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  • 先天性心疾患の手術<心臓血管外科手術エクセレンス⑤>[動画付き]

先天性心疾患の手術<心臓血管外科手術エクセレンス⑤>[動画付き]

  • ページ数 : 320頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2023年9月22日
¥30,800(税込)
ポイント : 560 pt (2%)
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商品情報

内容

複雑・多彩な先天性心疾患に対する様々な手術手技を立体的に理解できる!
Fontan手術対象例に対する手術,心室中隔欠損閉鎖術,両大血管右室起始症や房室中隔欠損症に対する心内修復術,先天性僧帽弁狭窄に対する弁形成術などについて,トップサージャンが術式選択から手技の実際まで具体的なコツと注意点をまじえて分かりやすく解説.さらなる向上を目指すための必携書です.

序文


私たちの目的は
“新たな循環を創造し,先天性心疾患児のQOL向上に貢献する”こと


先天性心疾患と後天性心疾患の外科治療は何が違うのか? 後天性心疾患の外科治療は,“元に戻す,または元の機能に戻す手術”が基本であるのに対して,先天性心疾患のそれは“元に戻す手術ではない”ことである.先天性心疾患の手術は,生まれつきの心臓条件に対応して“新たな循環をもつ心臓・血管系を創造する”手術である.

先天性心疾患の治療には,血管の閉鎖・再建や中隔欠損孔閉鎖などから,主要血管をさまざまな形態で再建する,はたまた適切に発生,発達できなかった部分が存在することを前提に新たな循環を創りあげるものまであるが,複雑な疾患をもつ心臓や血管を生きていくのに必要かつ適切な循環に仕上げるには,正常を理解したうえで正常と異なる病態を正確に把握し,小さいが故に要求される運針技術はもちろん,運針する組織の裏側の構造物にも注意を払いつつ三次元構造を適切に創る空間認識力も要求される.まさに,Knowledgeを積み重ねたScienceを背景に,Workを組み合わせてArtに仕上げる総合力が求められる,医療のなかでも最も挑戦的な外科分野のひとつである.必然的に,一人前になるにはより多くの努力と時間が必要で,しかも先人エキスパートが獲得したknow-howやエッセンスを共有するのが最も難しい分野とも言われている.

私がこの本で目指したのは,手術に臨む外科医が本当に必要としているエッセンスである“トップエキスパートの知識と経験に基づいた抽斗”を短時間で理解できるようにすること.容易でないと覚悟していた…が,最終校を手にしたとき,「この本は,小児・先天性心臓外科医の道を歩み始めた若手とエキスパートのエッセンスが欲しい中堅執刀医はもちろん,他のエキスパートの視点も入れてさらなる向上を目指す上級外科医にも自信をもって勧められる,今までと一線を画す本になる」と確信した.まさに,自らが獲得した重要なエッセンスを簡潔な文章と動画で次代に残すという覚悟で尽力してくれた“トップエキスパートの執筆者の思い”と,トップエキスパートとして実際に執刀してきた長田信洋先生が執筆者と緊密な連絡をとり何度も修正を加えて描きあげてくれた“目に見えない情報まで理解できる,今までにない細密手術画”の賜物であり,目的実現のために厭わずに対応してくれた中山書店編集部スタッフも含めた成果である.ここに,この本に関わってくれたすべての方々に改めて敬意と感謝を申しあげる.

最後に,この本を通して先人の抽斗を獲得した外科医が,心臓に課題を抱える方々のより良い人生を創造してくれることを祈念しつつ,巻頭の言葉とさせていただく.


2023年7月

門編集 坂本喜三郎
静岡県立こども病院

目次

1 準備手術

準備手術:総論 (井本 浩)

体肺動脈短絡手術(SPS):正中切開アプローチ (井本 浩)

体肺動脈短絡手術(SPS):側開胸アプローチ (落合由恵)

2 Fontan 手術対象例に対する手術

両方向性Glenn手術 (中野俊秀)

DKS手術 (和田直樹,高橋幸宏)

Fontan型手術:IVC Rerouting (中野俊秀)

Fontan型手術:TCPC Conversion (和田直樹,高橋幸宏)

3 心室中隔欠損閉鎖術

Perimembranous型VSD (和田直樹,高橋幸宏)

Subarterial型VSD (和田直樹,高橋幸宏)

Muscular VSD:Sandwich法による閉鎖術 (芳村直樹)

4 両大血管右室起始症に対する心内修復術

術式選択 (山岸正明)

Subaortic VSD Type (山岸正明)

5 房室中隔欠損症に対する心内修復術

術式選択 (坂本喜三郎)

Two-patch法 (坂本喜三郎)

Modified One-patch法 (笠原真悟)

Fallot四徴症合併例に対する心内修復術 (櫻井 一)

単心室の共通房室弁に対する修復術 (坂本喜三郎)

6 先天性僧帽弁狭窄に対する弁形成術

先天性僧帽弁狭窄に対する弁形成術 (笠原真悟)

7 大動脈縮窄, 大動脈弓離断に対する大動脈弓再建術

術式選択 (和田直樹,高橋幸宏)

側開胸による大動脈弓再建:Subclavian Flap法 (岸本英文)

胸骨正中切開による大動脈弓再建:EAA法,EEEA法,ESA法 (和田直樹,高橋幸宏)

8 Fallot四徴症(TOF)

術式選択 (平松祐司)

TransRA+TransPA法:肺動脈弁機能を温存する心内修復術 (平松祐司)

Conotruncal Repair法 (黒澤博身)

9 肺動脈閉鎖を伴う心室中隔欠損に対する手術

術式選択 (猪飼秋夫)

肺動脈縮窄に対する乳児期肺動脈形成術 (坂本喜三郎)

MAPCA(-)例に対する心内修復術 (猪飼秋夫)

MAPCA(+)例に対する-期的Unifocalization心内修復術 (猪飼秋夫)

10 総肺静脈還流異常に対する修復術

病型分類と術式選択 (芳村直樹)

Ⅰ型,Ⅲ型に対するConventional法 (芳村直樹)

Ⅱa型に対する左房後壁転位術 (山岸正明)

Primary Sutureless 法 (大嶋義博)

11 大血管転位に対する修復術

術式選択 (佐野俊二)

大血管スイッチ手術 (佐野俊二)

壁内走行冠動脈に対するMee法 (麻生俊英,益田宗孝)

肺動脈狭窄合併例に対するRastelli手術 (中野俊秀)

肺動脈狭窄合併例に対するNikaidoh 法:Pivot法を用いたDouble Translocation (坂本喜三郎)

肺動脈狭窄合併例に対するHTTS手術 (山岸正明)

12 修正大血管転位

手術適応と術式選択 (市川 肇)

ダブルスイッチ手術:Senning手術を中心に (市川 肇)

DSO変法手術(Hemi-DSO) (角 秀秋)

Conventional Rastelli手術 (黒澤博身)

13 総動脈幹症

術式選択 (佐野俊二)

弁形成(-)例に対する一期的修復術 (鈴木孝明)

総動脈幹弁閉鎖不全症に対する手術法:Mee法 (佐野俊二)

14 先天性大動脈弁狭窄

術式選択 (坂本喜三郎)

自己弁温存弁形成術 (佐野俊二)

弁尖の延長,置換を用いた修復術 (坂本喜三郎)

Ross手術 (桑原優大,高橋幸宏)

Konno手術 (黒澤博身)

15 大動脈弁上狭窄

術式選択 (猪飼秋夫)  大動脈弁上狭窄の修復術:Brom法 (猪飼秋夫)

16 左心低形成症候群(HLHS)

術式選択 (佐野俊二)

初回一期的Sano手術 (佐野俊二)

両側肺動脈絞扼+PDAステント留置後のNorwood手術 (鈴木孝明)

17 PPS,PAIVS

術式選択 (岸本英文)

準備手術:肺動脈弁裂開術と体肺動脈短絡手術 (岸本英文)

RV Overhaul (佐野俊二)

18 Ebstein病

術式選択,Modified Starnes手術 (麻生俊英)

三尖弁修復術:Cone手術 (角 秀秋)

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書籍情報

  • ISBN:9784521744810
  • ページ数:320頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2023年9月22日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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