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- 小児看護2025年3月号(48巻3号)小児看護とこども・家族を支える仕組みつくり;診療報酬から政策提言まで
商品情報
内容
近年、医療的ケア児支援法の施行やこども家庭庁の発足など、こどものためのさまざまな施策が始まっており、看護師自身が医療に関する政策へ参加することが求められてきている。本特集では、診療報酬改定を代表としたこれまで看護師がかかわった政策提言と、臨床の現場にある制度の課題などを紹介する。将来、看護師・こども・家族を支える制度が“あたりまえ”となることを目指して、看護師自身が考えるための一冊。
序文
特集にあたって
みなさんがこどもや学生のころ,または看護師として働き始めたころを思い出してください。今では“あたりまえ”に行われていることで,「そんなの無理でしょう,課題が多くてできない」と言われていたことが世の中には多くあると思います。例えば,公共の場での喫煙に対する考え方,車いすで交通機関を利用する体制,環境問題の意識とごみの減量化などは大きく変化しました。小児看護領域でいえば,病気や障がいのあるこどもが家庭で家族と一緒に過ごす,同年代の友達と一緒に学校で学んだり遊んだりすることは少し前まで“ あたりまえ” ではありませんでした。
日本小児看護学会で診療報酬に関する検討が始まった2014年当時,看護職にとって診療報酬を含む仕組みや小児医療に関する政策について,自分ごととしてとらえられていないという状況でした。本誌の2014年8月号『小児看護と診療報酬;知識を身につけて実践に生かそう!』は,「小児看護と診療報酬はどのようにかかわっているのか,明確に説明できる人は少ないであろう」(日沼千尋)という書き出しで始まっています1)。この課題について変えていきたいと,日本小児看護学会診療報酬検討委員会が目指したことが企画の背景にありました。
その後,こどもや家族を取り巻く社会状況は大きく変わり,2015年3月に少子化社会対策大綱が定められ,2016年の子ども・子育て支援法の改正,2021年の医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行などが現場に大きく影響を与えました。近年では,2023年にこども家庭庁が発足し,同年にはこども基本法が制定されるなど,わが国の中心的施策としてこどもと家族を支えていく仕組みつくりが活発に議論されているなかで,看護職にとっても診療報酬や政策が身近になりつつあります。またこのような動きを受けて,小児看護に携わる看護職が実践する場も多岐にわたるように変化しています。
これらの変化,つまり今の“ あたりまえ” は自然にできたことではなく,「なにかおかしい,仕組みを変えないといけない」と気づいた人がいて,そのフロントランナーが“ あたりまえ” を変えてきたのではないでしょうか。
本特集では,医療の現場だけでなく,こどもと家族が過ごすさまざまな場で活躍する看護職として,現状/仕組み,課題,そして将来的にどのような仕組みつくりを目指したいか,考える機会にしたいと思います。こども・家族を支える仕組みつくりを一緒に考えて,未来の“ あたりまえ”をつくる一歩を一緒に踏み出しましょう。
萩原綾子 Hagiwara Ayako
神奈川県立精神医療センター副院長兼看護局長,
日本小児看護学会診療報酬検討委員会委員長/
小児看護専門看護師
【文献】
1) 日沼千尋:子どもたちの療養環境は診療報酬によって決まる.小児看護 37(9):1105,2014.
目次
小児看護とこども・家族を支える仕組みつくり 診療報酬から政策提言まで
編集:萩原綾子
【カラーグラフ】
医療的ケアを必要としても,重い障害があっても,安心して育ち暮らせる未来をつくる;医療的ケア対応「すくすくハウス」の取り組み 大久保夏樹
【特集にあたって】
未来の“ あたりまえ” をつくろう 萩原綾子
【知っておきたい知識】
①こどもの看護をシステムから支えたい;日本小児看護学会の取り組み2025 萩原綾子
②診療報酬改定のプロセスと看護とのかかわり 小野田 舞
③診療報酬検討委員会における約17年間の取り組みと実績 西田志穗
【こどもと家族が過ごす場の現状と仕組み,課題,そして未来】
①入院するこどもと家族にかかわる診療報酬改定;こどもにとってのよりよい療養環境に向けて 福地麻貴子,他
②外来に通院するこどもと家族にかかわる看護の実際と課題 山本光映,他
③診療所を受診するこどもと家族にかかわる診療報酬改定;時間外対応加算の電話相談における看護師の役割獲得 二星淳吾
④訪問看護サービスを受けているこどもと家族の現状と課題 福田裕子
⑤福祉・療育・教育・保育を受けるこどもと家族にかかわる支援の仕組み;MEPL による学校看護師配置 木内昌子
⑥就学前施設に通う乳幼児と家族を支える看護の仕組み 鈴木千琴
⑦児童発達支援・放課後等デイサービスを利用するこどもと家族にかかわる現在の課題;重症心身障害児の地域での子育ちと子育て 椿 祥子
⑧施設に入所しているこどもと家族にかかわる障害福祉サービスの課題と将来 市原真穂,他
【未来に向けて仕組みを変えていこう!】
①診療報酬改定に向けた取り組み;成人移行支援の現状と体制の構築 水野芳子
②小児慢性特定疾病の患者に対する療養支援の充実に向けた取り組み 関根弘子
③医療的ケア児への呼吸ケアチーム介入;現在の取り組みと課題 浜根 舞,他
④排泄障害のあるこどもと家族への支援;こどもの慢性便秘についての診療ガイドライン作成に関する取り組み 西田みゆき
⑤「付き添い入院」の課題について大きな一歩を踏み出す 萩原綾子
【関連論稿】
看護職が声を上げていく大切さ;政策提言を通したこどもの環境つくり 日沼千尋
連載
心が歌えば,世界が揺れる㊹
「怖い」も成長のうち 佐藤聡美
むかしといまを繋ぐ知恵;故事・ことわざ・名言をたずねて㉝
冬来たりなば春遠からじ;寒い冬のあとには暖かい春がやってくる 幸せなときはもうすぐそこだ 磯崎三喜年
あまの橋架け;病院にかかわるみんなのコミュニケーション㉙
都道府県における医療政策への関わり 阿真京子
医law 医law な関係(142)
気管切開カニューレの使用に関する療養指導義務 粟野公一郎
ひとりごとスケッチ(102)
チューリップ 土田菜摘
かれいどすこーぷ(146)
昭和の「無駄」「不自由」を懐かしむ 小鳥遊遊鳥
看護系絵本堂(146)
てんじつき さわるえほん;さわるめいろ 谷口あけみ
特別寄稿
医療的ケア児・重症心身障害児とその家族,看護職・看護学生との交流イベント
【後編】家族と看護職における関係性づくりの 重要性 門元記子,他
医療的ケア児のケアをつないでいくために
『いい顔ひろがる 医療的ケア児 ケアポケットブック』に寄せて 小林瑞穂,他 382
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書籍情報
- ISBN:9784012204803
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2025年3月
- 電子版発売日:2025年2月20日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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