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CAR-T細胞療法のトリセツ チームCAR-Tでの取り組み 細胞療法運用学入門

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2023年8月
  • 電子版発売日 : 2023年8月10日
¥3,135(税込)
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商品情報

内容

注目の最新治療「CAR-T細胞療法」の本邦初となる解説書!

事前準備から細胞調製の実際,適応判断から投与後の合併症管理まで,紹介元施設やCAR-T実施施設で行うすべてのプロセスを,医師・看護師・臨床検査技師など多様な職種からなる本治療のトップランナー「京大病院『チームCAR-T』」が丁寧に解説.最新知見をふまえ,CAR-T細胞療法の将来展望についても解説.多職種が有機的に関わりあう細胞療法の運用・管理を体系的に捉える試みとして,筆者らが提唱する「細胞療法運用学」の実践入門書としても最適.

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序文

巻頭言

キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法が本邦においても臨床現場で用いられるようになり,ほぼ4年が経過しました.適応疾患も当初の悪性リンパ腫に加えて多発性骨髄腫にも広がり,従来の化学療法や放射線療法では太刀打ちできなかった難治性造血器腫瘍に対する治療は,大きな転換点を迎えています.

一方でCAR-T細胞療法は,重症のサイトカイン放出症候群への対処や長期にわたる寛解率向上など,当初より想定されていた課題もさることながら,各症例における適応判断やアフェレーシス枠の設定,ブリッジング治療,さらには投与タイミングの設定など,運用面においての病院間(CAR-T実施施設と紹介元施設)および病院内での連携も重要であることがわかってきました.このような連携は医療機関内(「学」)だけでなく,CAR-Tを販売する製薬会社(「産」),さらには再生医療等製品の製造販売承認を行う「官」の組織も巻きこむポテンシャルを有しています.そしてこの連携が円滑に進むことによってはじめて,CAR-T細胞療法を安心して患者さんに提案できるであろうと感じています.

そのような連携の第一歩として,CAR-T細胞療法をこれからはじめる施設,あるいはすでに実施している施設がその体制をより拡充する際に参考にしていただけるよう,本書を作成しました.CAR-T実施施設への紹介時に役立つ内容も各所に書かれていますので,紹介元の方々にも是非お目通しいただきたいと思います.また,「産」「官」の方々にも,「学」の現状を知っていただく上で,是非お手にとっていただければ幸いです.

各項目では,京都大学医学部附属病院でCAR-T細胞療法に携わる医師や看護師,薬剤師,臨床検査技師,臨床工学技士,リハビリ療法士,臨床研究コーディネーターなどが,これまでの経緯を踏まえた当院での現状を詳説し,今後の課題についても言及しています.当院でのここ数年の試行錯誤を紙面上で追体験いただき,各施設でよりよい運用を立ち上げ,CAR-Tをはじめとした細胞療法のさらなる発展につなげていただければ幸いに存じます.


2023年6月

京都大学医学部附属病院 病院長・血液内科教授
高折晃史


編者の言葉 ─「細胞療法運用学」の揺籃期に寄せて─

CAR-T細胞療法の実施においては,いかに手順の逸脱を防ぎ,最善の細胞を最良のタイミングで投与できるかという「運用面での最適化」が,極めて重要であると考えています.われわれがこのことにようやく気づいたのは,保険診療でのCAR-T細胞療法を開始して約半年たったころ,経験数として10〜20症例目のころでしょうか.

それ以降,新型コロナウイルスのパンデミックも含めた大小さまざまな課題に直面しましたが,ご紹介元の先生方の多大なご協力もあり,着実に症例集積とデータ解析を進めることができ,最適な運用を目指した試行錯誤を行ってきました.その甲斐もあり,当院におけるCAR-T細胞療法は当初の「お祭り騒ぎ」から「日常診療」へと舵を切り,毎週1回の採取と投与というペースで継続することができています.

この軌跡の中で,CAR-Tなどの細胞療法における「運用最適化」は,関連部署あるいは病院全体での業務改善や効率化の範疇を超え,より俯瞰的なサイエンスの見地からの対応が望ましい内容であると認識するに至りました.もはやこれは「細胞療法運用学」とでも呼ぶべきひとつの学問に値すると考え,一つひとつの検討をこの学問の骨格をなす研究と位置づけて精力的に取り組んでいます.そのような中で適応疾患や製剤種,実施可能施設が拡大するにつれ,当院と同じような課題への直面とそれに対する試行錯誤が全国的になされていることを知り,当院での経験と解決策をお役立ていただきたく,本書の出版を企画しました.

本書の構成としては,CAR-T細胞療法の時系列に沿って重要なトピックを順番に配置していますが,どの項目から読んでいただいてもすぐにご活用いただけるよう,各項は独立した記載になっています.また,執筆者の生の声をなるべく残すように組み立てています(原稿間の統一などの編集作業は最小限です)ので,さまざまな職種の医療スタッフがどのようなことを考えて日々の業務にあたっているのかを感じていただけると思います.CAR-T細胞療法において,非常に重要な役割を果たす「紹介元施設の皆様」に向けた項目もあります.

今回の出版にあたっては,沢山の方々にご協力いただきました.本企画の提案を即決でご承諾いただき,後押ししていただいた監修者の高折晃史先生,そして執筆に多くの時間を割いていただいたチームCAR-Tの各部門の専門家の先生方に深く御礼申し上げます.また,編集・出版作業をお引き受けいただいた中外医学社の皆様,特に,企画の段階からお世話になりました青木聡子さんにも,改めて深謝申し上げます.


2023年6月

京都大学医学部附属病院 検査部・細胞療法センター・血液内科 新井康之

目次

CHAPTER 1: CAR-T細胞療法の基礎知識

1-1造血器腫瘍における新規治療の必要

 1 造血器腫瘍発症のメカニズム〈高折晃史〉

   ・がん遺伝子の活性化とがん抑制遺伝子の不活化の機

   ・B細胞の分化成熟と発が

   ・B細胞腫瘍の特異性とCAR-T療

 2 B細胞腫瘍における化学療法の現状〈錦織桃子〉

   ・びまん性大細胞型B細胞リンパ

   ・濾胞性リンパ

 3 B細胞腫瘍における新規治療〈錦織桃子〉

   ・免疫チェックポイント阻害

   ・二重特異性抗体

   ・その他の新規治療薬

1-2CAR-Tの基本

 1 CAR-Tの構造とその作用機序〈城 友泰〉

   ・キメラ抗原受容体(CAR)の構造とCAR-T細胞

   ・CAR-T細胞の作用機序

 2 CAR-T臨床応用の歴史〈城 友泰〉

   ・CAR開発以前の免疫療法

   ・CARの初期開発

   ・CARの改良

   ・B細胞腫瘍に対するCD19標的CAR-T細胞療法の開発

   ・その他の標的抗原に対するCARの開発

 3 保険診療で使用可能な製剤とその特徴〈城 友泰〉

   ・CD19を標的とするCAR-T細胞療法

   ・BCMAを標的とするCAR-T細胞療法

CHAPTER 2: CAR-T細胞療法導入の準備

2-1採用準備と施設監査

 1 チーム立ち上げの必要性と各メンバーの役割〈新井康之〉

   ・細胞療法センターの設立

   ・チームCAR-Tの立ち上げと任務

   ・臨床現場におけるチームCAR-T内での情報共有

 2 施設維持のための文書管理〈松井恵子〉

   ・ノバルティスファーマ社によるGlobal Auditの経験から

   ・文書管理体系の確立

   ・施設維持のための手順書と記録書

   ・CAR-T細胞療法の実施のための文書管理

 3 FACTやISOに基づいたQMS〈松井恵子〉

   ・CAR-T細胞療法における医療機関の位置づけと品質管理

   ・FACTやISOに基づくQMS

   ・品質リスクマネジメント

2-2臨床現場での準備

 1 準備すべき手順書や記録書〈新井康之〉

   ・アフェレーシスに関する手順書・記録書

   ・細胞調製に関する手順書・記録書

   ・細胞取り扱いに関する手順書・記録書

   ・細胞投与やその後の経過観察に関する手順

   ・細胞療法運用全体に関する手順

 2 他施設や製薬会社との連携〈新井康之〉

   ・施設間連携の重要性

   ・製薬会社との連携の重要性

2-3適格性と患者選択

 1 保険診療上の適格性と施設における受入基準〈新井康之〉

   ・B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)

   ・悪性リンパ腫

   ・多発性骨髄腫

 2 患者紹介のタイミングと日程調整〈新井康之〉

   ・患者紹介の最適化

CHAPTER 3: アフェレーシスと細胞調製

3-1アフェレーシス

 1 リンパ球アフェレーシスの原理と手技〈吉田和広〉

   ・バスキュラーアクセス

   ・準備

   ・採取原理と採取の実際

   ・装置関連のトラブルシューティング

 2 アフェレーシスの計画と効率化〈城 友泰〉

   ・アフェレーシスの計画

   ・アフェレーシス効率化の取り組み

 3 CAR-Tアフェレーシス中の症状と患者観察

   ・アフェレーシスの合併症

   ・体動制限などによる安楽障害・ADL低下

3-2細胞調製

 1 単核球の分離と凍結〈丹羽紀実〉

   ・遠心

   ・上清除去

   ・凍結保護液作成

   ・凍結保護液添加,凍結バッグへの分注

   ・凍結

 2 アフェレーシス産物の品質管理と記録〈丹羽紀実〉

   ・アフェレーシス終了から単核球分離まで

   ・単核球分離中

   ・プログラムフリーザーでの凍結保存

   ・凍結保存終了から出荷まで

 3 CD3測定の標準化〈渡邉珠緒〉

   ・機器・要員の管理

   ・検査実施

CHAPTER 4: CAR-T細胞療法前の管理

4-1製造

 1 製造状況の確認と製造失敗の予測〈城 友泰〉

   ・製造状況の確認

   ・製造失敗の予測

 2 規格外製品治験の準備と運用〈松山倫子〉

   ・規格外製品とは何か

   ・規格外製品提供に関する規制

   ・規格外製品治験立ち上げのポイント

   ・スムーズな移行・実施のためのコツ

4-2投与前治療

 1 ブリッジング療法の内容とタイミング〈水本智咲〉

   ・化学療法の種類

   ・化学療法のタイミング

   ・放射線療法

 2 リンパ球除去化学療法と処方監査〈谷口理沙〉

   ・リンパ球除去化学療法の目的

   ・リンパ球除去化学療法の用法・用量とハイドレーション

   ・腎機能低下時の減量

   ・併用に注意する薬剤

CHAPTER 5: CAR-T細胞投与後の管理

5-1投与直後から急性期の管理

 1 投与管理と観察項目〈福田裕子〉

   ・CAR-T細胞療法の主な副作用

   ・投与管理

   ・副作用管理(観察項目)

 2 投与直後の観察と急性期対応〈諫田淳也〉

   ・サイトカイン放出症候群(CRS)

   ・免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)

   ・アナフィラキシー

   ・腫瘍崩壊症候群

   ・偽増悪(pseudo-progression)

 3 CAR-T細胞療法後のICU管理〈平松英文〉

   ・CAR-T細胞療法の臨床応用

   ・ELIANA試験における知見

   ・Tisagenlecleucelの市販後の評価

   ・CAR-T細胞療法の主たる合併症であるCRS

   ・ICU管理に対する準備

   ・重症CRSの経過とマネージメントの実際

 Column CAR-T療法後の重症化と集中治療〈甲斐慎一〉

5-2投与後中長期の対応

 1 治療効果判定と後治療〈北脇年雄〉

   ・大細胞型B細胞リンパ腫におけるCAR-T療法後の治療効果判定と後治療

   ・B-ALLにおけるCAR-T療法後の治療効果判定と後治療

   ・多発性骨髄腫におけるCAR-T療法後の治療効果判定と後治療

 2 血球減少と免疫不全〈北脇年雄〉

   ・CAR-T療法後の血球減少

   ・CAR-T療法後の免疫不全

 3 CAR-T細胞療法後のリハビリテーション〈濱田涼太〉

   ・リハビリテーション視点からのCAR-T細胞療法症例の特徴

   ・CAR-T細胞療法症例に対するリハビリテーション

CHAPTER 6: 細胞療法の未来

6-1構築すべきシステム

 1 細胞療法におけるデジタルトランスフォーメーション

   ・細胞療法におけるDXの例

   ・今後の課題

 2 細胞療法における医療安全〈山本 崇〉

   ・新薬に関するリスク

   ・集中治療室入室に関する体制

   ・説明および同意の取得に関する体制

   ・適応外使用に関する体制

   ・不具合に関する対応

 3 OJTに基づいた人材教育〈松井恵子〉

   ・OJTとは

   ・細胞培養加工施設(CCMT)での取り組み

   ・OJTとPDCAサイクル

   ・細胞療法を促進するために

6-2将来展望

 1 新規細胞療法の臨床開発〈深堀 理 中島貴子〉

   ・固形がんCAR-T療法の開発状況

   ・CAR-T細胞のoff-the-shelf製剤

   ・当院の取り組み,固形がん細胞療法チームの結成

 2 リアルワールドデータ解析による治療成績の向上〈新井康之〉

   ・臨床現場からのクリニカルクエスチョン

   ・投与後の凝固異常症

   ・投与後の電解質異常

   ・再発予測

 結びに

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書籍情報

  • ISBN:9784498225442
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2023年8月
  • 電子版発売日:2023年8月10日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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