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- 学生さんのための医療倫理学 東大生が学んだ超難問を巡る旅
商品情報
内容
余命告知、インフォームド・コンセント、代理母、安楽死などのテーマを、東大名誉教授のガイドで巡ります。
難しくて逃げたくなるけれど、逃げられない。
そんな命の問題に直面したとき、この本の倫理的な考え方がきっとあなたの支えとなります。
東大名誉教授が新たに書き下ろした、初学者のための座右の書!
序文
はじめに
今この本を手にされているのはどのような立場の方だろう。看護学部や医学部、歯学部、薬学部、心理学部、臨床検査技師や介護福祉士などの医療系学生さん? それとも法学部、文学部、教育学部などの医療系以外の学生さん? あるいは医療系学部を受験しようとしている高校生? もしくは既に医療従事者や研究者として歩みはじめている、そろそろ中堅が見えてきている、もうベテランの域に達しているが、何か本書のタイトルを見て思い当たる節がある方々? それともまた医療に限らず広く教育にかかわっている方々? はたまた本書のタイトルが通りがかりにとても気になった一般の読者候補の方々? どなたでもよい。学びたいときは誰でも「学生さん」になれる。
本書は、多忙な現代人に「医療倫理とは何か」ということを3時間で理解してもらうための超々入門書である。もっと時間のある方は、巻末の「ツアーのおみやげ」にあげる「次のステップのおすすめ本」を読んでいただきたい。その前に、最低限の重要な考え方をわかりやすく理解してもらえるよう工夫してある。 この本は、私が京都大学、東京大学でかれこれ30年以上講義をしてきた内容に準じている。また国家試験問題も入れてあるので、国試直前で「やばっ」と思っている医療系学生さんは、本書1冊で対応することもできるかも、かもしれない。しかし、だ。本書は決して、決して国試対策を意図したものではない。広大な医療倫理の領域を、皆さんがこれから一生かけて学ぶきっかけになればよいと願っている。そして多くの医療従事者(とそのたまご)に加え、本書は広く教育にかかわる方々も視野に入れている。私の30年にわたる教育経験から現場の教育者の方々に少しでもお役に立てるかもしれないことをふんだんに盛り込んだ。
そして何よりもここでお伝えしておきたいことは、本書は医療などとはまったく関係のない一般の読者の方々をも主要な対象としていることである。そう言い切れる理由は、最後の「ツアーのおみやげ」「「倫理」は役に立ってナンボなものだ:人生ガイド」までお目通しいただければご理解いただける。人はいつでも患者さんになり、またその家族の立場になりうる。皆さんは、自分が病気になったり、家族が病気になったりしたときのことなどろくに考えられない多忙な現代人だ。そんな皆さんがこの本を読んで、ちょっとでいいから自分自身のことを考える時間が持てたらよいと思う。また本書には、ホスピス・緩和ケアとメンタルヘルス領域での臨床経験から得られた、私自身が信じる「人、患者さん」への人間観についての理解も根底に流れている。決しておしつけようとするものではない。皆さんと同じ時代に生きた一大学教授のつぶやきである。
さて、大多数の方は「りんり」というと、堅苦しい、難しい、できれば避けて通りたい、かかわりたくない、つまり「りんり、ウザッ」というイメージを持っておられるのではないだろうか。しかし、日本語の「倫」は仲間、世間というくらいの意味、「理」はものごとの筋道・道理をさす。ここでは、「りんり」とは「人と人がかかわりあう場でのふさわしい振る舞い方」「仲間の間で守るべき秩序」くらいの意味合いととらえておこう。
本書を(飛ばし読みでも)読みきれば、倫理的に考える「姿勢」は相当なまで体得することができる。倫理的に考え行動する「(実践)力」は、より上級の入門書や実践の場で時間をかけて学んでいただきたい。もしかしたら本を買おうか買うまいかと立ち読みして迷っている間に読み終わってしまうかもしれない。それでもいい。この本を読み終わった後に、少しでも多くの方が次のステップに進もうかなという意欲を持ってくれれば、本書の目的は達成されたことになる。現代社会に生きていれば他に学ぶことはとてつもなく多い。皆さんの大切な時間はそのためにとっておこう。
今回の旅の所要時間は3時間の見込みだ。出発時刻はもう過ぎている。長くて3時間と約束した以上、難しい理論の解説などは一切行わない。
さあ、それでは短い、短い、超々入門・医療倫理のツアーにでようではないか。
目次
はじめに
【超々入門 医療倫理3時間ツアー】
第1話 超々入門書は超々難問から始まる
第2話 究極の「余命告知」と心理的共謀
第3話 インフォームド・コンセントが好きな私
第4話 クオリティー・オブ・ライフ(QOL)
第5話 患者の権利と医療従事者の守秘義務
第6話 共感とは
第7話 医療倫理学の舞台裏 その1:4原則
第8話 医療倫理学の舞台裏 その2:法
第9話 飛行機の中で手を挙げるか
第10話 代理「母」?
第11話 未来版難問群:デザイナー・ベビー、受精卵診断、そしてAI
第12話 りんり、りんりで夜も眠れず:倫理委員会のお仕事
第13話 新型コロナウイルス大流行で求められた公益性
第14話 医療格差の問題:世界に目を向けると見えてくるもの
第15話 スピリチュアルペイン
第16話 医療従事者の幸福とは
第17話 最後の超々難問:自殺ほう助と安楽死
第18話 超々難問への私の回答
おわりに
【ツアーのおみやげ】
「倫理」は役に立ってナンボなものだ:人生ガイド
解いてみよう国家試験
選んだ時点で即失格!? 禁忌肢はこわい
次のステップのおすすめ本
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書籍情報
- ISBN:9784880029078
- ページ数:112頁
- 書籍発行日:2025年5月
- 電子版発売日:2025年4月17日
- 判:B6判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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