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- 臨床画像 2017年4月号 最近のがんの核医学診療
商品情報
内容
序文
序説
筆者が25年前に核医学に従事するきっかけは,遠藤啓吾先生(現 京都医療科学大学学長)の熱心なご指導もあり,RI標識薬剤の基礎研究,がんのベッドサイドでの個別化治療までを担うRIを用いたがん診療を志したためである。現在の状況を見ると,まさしく思い描いた未来となっており,核医学の歴史とともに自分のキャリアを歩めたことに感謝している。
がんのPET診断領域で気になる最近の話題では,免疫チェックポイント阻害剤とよばれるオプジーボ®(一般名:ニボルマブ)が,肺がん(切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん)で承認されたことである。年3,000万円以上かかる超高額薬が多くの患者に健康保険を使って投与されれば,保険財政への大きな負担になり,適切な症例選択が重要である。PETでの代謝変化で,早期の効果判定を行い,治療中止や変更などを適切に選択することができれば朗報であろう。
RI治療薬の分野では,昨年より,骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して治療効果が期待できる,わが国初のα線放出RI治療薬ゾーフィゴ®静注(223Ra)は保険承認され使用が開始された。また,2014年よりミュンヘン工科大学では,難治性去勢抵抗性前立腺がんに対する177Lu–PSMA治療も臨床研究が開始され,PSA寛解に達する症例も報告されるなど,有効な治療として期待されている。国内に目を向けても,211At–MABGの悪性褐色細胞腫への治療も基礎検討が進んでおり,今後の独自の発展を期待したい。
これら,有望なRI治療薬の開発が進む一方,わが国への導入は,十分スムーズに進んでいるとはいいがたい。希少疾患ではあるが,RI治療を必要とする患者に,海外で有効性の認められた放射性医薬品を,速やかかつ安全性の担保された形で取り入れていくことも重要であり,高度先進医療,医師主導治験などのこの方面での役割は大きい。海外とのギャップを補う一時的な方法として,海外医療機関とのNPO法人を通じた診療連携も海外とのギャップを埋める活動として重要である。
本特集では,上記のような意図より,核医学の基礎研究,臨床研究,高度先進医療,海外医療機関との診療連携などの分野をきわめられている執筆陣にご無理をお願いしてご寄稿いただいている。初期研修で核医学に携わる初学者から専門医まで,幅広い先生方に刺激を送ることのできる特集になったと思われる。
群馬大学大学院医学系研究科 放射線診断核医学 樋口徹也
目次
特集:最近のがんの核医学診療−その進歩とこれから
序説/樋口徹也
新規トレーサー開発による分子画像診断−今後の医療への応用と展望−/花岡宏史ほか
211At-MABGによる悪性褐色細胞腫の治療−その基礎的検討と今後の展望−/大島康宏
PSMA治療−その現状と今後の日本での臨床使用への展望−/岡本祥三ほか
イメージングバイオマーカーとしてのPET−分子標的薬による肺がん診療における活用と可能性−/解良恭一
去勢抵抗性前立腺がん骨転移に対する223Ra α線内用療法/絹谷清剛
新規RI治療薬の保険適用を目指した医師主導臨床試験の現状−131I MIBG標的アイソトープ治療例を含めて−/吉永恵一郎
68Ga-DOTATOCによる神経内分泌腫瘍診断−国内広域ネットワークでのPET臨床研究の現状と今後の展望−/中本裕士
当院における海外患者紹介ネットワーク構築の現状−切除不能神経内分泌腫瘍に対するペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)をとおして−/小林規俊ほか
Current Topics
・エンドリークの診断と治療
序説/田島廣之
1 疾患概念と診断の実際/中井資貴ほか
2 カテーテル治療/本郷哲央
3 エンドリークに対する直接穿刺アプローチを用いた塞栓療法について/片田芳明
連載
・今月のKey findings [13]
腹部・骨盤部領域①/島田健裕ほか
・特集アドバンストコース 2017年1月号特集]
サルコイドーシス:疾患概念と最新の画像診断/木村文子
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書籍情報
- ISBN:9784008003704
- ページ数:116頁
- 電子版発売日:2023年10月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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