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- 皮膚病診療 Vol.47 No.4 【特集】手こずる皮膚病とありふれた皮膚病
商品情報
内容
(山本 俊幸 編集委員)
いまの時代であっても手こずる皮膚病にはどんなものがあるか、治療のアンメットニーズを考えると、バイオ製剤の保険適用をもたない疾患にどう対処するかという課題が浮き彫りになってきます。今号の特集「手こずる皮膚病とありふれた皮膚病」では、疣贅や手湿疹、臍の皮膚病のほか、口腔扁平苔癬なども取り上げて解説しています。ありふれてはいるが治療に難渋した例などの臨床例とともに、今号が先生方のお役に立てば幸いです。
序文
Editor’s eye
いまやバイオ製剤は乾癬やアトピー性皮膚炎をはじめ,その他の炎症性疾患にも広く使われている.外用療法でなんとかするのが皮膚科医としての腕のみせどころ,などというと時代遅れの感すらあり,バイオ製剤をたくさん使う皮膚科医がもてはやされる時代となった.強力な武器を使えば研修医でも皮膚症状を簡単によくすることができる.昔散々手こずっていた症例は,現在“治る”疾患となった(根本的ではないにせよ).バイオ製剤に関していうと,患者数を鑑みて製薬会社が臨床試験を組める疾患に関しては適応拡大が見込めるが,たとえば扁平苔癬や毛孔性紅色粃糠疹はTh17が関与するとされバイオ製剤が効くのは理論的に容易に考えられても,臨床試験が組めるほど症例が集められるかといった問題点が出てくる.
そうなると,いまの時代であっても手こずる皮膚病にはどんなものがあるか,治療のアンメットニーズを考えると,バイオ製剤の保険適用をもたない疾患にどう対処するか,という課題が浮き彫りになってくる.思うところは皆同じで,昨年の日本皮膚科学会中部支部学術大会のシンポジウムで,「治りにくい皮膚疾患・どうする?」が企画された.本誌の年間テーマは,前年の3月に概要を決定するので,すでに「手こずる皮膚病」と決まっていたが,真似したと思われるのも嫌なので,慌てて「手こずる皮膚病とありふれた皮膚病」に微修正した.
本特集の巻頭では,皮膚科医が診察をおろそかにしがちな口腔病変として扁平苔癬を取り上げ,治療法について解説いただいた.また,疣の治療は筆者が皮膚科医になったころと変わらず,液体窒素圧抵が主流で延々時間がかかる.痛いので子どもの患者にも気の毒である.手湿疹は,同じ病名でもその症状はピンからキリまであり,重症型は漫然とステロイドを塗っていても軽快しない.これらの疾患についてエキスパートから解説いただいた.また,治療ではないが,ありふれた症状として臍の皮膚病も取り上げた.
「臨床例」は,ありふれてはいるが治療に難渋するもの,現在でも治療薬が昔と変わらないもの,診断に苦慮したもの,治療がうまくいったものやそうでなかったものなどに加え,ありふれた症状が他疾患に付随してみられたものなどが並んでいる.裏技的な治療も入れたかったが,学会抄録からは探せなかった.
今回取り上げることができなかった疾患にも治療に手こずるものは多々ある.本号が読者のお役に立てば幸いである.
編集担当 山本 俊幸
目次
特集 手こずる皮膚病とありふれた皮膚病
Editor's eye
山本 俊幸
総説オピニオン
疣贅の治療法はなぜ進歩しないのか? 江川 清文
総説1
重症手湿疹の対処法 伊藤 明子
総説2
臍の皮膚病 山本 俊幸
治療
口腔扁平苔癬の治療法 尾田誠一郎,野口 忠秀
臨床例
Crohn病に対するリサンキズマブ治療開始後に軽快した肉芽腫性口唇炎
山田 瑞穂,園田 真也,掛地由貴人,太田 深雪,八木 洋輔
タクロリムス軟膏の外用が奏効した剝脱性口唇炎
伊藤 崇,山本 俊幸
爪扁平苔癬の治療中に生じた毛孔性扁平苔癬
西牟田真由,宮田 龍臣,山上 淳
病理組織連続切片作製により診断した好酸球性膿疱性毛包炎の2例
川部 僚子,竹原 友貴
右臀部から大腿にかけての広範囲な化膿性汗腺炎に対しderoofingを施行後,著明な角化性病変を認めた例
田中 了,稲垣 充亮,青山 裕美,塩見 達志
関節炎や関節付着部炎に併発した間質性肉芽腫性皮膚炎の男児例
門口佳乃子,外川 正生,爲政 大幾
足底の過角化を呈した抗PM/Scl抗体陽性の全身性強皮症
野田 絵織,山下 雄太,桃原真理子,室 慶直,吉田 祥啓,秋山 真志
紅斑の出現と自然消褪を繰り返し診断に苦慮したBazin硬結性紅斑
五明 美樹,小村 萌起,高山かおる
獅子様顔貌を呈し,治療抵抗性を示した毛包向性菌状息肉症
小原 千明,宮下加奈子,城野 昌義,松尾 敦子,花田 駿志,鈴島 仁
歯のアマルガム除去が有効であった遠心性環状紅斑の4例
吉岡 千春,永谷 圭,角田 孝彦,佐々木五月,吉川 賢一
ナローバンドUVB照射が奏効した慢性色素性紫斑
槍澤 郁海,進藤 裕子,滝吉 典子,三上 幸子,原田 研
閉塞性細気管支炎の悪化により死亡した天疱瘡:剖検で悪性腫瘍を検出しなかった例
山本美友貴,山本 俊幸,石井 文人
Editorial
優しいまなざし/馬場 直子
学会ハイライト
第88回日本皮膚科学会東部支部学術大会を終えて/川上 民裕
皮心伝心
皮疹の「未整理フォルダ」を増やす楽しみ/梅垣 知子
リレーエッセイ 私のワークライフバランス
仕事もライフも楽しんで!/西田 絵美
皮膚科のトリビア
第238回/浅井 俊弥
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書籍情報
- ISBN:9784992004704
- ページ数:100頁
- 書籍発行日:2025年4月
- 電子版発売日:2025年4月1日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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