月が経過した.2014年当時は条件付MR 対応植込み型不整脈治療機器の普及に伴い,当学会が日本医学放射線学会ならびに日本不整脈心電学会との協力のもと,施設基準および実施条件を整備し,周知に努めた時期であった.当時の顧問の上野照剛先生(東京大学名誉教授),編集委員長の中井敏晴先生(現・大阪大学歯学部)のご指導のもと,初版内容を充実させたものとしてMR 安全性の理解と向上に大きく寄与してきた.

その後,脳深部刺激装置をはじめとする条件付MR 対応医療機器の普及が急速に進むとともに,それらの機器のMR 適合性を示すデータベースも充実が図られてきた.2015 年にはMR 装置安全性の基本規格であるIEC60601-2-33(JIS Z4951)の第3.2 版が発行された.第1 次水準管理操作モードにおける静磁場強度上限が8T に引き上げられ,米国で7T 装置の臨床利用が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)に承認された.さらに2018 年には能動型機器のMR 適合性に関する基本規格であるISO10974 が第2 版へと更新されるとともに,受動型機器を対象としたASTM規格も頻回に更新され,能動・受動問わず体内機器のMR 適合性の獲得に貢献してきた.このような発展はしかし,検査現場における安全管理体制の強化を余儀なくするものであった.加えて2019 年には厚生労働省より「植込み型医療機器等のMRI 適合性にかかる対応について」が発出され,植込み型機器のMR 安全評価に関する情報の提示が促されるようになり,医療機器製造者を含めMR 安全性に対する関心が一層高まった.そして2020 年度診療報酬の医科点数算定要件として「MR 装置の適切な安全管理を行っていること」が明記された.これを受けて2021 年4 月より当学会と日本医学放射線学会の連携による安全管理施設認証制度を本格運用することとなった.

以上の背景を受け,この度,すべての施設におけるMR 安全管理のため,あるいはそれに供する安全教育の必携として,本書内容を一新した第3 版を纏めるに至った.前・理事長の青木茂樹先生(現・日本医学放射線学会理事長),前・編集委員長の中井敏晴先生をはじめ第2 版から引き続きご執筆いただいた先生方,新たに加わっていただいた先生方,前・安全性評価委員長の宮地利明先生,現・委員長の高橋順士先生,本書を企画し原稿を辛坊強くお待ちくださった学研メディカル秀潤社の方々,学会事務局スタッフなど,すべての関係諸氏に深い敬意と謝意を申し上げたい.

当学会の安全性評価委員会のテキストを前身として世に出た本書が,これからもあらゆる施設におけるMR 安全管理のため,礎となって役立つことを心より願うばかりである.


2021 年1 月

編集委員長・日本磁気共鳴医学会理事長
黒田 輝

目次

第1章 MRIの安全性

1 MRIの安全性─総論 中井 敏晴・青木 茂樹・山本 徹

1 はじめに

2 MR安全性の視点

3 MRの安全と倫理審査

4 行政におけるMR安全性に関する対応と対策について

5 MRの安全に関する国際的な取り組み

第2章 MRI装置の構造とイメージング原理

2-1 MRIの原理と装置の構成 三森 文行

1 はじめに

2 NMR現象とスピンの動き

3 MRIの原理

4 MRIのハードウェア

5 MRI装置のメンテナンス

2-2 7T MRについて 渡邉 英宏・R. Allen Waggoner

1 はじめに

2 7T MRの特徴

3 パラレルトランスミットアレイ

4 臨床用7T 装置の動向

第3章 電磁場の生体影響

3 電磁場の生体影響 山口 さち子

1 はじめに

2 生体と電磁場の相互作用

3 生体に対する短期的影響-静磁場

4 生体に対する短期的影響-変動磁場

5 生体に対する短期的影響-高周波電磁場

6 MR検査による健康影響に対する見解

7 おわりに

第4章 物性評価の基礎

4-1 磁化および磁化率の物理的な意味と測定方法 白川 直樹

1 はじめに:物質の磁性はMR安全性にどう関わってくるのか?

2 磁性の起源とその種類

3 磁化率などの単位と物理的な意味

4 磁化(率)の測定法

5 実際の測定例

6 おわりに

4-2 誘電率と導電率の物理的な意味と測定の方法 関野 正樹

1 誘電率と導電率の定義と物理的な意味

2 渦電流や発熱と誘電率・導電率との関わり

3 誘電率と導電率の基本的な測定法

4 生体組織の誘電率と導電率における特徴的な現象

5 主要な物質や生体組織の誘電率と導電率

6 人体の誘電率・導電率分布のモデル化

7 誘電率と導電率の画像計測

第5章 体内植込み医療機器のMR安全性評価

5-1 ASTM基準に基づくMR適合性評価 黒田 輝・八ツ代 諭

2 ASTMにおけるMR適合性規格

3 各評価試験の方法

4 まとめ

5-2 ISO/TS10974 第2版について 八ツ代 諭・黒田 輝

1 はじめに

2 IEC,ISO,IS,TSについて

3 ISO/TS10974

4 おわりに

5-3 体内植込み型デバイスのMR安全性データベース 藤原 康博・関口 麻衣子

1 はじめに

2 MR検査に求められるデバイスの情報とその利用

3 デバイスのMR安全性の情報源

4 医療機器のMR適合性検索システム

5 まとめ

第6章 IEC60601-2-33 に基づく安全性評価

6 IEC60601-2-33 に基づく安全性評価 丸山 克也

1 はじめに

2 IEC60601-2-33 第3.2版

3 今後の展開─第4版の変更

4 安全規格以外のIECによる規格

5 おわりに

第7章 パルスシーケンス設計とMRの安全性

7 パルスシーケンス設計とMRの安全性 押尾 晃一

1 はじめに

2 傾斜磁場とdB/dt

3 傾斜磁場設計の例

4 dB/dtのIEC基準

5 騒音

6 RFパルスのパラメータ

7 パルスシーケンス設計とSAR

8 まとめ

第8章 コイルの安全性評価

8 コイルの安全性評価 奈部谷 章

1 はじめに

2 MRにおけるRFコイルの役割

3 RFコイルの動作原理

4 RFコイルの電気的安全性

5 RFコイルの安全性(機構部分への配慮)

6 あとがき

第9章 MR検査室の設計と運用

9-1 MR施設の構造と安全 笹嶋 一大・小畠 隆行

1 はじめに

2 MR施設の基本構造

3 MR施設の設置計画

4 電波対策

5 磁場対策

6 ヘリウムガスに関する設備

7 空調,衛生設備の設計

8 電気設備の設計

9 防災に関する設計

10 安全管理における運用と設計

9-2 MR装置周囲のEMC(電磁適合性) 笹嶋 一大

1 はじめに

2 EMC

3 電磁適合性に関する規格と規制

4 MR装置のEMC対策

9-3 MR手術室の設計,運用と安全 田村 学・村垣 善浩

1 はじめに

2 MR手術室の運用形態

3 術中MR画像撮像の目的と適応

4 術中MRナビゲーション

5 MR手術室の設計と多種類のシステム

6 MR手術室の普及と具体的運用

7 手術機器・手術器具の「MRSafe」の考え方

8 危険を起こす要因

9 MR画像と手術機器の相互作用

10 安全管理

11 おわりに

第10章 MR安全運用のための法規と指針

10-1 医療機器の法規制とMRの使用の安全確保 鎮西 清行

1 はじめに

2 医薬品医療機器等法とは

3 医療機器のクラス

4 製造販売承認とは

5 医薬品医療機器等法によるMR装置の認証

6 MR装置の認証基準の要求項目

7 MR適合性に関する医薬品医療機器等法規制

8 市販後安全対策

9 医療機器プログラム:安全な使用のための留意点

10 まとめ

10-2 臨床MRI安全運用のための指針 平井 俊範

1 はじめに

2 安全管理体制

3 MR検査前の安全管理

4 MR検査中の安全管理

5 安全性情報の関連学会・関連行政機関への報告を行う体制整備

6 鎮静の必要な患者の安全管理

7 造影剤使用の安全管理

8 MR装置の品質管理

9 非常時の安全管理

10 おわりに

10-3 基礎研究MR安全運用のための指針 原田 雅史・小畠 隆行

1 はじめに

2 MR安全管理責任者の配置と業務

3 研究の審査について

4 撮像時の実際の手順について

5 利用条件

6 施設・装置の安全対策

7 非常時の具体的対応

8 MR実験関連の安全対策

9 従事者以外のMR検査室への入室

10 おわりに

10-4 MR装置の安全運用に関する全国多施設調査 平井 俊範

1 はじめに

2 調査方法および結果

3 調査結果に対する考察

4 結論

第11章 MR検査の実務と安全

11-1 MR検査を安全に行うために 𡈽井 司

1 はじめに

2 被検者誘導に関わる危険

3 磁場

4 高周波磁場(ラジオ波;RF)

5 検査室に入室する前に

6 おわりに

11-2 体内に医療器具,装置を留置した被検者の取り扱い

(1)強磁性体の影響と安全な検査 土橋 俊男

1 はじめに

2 強磁性体の影響

3 安全なMR検査

4 体内にインプラントなどの金属がある場合の検査の進め方

5 おわりに

11-3 体内に医療器具,装置を留置した被検者の取り扱い

(2)金属の発熱と安全な検査 村中 博幸

1 はじめに

2 インプラントの安全評価分類

3 インプラントを植込んだファントムのRF発熱評価の実例

4 電磁場解析による発熱シミュレーション

5 発熱危険度の予測

6 インプラントのRF発熱の抑制方法

7 おわりに

11-4 患者への対応,安全確認について 一臨床医の立場から一 平井 俊範・青木 茂樹

1 はじめに

2 適応

3 患者への説明,確認

4 MR対応デバイス

5 検査中の注意

6 造影剤副作用

7 検査報告

8 まとめ

第12章 造影剤の安全性

12-1 造影剤の構造と分類,薬理作用 吉川 宏起・嶋田 守男・奥山 康男

1 MR用造影剤の構造と分類

2 MR用造影剤の薬理作用(造影能)

3 MR用造影剤の臨床応用

4 MR造影剤の発展性

12-2 MR用造影剤の副作用 山田 直明

1 はじめに

2 MR用造影剤の副作用に関する全般的記述およびヨード造影剤との比較

3 NSF(腎性全身性線維症)の歴史

4 NSFの症状と診断

5 NSFの疫学

6 NSF発症の機序

7 NSFの治療と予防

8 おわりに

12-3 脳実質への造影剤の残存 神田 知紀

1 ガドリニウム造影剤

2 ガドリニウム造影剤の脳内残存

3 ガドリニウム造影剤の環境中への曝露

4 おわりに

12-4 造影剤と脳脊髄液の関係 長縄 慎二

1 はじめに

2 血液脳関門

3 血液脳脊髄液関門

4 静脈内投与されたGd造影剤はどこから脳脊髄液へ漏出するか

5 おわりに

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書籍情報

  • ISBN:9784059880004
  • ページ数:328頁
  • 書籍発行日:2021年5月
  • 電子版発売日:2023年5月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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