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安楽死を考えるために 思いやりモデルとリベラルモデルの各国比較

  • ページ数 : 116頁
  • 書籍発行日 : 2023年11月
  • 電子版発売日 : 2023年11月14日
¥2,860(税込)
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商品情報

内容

安楽死法や支援自死を法律で許容する国はなぜ増えているのか?導入されている国々の安楽死法を基礎づけている「人間の権利」や,さらにはその権利の根底にある道徳原則について,各国事例の詳細な分析から安楽死の法・原理の鳥瞰図を具体的に描き出し,我が国にとって,安楽死法はどうあるべきかをじっくりと議論する上での有益な情報を提供する.

序文

はじめに


『済まない.どうぞ堪忍してくれ.どうせなほりさうにもない病気だから,早く死んで少しでも兄きに楽がさせたいと思つたのだ.笛を切つたら,すぐ死ねるだらうと思つたが息がそこから漏れるだけで死ねない.深く深くと思つて,力一ぱい押し込むと,横へすべつてしまつた.刃は飜こぼれはしなかつたやうだ.これを旨く抜いてくれたら己は死ねるだらうと思つてゐる.物を言ふのがせつなくつて可いけない.どうぞ手を借して抜いてくれ』と云ふのでございます.弟が左の手を弛めるとそこから又息が漏ります.わたくしはなんと云はうにも,声が出ませんので,黙つて弟の喉の創を覗いて見ますと,なんでも右の手に剃かみ刀そりを持つて,横に笛を切つたが,それでは死に切れなかつたので,其儘剃刃を,刳えぐるやうに深く突つ込んだものと見えます.……『医者がなんになる,ああ苦しい,早く抜いてくれ,頼む』と云ふのでございます.

(森鷗外『高瀬舟』森鷗外選集第5巻,岩波書店,1979年所収)

……ここに病人があつて死に瀕して苦んでゐる.それを救ふ手段は全くない.傍からその苦むのを見てゐる人はどう思ふであらうか.縦たとえ令教のある人でも,どうせ死ななくてはならぬものなら,あの苦みを長くさせて置かずに,早く死なせて遣りたいと云ふ情は必ず起る.ここに麻酔薬を与へて好いか悪いかと云う疑が生ずるのである.其薬は致死量でないにしても,薬を与へれば,多少死期を早くするかも知れない.それゆゑ遣らずに置いて苦ませてゐなくてはならない.従来の道徳は苦ませて置けと命じてゐる.しかし医学社会には,これを非とする論がある.即ち死に瀕して苦むものがあつたら,楽に死なせて,其苦を救つて遣るが好いと云ふのである.これをユウタナジイといふ.楽に死なせると云ふ意味である.高瀬舟の罪人は,丁度それと同じ場合にゐたやうに思はれる.私にはそれがひどく面白い. (森鷗外『附高瀬舟縁起』同前所収)

森鷗外が医学社会にあるという「楽に死なせて,其苦を救つて遣るが好い」というユウタナジイ,鷗外はこれを「甘瞑(かんめい=安く死する謂のみ)」と訳しているのだが,このユウタナジイの論理と倫理を本書では明らかにしたい.そうすれば,苦しむ弟の頼みで,咽笛に深く突っ込んでいる剃刃を引いた喜助の心もすこしは晴れるというものだ.

目次


第1章 オランダの安楽死と法

第2章 オランダ安楽死法と倫理

第3章 安楽死法アトラス――思いやりモデルとリベラルモデル 

第4章 子どもの安楽死——非自発的安楽死

資料1 世界の終末期医療の最新データ

資料2 世界の安楽死法の比較表

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書籍情報

  • ISBN:9784621308660
  • ページ数:116頁
  • 書籍発行日:2023年11月
  • 電子版発売日:2023年11月14日
  • 判:四六判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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