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泌尿器外科 2025年3月号(Vol.38 No.3)【特集】ポストコロナで一変!「性感染症」を再認識せよ

  • ページ数 : 88頁
  • 書籍発行日 : 2025年3月
  • 電子版発売日 : 2025年3月19日
¥3,410(税込)
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商品情報

内容

【特集】ポストコロナで一変!「性感染症」を再認識せよ
性感染症の動向〜 SNS・出会い系サイト・インバウンドはどのような変化をもたらしたか?/梅毒診療のイロハ─泌尿器科医の立場から─/梅毒診療の最近の話題─産婦人科医の立場から─ ほか

序文

序文


しばらく,性感染症については泌尿器外科の特集で取り上げられませんでした。最近では大学病院はもちろん,基幹病院でも性感染症を診療することはほとんどなくなりました。一方で,診療所やクリニックなどではいまだに重要な疾病であり,特に若い先生方はアルバイト先でもしばしば見かけるのではないでしょうか。そう思って成書を開くと,以前勉強したこととだいぶ異なっていることが書かれていました。

その意味で,一から学べるような企画があってもよいと思い,今回特集として取り上げることにいたしました。今回は,東京大学の亀井潤講師にアドバイスをいただきながら項目立てさせていただきました。

最初に札幌医科大学の髙橋聡先生に性感染症の動向について解説いただきました。コロナ禍にかかわらず,梅毒は増加傾向,性器クラミジア感染症,淋菌感染症は微増傾向ということでした。特に梅毒は2000年759人,2010年621人だったのが2020年5,867人,2022年13,220人と最近急増していることは衝撃的でした。SNSを介した出会い系サイトの影響は大きいようです。

井口腎泌尿器科の荒川創一先生には泌尿器科医が知っておくべき梅毒の新しい考え方についてわかりやすく解説いただきました。また症例を4つ提示いただきましたが,症状が多彩であることがよくわかりました。あらためて梅毒のイロハを勉強させていただきました。

日本大学産婦人科の川名敬先生には産婦人科医の立場から梅毒について解説いただきました。女性の患者が増加し,梅毒合併妊婦が増加,それに伴って先天梅毒も増加しているということです。世界的にも年間60万人の先天梅毒児が生まれているということからも大きな問題であることがわかりました。母子感染予防のための治療について書かれていましたが,適切な経口ペニシリン薬投与でも母子感染を予防しきれないというのも解決すべき問題であると思いました。

以上が梅毒のテーマですが次は淋菌感染症について島根大学の和田耕一郎先生に解説いただきました。

コロナ禍以降の淋菌感染症の動向(特に男女比があまり変わらないことの考察が面白い),診断,治療について書かれています。診療で注意すべき点(非淋菌性尿道炎の合併),パートナーの治療,メンタルケアなどにも言及されており,勉強になりました。

非淋菌性尿道炎については産業医科大学の松本正広先生に解説いただきました。非淋菌性尿道炎の原因微生物は培養が難しく,核酸増幅法により検出する。核酸増幅法は通常外注であり,結果が出るまで日数がかかるため,エンピリックに治療を開始すること,必ずしもすべての検査が保険適用になっていないこと,などいくつかの問題点が提示されています。

ヒトパピローマウイルス感染症についてはキッコーマン総合病院の鈴木基文先生に解説いただきました。尖圭コンジローマ,子宮頸がんとHPVワクチンの解説あとに性の健康医学財団が行ったHPVに関連する全国調査の概要を説明いただきました。HPVの現状を知るうえでとても貴重な資料と思います。

性器ヘルペスは富山大学の桧山佳樹先生に解説いただきました。最近は単純ヘルペスウイルス1型も多く分離されるということでした。症状,診断,治療について書かれています。ここでもパートナーへの対応が重要であることが書かれていました。

最後は性感染症領域での予防投与について東京大学の亀井潤先生に解説いただきました。細菌性STIに対する予防内服,HIV感染症に対する予防内服について詳しく書かれています。特に前者ではRCTが4つもあったのが驚きでした。ただし,両者とも日本の保険診療の適応ではないことは注意すべきです。

今回は,久しぶりの性感染症の特集ということですが,ポストコロナ禍にあって新鮮な話題ではないかと思います。執筆していただきました諸先生方にあらためて感謝を申し上げるとともに,これが読者の方々の今日からの臨床に役立ったものとなることを心から願っております。


東京大学医学系研究科泌尿器外科学講座
久米 春喜

目次

特 集 ポストコロナで一変!「性感染症」を再認識せよ

序文

東京大学医学系研究科泌尿器外科学講座  久米 春喜

性感染症の動向~SNS・出会い系サイト・インバウンドはどのような変化をもたらしたか?

札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座  髙橋 聡

梅毒診療のイロハ─泌尿器科医の立場から─

井口腎泌尿器科  亀有 荒川 創一

梅毒診療の最近の話題─産婦人科医の立場から─

日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野  川名 敬

ポストコロナの淋菌感染症に対する診療

島根大学医学部泌尿器科学講座  和田耕一郎

非淋菌性尿道炎(クラミジア感染症・マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症)

産業医科大学若松病院泌尿器科  松本 正広

ヒトパピローマウイルス感染症

キッコーマン総合病院泌尿器科  鈴木 基文

性器ヘルペス

富山大学学術研究部医学系 腎泌尿器科学講座  桧山 佳樹,他

性感染症領域における予防投与

東京大学医学系研究科泌尿器外科学講座  亀井 潤

症例報告

腎洞内に発生し診断に難渋した腎血管筋脂肪腫の1例

市立吹田市民病院腎臓泌尿器科  飯盛 孝平,他

巨大水腎症に対して腹腔鏡下右腎摘除術を施行した1例

刈谷豊田総合病院泌尿器科  藤本 将史,他

静脈石と尿管結石の鑑別にてDual Energy CTが有用であった1例

三愛病院泌尿器科  岡野 由典,他

地方会

第209~211回 日本泌尿器科学会信州地方会

第640~645回 日本泌尿器科学会東京地方会

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書籍情報

  • ISBN:9784865176308
  • ページ数:88頁
  • 書籍発行日:2025年3月
  • 電子版発売日:2025年3月19日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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