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- PPMECガイドブック2025 救急隊員による小児疾病の観察・処置の標準化
商品情報
内容
PPMECは,PEMECコースでは十分に網羅することができなかった小児傷病者への対応として,「小児の評価」「基本的な気道管理」「高度な気道確保器具を用いた気道管理」「アナフィラキシーへの対応」について,実技を中心に系統的に学習できるよう構成されています。本書では,PEMEC同様に,総務省消防庁の「緊急度判定プロトコルVer.3」と整合性をもつアルゴリズムを用いて,小児病院前救護を行うために必要な概念を整理しています。また,小児病院前救護活動で遭遇する頻度が比較的高いと考えられる7つの症候に対応できるよう,実践的なシナリオが掲載されています。
【本書の特徴】
・小児特有の評価と処置,情報収集やバイタルサインの評価,全身観察・重点観察,搬送中の活動を明確化しています。
・小児傷病者に関する救急現場での観察・評価・処置についてのエッセンスをコンパクトかつふんだんに盛り込んでいます。
・小児傷病者対応のピットフォールとなるポイントもわかりやすく解説しています。
・「ハイリスク症候」「内因性ロード&ゴー」などの基準を用いて重症以上の判断ができるようになっており,総務省消防庁による活動基準や緊急度判定プロトコルとの整合性を向上させました。
・PPMECコースでの活用と,救急隊員が各地域で遭遇する小児における多様な状況に関する実践的な学習に役立てていただけます。
序文
序文
小児傷病者を迅速かつ安全・確実に病院まで搬送することは容易ではありません。そこには成人と異なるいくつかの問題があり,救急隊員の教育や訓練不足による小児特有の病態・生理の理解不足や,現場でのトリアージ評価の難しさがあげられます。
総務省消防庁「令和5年中の救急出動件数等(速報値)」によると,救急車による搬送人員は663万9,959人(対前年比42万2,676人増,6.8%増)ですが,そのうち新生児(生後28日未満の者)12,274人(0.2%),乳幼児(生後28日以上満7歳未満の者)335,996人(5.1%),少年(満7歳以上満18歳未満の者)230,418人(3.5%)と小児傷病者は,全体の10%にも満たない状況です。救急隊は119 番要請の段階で小児傷病者であることが判明したとしても,苦手だからといってその場から逃れることはできません。もちろん対応する小児傷病者の数が少ないため,「運が悪い」といって済ませることは許されません。傷病者の観察を終えた後も,医療機器や資材の適応性,保護者の心理的要因,情報の不足など,数多くの困難が救急隊にのしかかります。
このような状況を改善するため,病院前小児傷病者への対応を標準化し,その普及を目指して2015年,日本臨床救急医学会小児救急委員会が「小児病院前救護トレーニングコース(Pediatric Prehospital Medical Evaluation and Care;PPMEC)」を策定し,記念すべき第1回は福岡市にてトライアルコースが開催されました。当初,このコースは対面式で開催されていましたが,コロナ禍の影響でweb 形式に移行しました。現在は,対面,web 両コースの特徴を活かし,web はbasic course,対面はadvance course と棲み分けができました。2025年1月現在,両形式を合わせて18回のコース(参加者約600 名)を開催しました。PPMEC コースでは,乳児~小児までの幅広い年齢層の初期評価,気道管理(エアウェイ),アナフィラキシーに関する知識を習得することができます。さらに,コースでの学びや知識を整理する必要から救急隊員の要望に応えて,今回,日本で初の小児病院前救護のためのガイドブックとなる本書が作成されました。
本書では,小児および救急の専門医ライセンスをもつ医師がわかりやすく解説しています。現場の救急隊員に対しては,小児傷病者対応のピットフォールとなるポイントなどにもわかりやすい大変満足のいく内容となっております。指導救命士の皆様,MC(メディカルコントロール)を統括する医師の皆様,救急外来の看護師の皆様にもぜひご活用いただければと思います。本書が小児病院前救護のバイブルとなり,教育・啓蒙の輪がさらに広がっていき,最終的に臨床成績の向上につながることを期待しています。最後に,本書の執筆や編集に多大なご尽力をいただいた関係者の皆様に,深甚なる謝意を評します。
2025年5月
一般社団法人 日本臨床救急医学会
小児救急委員会
担当理事 守谷 俊
目次
Ⅰ イントロダクション
1 PPMECの概念
2 PPMECコースの概略
Ⅱ PPMECアルゴリズム
Step 1:状況評価
Step 2:初期評価
Step 3:情報収集およびバイタルサインの測定
Step 4:判 断
Step 5:全身観察/重点観察
Step 6:評価・ファーストコール・特定行為
Step 7:車内活動
Ⅲ 状況評価
1 119 番通報
2 感染防御
3 携行資器材の確認
4 現場確認,安全確認
5 傷病者数の確認,応援要請の要否
6 外傷の除外(ルールアウト)
Ⅳ 初期評価と処置
1 初期評価
2 気道・呼吸の評価と処置
3 循環の評価と処置
4 意識障害の評価と処置
5 体温の評価と処置
Ⅴ 情報収集およびバイタルサインの測定
1 情報収集
2 バイタルサインの測定
Ⅵ 判断
1 エピペン®投与プロトコルの適応
2 輸液プロトコル・ブドウ糖投与プロトコルの適応
Ⅶ 全身観察/重点観察
1 頭部の観察
2 顔面の観察
3 頸部の観察
4 胸部の観察
5 腹部の観察
6 意識レベルの評価と神経所見の観察
Ⅷ 評価・ファーストコール・特定行為
1 評 価
2 ファーストコール
3 医療機関の選定
Ⅸ 車内活動
1 車内収容時の対応
2 継続観察
Ⅹ チームワーク
1 ブリーフィング
2 役割分担と再配分
3 リーダーシップ
4 コミュニケーション
5 デフュージングとデブリーフィング
Ⅺ 症候別各論
PPMECのシミュレーショントレーニング
1.けいれん
2.呼吸困難
3.固形異物誤飲
4.悪心・嘔吐
5.腹 痛
6.体温異常
7.軽微な外傷:頭部外傷
付録
①PEMECコースとPPMECコーススケジュールの一例
②小児シートの一例
③日本臨床救急医学会小児救急委員会案:小児用携行資器材セット(救急隊用)
コラム
①小児病院前救護に求められる教育体制
②病院前救護における小児用資器材の標準化
③小児傷病者に対する救急救命士による救急救命処置の適応基準と課題
④ブコラム®とバクスミー® ~家庭・学校・保育施設での緊急投薬~
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書籍情報
- ISBN:9784867191163
- ページ数:152頁
- 書籍発行日:2025年6月
- 電子版発売日:2025年7月3日
- 判:B6判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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