- m3.com 電子書籍
- レジデントノート2025年3月号 Vol.26 No.18 救急・外来の検査 何を選ぶ?どう活かす?
商品情報
内容
適切な検査オーダー,できていますか?意識障害や胸痛などよく出合う症候ごとに,病歴 診断の流れの中での検査計画の立て方,検査結果の解釈,診断の考え方を症例を交えて丁寧に解説.指導医の思考過程が学べます
≫ 「レジデントノート」最新号・バックナンバーはこちら
≫ 「レジデントノート」年間購読、受付中!
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
「購入済ライセンス一覧」よりオンライン環境でPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
序文
特集にあたって 検査結果から逆に考えていませんか?
医学部における臨床実習はしだいに実践的となってきていますが,それでも研修医の皆さんは,医師免許をもって担当患者さんに診断や治療を行うことは実習とは真剣度が全く異なると感じていると思います.輸液の処方,感染症への対応,そして臨床検査の上手な利用法を身につけることは,研修医時代に1 つハードルを越えておく必要がある事項で,将来どの領域に進むにしても重要な基礎力だと私は考えています.そのなかでも臨床検査の上手な利用法は卒前に習得が困難なことの1 つですが,診療においては大きな比重を占めるため,初期研修の時期にぜひとも実際的な勉強をしておいていただきたいと思います.
臨床検査の利用法を学習する方法として,RCPC(reversed-clinicopathological conference)があります.もしかすると学生時代に経験したという方もいるかもしれません.RCPCは年齢,性別とごく簡単な病歴と検査結果からその患者さんの病態や診断を推測するという学習法で,検査項目の一つひとつを丸暗記するのではなく,それぞれの関係性も含みながら意義と限界を学ぶことができます.診断を当てるクイズではないため実際の患者さんとは異なる結論が出ることもありますが,これは患者さんの病歴や身体所見がないと臨床検査の有用性が発揮できないというRCPC の重要な学習ポイントでもあります.
さて,臨床検査は電子カルテ上で項目をクリックさえすればいくらでも実施できてしまうという,思考停止の誘惑が多い領域です.皆さんは日々の診療のなかでRCPC をしてしまっていないでしょうか? 思いつく検査を手当たりしだいに実施して,検査結果から逆に考えていないでしょうか?適切な検査オーダーには検査前確率の見積もり,すなわち鑑別診断とその優先順位付けが不可欠です.研修医の皆さんには,鑑別診断とその優先順位付けをきちんと行ったうえで,丁寧に検査オーダーをする思考回路と習慣を身につけていただきたいと思います.これらの思考回路を経ずにオーダーした検査結果からは患者病態の誤った把握が起こり,診療自体に悪影響を与える可能性があります.病院では診療効率化のためにセット検査を利用する場合がありますが,最初からこれを用いる習慣をつけてしまうと,必要な項目が抜けてしまったり,あるいは意義の低い検査を多数行ってもそれに違和感を感じない医師になってしまいます.セット検査は,先に述べたように丁寧な思考回路を経たうえで利用可能であれば利用するというスタンスでとらえておいてください.
本特集は,研修医が救急外来や初診外来で遭遇する機会が多い症候について,症候学,鑑別診断,検査項目をバラバラに学ぶのではなく,病歴,鑑別診断から検査オーダー,そして診断を一連のものとして学んでもらうことを目的として企画しました.執筆してくださっているのは,豊富な臨床経験と堅牢な思考過程をおもちで,かつ指導医として研修医に近い立ち位置で日々仕事をされている先生方です.救急外来あるいは初診外来で研修医がよく遭遇する,あるいは見逃してはならない症候の症例をあげていただき,検査の前に鑑別診断をあげてどのように優先度をつけているか,鑑別診断に基づき,検査の迅速性や保険診療上の制限なども加味したうえでどのように検査計画を立てるのか,そして鑑別診断と優先度,検査結果が揃ったときに,どのように解釈し患者さんへの治療に至るのか,という,すべてが結びついて無駄なく流れていく診療の過程を披露していただいています.
研修医の先生方が本特集を読んで臨床検査の上手な利用法を身につけるきっかけを得ていただければ幸いです.
上原由紀
目次
特集 救急・外来の検査 何を選ぶ?どう活かす?~症候別に学ぶ、無駄なく適切に検査を使うための思考過程
編集/上原由紀(藤田医科大学医学部 感染症科)
特集にあたって ~検査結果から逆に考えていませんか?【上原由紀】
救急外来の検査
「意識障害」で来院した患者さん【坂本 壮】
「頭痛」で来院した患者さん【中林隼斗,桑名 司】
緊急疾患から考える「胸痛」【植田秀樹,渡瀬剛人】
「腹痛」で来院した患者さん【小森大輝】
「嘔吐」で来院した患者さん【岸田直樹】
初診外来の検査
「全身倦怠感」で来院した患者さん【鈴木崇文,志水太郎】
「体重減少」で来院した患者さん【小泉文乃,齋田瑞恵】
「呼吸困難」で来院した患者さん【西澤俊紀,有岡宏子】
「便通異常」で来院した患者さん【髙瀬了輔,大塚文男】
「関節痛」で来院した患者さん【陶山恭博】
連載
実践! 画像診断Q&A―このサインを見落とすな
発熱が持続するICU入室中の50歳代男性【井上明星】
発熱と頸部リンパ節腫脹を認めた90歳代女性【早稲田優子】
臨床検査専門医がコッソリ教える…検査のTips!
第96回 腫瘍マーカーはどんなときに検査するの!?【藤井智美】
最終回 内科病棟診療のためのPractice-Changing Evidence Part2 いつもの診療をアップデート
第10回 結晶誘発関節炎治療のアップデート【鈴木智晴】
よく使う日常治療薬の正しい使い方
基礎からわかる降圧薬の使い方 ~いつから,何から,どう選ぶ?【鈴木恵綾】
考え方と動き方がゼロからわかる 救急で必要な精神科対応
第4回 自殺未遂患者の対応と精神科転院【北元 健】
こんなにも面白い医学の世界 からだのトリビア教えます
第126回 臓器移植でドナーの心も移植されるのか?【中尾篤典】
レジデントと今井先生の救急当直振り返りカンファ
第7回 口内びらん治療中に嘔吐して倒れた【今井裕一,春日仁志】
Step Beyond Resident
第251回 急性呼吸困難 Part1 ~すばやく動き,広く鑑別しよう~【林 寛之】
メ~太と学ぶ 問診わくわく☆レクチャー
episode 5 病歴を具体化しよう ③ 曝露歴を明らかにする ~発熱と黄疸が出たネコ【小栗太一】
羊土社おすすめ書籍立ち読みコーナー
『医師の「できたらいいな」を叶える!ChatGPT仕事革命』
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
- 全文・
串刺検索 - 目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
- PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
- 南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:31.1MB以上(インストール時:66.5MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:124.5MB以上
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:31.1MB以上(インストール時:66.5MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:124.5MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784758127301
- ページ数:154頁
- 書籍発行日:2025年2月
- 電子版発売日:2025年2月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。