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言語聴覚士が行う口腔ケア 食べる・話す・生きるを支えるために

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2025年5月
  • 電子版発売日 : 2025年4月29日
¥4,400(税込)
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商品情報

内容

現場でがんばる言語聴覚士(ST)の先生へ
生活ケアとしての「口腔ケア」を超えた
STだからできる「口腔ケア」がここにあります。

◆口腔ケアへの拒否がつよい
◆肺炎をくりかえしている
◆1日3回の口腔ケアをSTひとりではできない
◆口腔機能の評価がわからない
◆歯科との連携がむずかしい
◆家族から最期に一口でも食べてほしいという希望がある
◆摂食嚥下障害/意識障害/認知機能低下/口腔過敏・開口障害/義歯装着/低栄養など

今すぐ知りたい知識・評価・手技・対応まで
現場で出会う悩ましい症例への対応を完結にまとめました。
1人で悩まず、ぜひ本書を手にとってください。

序文

言語聴覚士が口腔ケアを行うことの重要性について


国際空港は国の玄関口である.入国審査場では国に有害な人物を発見し入国を阻むことで,国の安全を厳格に守っている.外部環境からみたヒトの玄関口は口や鼻といえよう.ヒトの咽頭にはリンパ組織である扁桃が存在しており,「ワルダイエルの咽頭輪(Waldeyer’s ring)」と呼ばれ,外部から体内へと侵入する細菌などに対処している.近年の研究において,口腔ならびに鼻腔・咽頭は生体防御に重要な砦であり,これらの機能が破綻することで口腔内細菌などは広く循環器や消化器,呼吸器を通じて全身に悪影響を与え,時に致死的な疾患を招くことが証明されるようになった.

2018年,筆者は72ヵ所の病院・介護老人保険施設などで勤務する言語聴覚士(ST)に対し,口腔ケアの実態に関するアンケート調査を行った1).その結果,STの88.9%が口腔ケアを実施し,うち71.9%が毎日実施,口腔ケアにかける時間は患者1人あたり10 〜20分未満が29.7%と最も多かった.口腔ケアの目的は「摂食嚥下機能向上」「誤嚥性肺炎予防」「口腔衛生・保清」「構音機能向上」の順であった.これらからSTの業務にとって口腔ケアは身近であることがわかった.次にSTがどこで口腔ケアを学んだかの問いに対し,「施設外の研修で学んだ」「独学で勉強した」「施設内で学んだ」が多く,「養成校で学んだ」は34.4%にとどまった.さらにSTが実施する口腔ケアの内容は歯科衛生士などが実施する口腔ケアに準じており,そのうち少数だがSTにとっては法的に認められていない歯石除去を伴うケアを行っている可能性がみられた.これまではST養成教育カリキュラムにおいて口腔ケア教育は必須とはされていなかった.しかし,2022年度から始まった厚生労働省の「養成所カリキュラム等改善検討会」において口腔ケアの重要性が話し合われ,ついに2025年度より養成教育に口腔ケアの文言が加わった.

近年,とくに医科歯科連携が行われるようになり,STも口腔ケアを正しく実施し,難症例などの場合は適宜歯科と連携をとる必要があるとの認識が拡がっている.現在,STのための口腔ケアを主題にした体系的な書籍は見当たらない.本書では,言語聴覚士のための口腔ケアの専門性のレベルアップのみならず,医師や歯科医師が連携するための,また理学療法士や作業療法士などのリハビリテーションスタッフ,薬剤師,管理栄養士,臨床現場で日々口腔ケアを実施している看護師や介護士,さらに家族にとっての参考書となるよう,全国の口腔ケアのプロフェッショナルにお願いして,きめ細やかな解説となるよう配慮した.この書籍が今後の日本国民すべてのさらなる健康増進を果たし,病気や感染症・肺炎などの予防,手術や治療の効果を高め,対象患者の機能改善の推進や機能維持,社会性参加などの心理面へのアプローチにも役に立てられることを強く願っている.


2025年3月

愛知学院大学健康科学部健康科学科教授 牧野日和



1) 牧野日和,早川統子,山本正彦ほか:言語聴覚士による口腔ケアの実情と課題─アンケート調査結果報告─.言語聴覚研究,15(3);148–154,2018

目次

言語聴覚士が口腔ケアを行うことの重要性について

1章 口腔ケアの効果

2章 STと口腔ケア

3章 口腔ケアの基礎知識

細菌学

口腔ケアの評価

口腔ケアの手技

摂食嚥下評価

発声発語評価

高次脳機能評価

口腔ケアで使用する道具

4章 STに求められている口腔ケア

摂食嚥下障害患者への対応

意識障害,気管切開カニューレ装用の患者への対応

認知機能低下の患者への対応

歯の欠損,義歯装着患者への対応

誤嚥性肺炎を予防するために

脳性麻痺患者への対応

全身問題を有する患者への対応

口腔過敏,開口障害

口腔ケアに消極的な患者への対応

看取り期,家族対応

低栄養への対応

5章 ケーススタディ

急性期病院

回復期病院

介護老人保健施設

地域(在宅)

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書籍情報

  • ISBN:9784880021331
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2025年5月
  • 電子版発売日:2025年4月29日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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