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かんかんかん TO 鑑別診断

山中 克郎 玉井 道裕 (著)

金原出版

  • ISBN : 9784307101912
  • ページ数 : 184頁
  • 書籍発行日 : 2018年8月
  • 電子版発売日 : 2019年12月23日
  • 判 : A6判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥2,200 (税込)
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商品情報

「感・勘・観」の3つのカンを発揮して、トップレベルの診断術を身につけよう!

多忙な臨床では診断のスピードが大切です。
そのために必要なのは、1分間で患者のこころをつかみ、3分間の傾聴から決め手となる重要な「キーワード」を見つけ出すこと。原因疾患のリストが長すぎる「キーワード」は役に立ちません。
たとえば、「倦怠感」はあてはまる疾患が多すぎて疾患を絞り込むことができません。

3分間は患者の話にじっと耳を傾けながら、診断のために必要な「キーワード」は何かを考えます。
次に、そのキーワードから可能性がある鑑別診断を展開し、問診や診察、検査でひとつひとつの疾患を吟味していきます。

一流の臨床医が行っているこの思考プロセスを再現し、凝縮したのが本書なのです。

■ 序文

まえがき

優秀な内科医は問診から80%の診断をつけるといわれます。医学教育に大きな貢献をしたカナダ人内科医William Osler(1849-1919)は次のように述べています。


[ If you listen carefully to the patient, they will tell you the diagnosis. 患者の言葉に耳を傾けなさい。そうすれば自ずと診断は見えてくる。]


今世紀になって診断の助けとなる検査技術は大いに進歩しましたが、多くの臨床研究は詳細な病歴と身体診察だけで、85%の症例で診断は可能であることを示しています(MKSAP17 General InternalMedicine.2015:40)。


○最初の1分間で心をつかむ

重い症状をともなって来院する患者に対しては「大変でしたね」と心からの共感を持って接します。最初の1分間で患者の心をグッとつかむことが大切です。心が通わなければ重要な情報は聞きだせなくなります。笑顔、誠実、知性を持って対応することが大事です。


○3分間は傾聴する

私は診断が上手になりたいと思い、何人かの優秀な内科医の診断プロセスを注意深く観察しました。そして彼らの多くが鑑別診断に必要な「キーワード」を問診や身体所見から見つけだし、鑑別診断を展開していくことに気がつきました。

原因疾患のリストが長すぎる「キーワード」は役に立ちません。たとえば、「倦怠感」はあてはまる疾患が多すぎて疾患を絞り込むことができません。3分間は患者の話にじっと耳を傾けながら、診断のために重要な「キーワード」は何かを考えます。


○攻める問診

問診は大切ですが、患者の話をそのまま聞いているだけでは診断は絶対にできません。最初の3分間の問診で症状や既往歴を聞きながら、どこが責任病巣でどのような疾患の可能性が高いのか、1~2個の鑑別診断を頭に浮かべます。

3分過ぎたら患者の話なんか聞いてはいけません。目くらましとなる情報が増えるからです。問診や検査による情報が増えるほど、診断により近づくと考えるのは間違いです。むしろ逆で、情報が増えるほど診断に迷います。

多くの患者を診察する私たちには時間がありません。想起した鑑別診断の確証となる重要な情報をズバッと聞きこむ「攻める問診」が必要です。


AI(人工知能)は急速に進歩しています。AIが普及すれば、うっかりミスによる投薬間違いは激減し、最新のガイドラインに基づいた標準的な治療がどこでも行われ、医療水準は大きく向上すると思われます。

また、自動運転技術により僻地に住む高齢者は病院に通いやすくなります。医師も自動運転の車に乗って、車内で文献を調べ、カルテ記載をしながら効率的に訪問診療を行うことができます。遠隔で診断や治療を行うことが普通になり、医師が病院に出勤する必要がない時代もすぐそこに来ているのかもしれません。

日本経済新聞(2018/1/13)の記事「AI時代の人間の働き方 直観養い誇りある決断を」(玄田有史)に小田原で親子3代80年以上にわたり寄宿生活塾を営む「はじめ塾」で大切にされてきた言葉「感、勘、観の3つのカン」が紹介されていました。五感を存分に発揮し、経験から勘どころを体得、その上で先を見通すための観を養う。すると子どもたちは、自然とのびのび育っていくというものです。


これはAI時代に必要な医師の心得にも通じるところがあると感じました。五感を十分に研ぎ澄まして、経験から鑑別診断に必要なキーワード(勘どころ)を探し出し、キーワードから可能性がある診断を展開します(先を見通す=観)。

AI時代にこんなやり方はあわないと嗤うなら嗤ってください。出会いの瞬間を大切にし、3分間の問診に潜む「キーワード」から直感的に鑑別診断を想起することは、どのような時代でも医師に診断の重要なヒントを与えてくれることを私は信じています。


初夏を迎えた蓼科にて

諏訪中央病院
山中 克郎

■ 目次

Chapter 1 頻出!必ず覚えるべきキーワード

001 ばち指

002 手の皮がむける

003 Palpable purpura

004 多形滲出性紅斑

005 手足の皮疹

006 全身の痛み

007 肩痛

008 筋肉がつる

009 右下腹部痛

column01 急性感染性下痢症の原因

010 殿部痛

011 首下がり症候群

012 Dupuytren拘縮

column02 ALS診察のポイント

013 手をついて転倒骨折

014 薬が原因の失神

015 多発性神経炎

column03 薬剤熱を起こしやすい薬

016 せん妄の原因

017 認知症の原因疾患

018 パーキンソン症状を起こす疾患

019 しゃっくり(吃逆)

column04 女性化乳房

020 心房細動の原因疾患

column05 急性心筋梗塞のリスク

021 Platypnea

022 下部消化管出血

023 夜間頻尿

024 性感染症

025 潜伏期10日以内の輸入感染症

026 好酸球増加

027 眼瞼下垂

Chapter 2 緊急!考えるよりも動くキーワード

028 意識障害+高熱+頻脈+高血圧

029 徐脈+ショック

030 排便中・排便後に急変

column06 急性発症の病気

031 脳梗塞もどき:stroke mimic

column07 球マヒvs仮性球マヒ

032 頻呼吸

033 咽頭痛(sore throat)を訴えるが、咽頭以外に大きな問題がある疾患

034 咽頭に所見がないのに、のどの痛みがひどい

column08 嚥下障害

035 紅皮症(erythroderma)

036 糖尿病性ケトアシードシスの誘因

037 高アンモニア血症

038 高カリウム血症

039 低リン血症

040 しぶり腹(うんちしたい症候群)

041 続発性骨粗鬆症

042 無痛性の突然の視力喪失

043 複視(diplopia)

044 話すことができない

Chapter 3 看破!外来で見逃せないキーワード

045 食欲があるのに体重減少

046 若い女性の浮腫

047 二峰性の発熱

048 発熱+リンパ節腫脹(伝染性単核球症によく似た病態)

049 咽頭痛後の関節炎

column09 リンパ節腫脹

050 全身性のリンパ節腫大

051 早朝頭痛

052 耳下腺腫脹

053 眼が腫れた

054 長引く咳

055 繰り返す口腔内潰瘍

056 嗄声

057 手のしびれ

column10 爪と疾患

058 かゆみ(pruritus)

059 原因不明の慢性腰痛

060 鼠径部痛

061 新しく出現した尿失禁

062 結節性紅斑の主な原因

063 腎不全患者の貧血

064 クレアチンキナーゼ(CK)上昇

column11 腎盂腎炎の原因

065 リウマチ性多発筋痛症を考えたときに思い浮かべたい疾患

066 痰のグラム染色で多数の白血球が存在するのに起炎菌がいないとき

Chapter 4 用心!入院患者のかかせないキーワード

067 入院中の発熱

068 入院後に新規発症したけいれんや意識障害

069 見逃されやすい不明熱の原因

070 けいれんの原因

column12 ICUにおける筋力低下

071 開腹歴のない患者の腸閉塞

072 溶血性貧血

073 鉄剤投与で反応が悪い鉄欠乏性貧血

074 ネフローゼ症候群

075 肝機能と腎機能がともに悪化する病態

076 SIADHと思ったら考えるべき病態

077 抗菌薬治療でよくならない肺炎

column13 市中肺炎の鑑別診断

078 間質性肺炎の原因

079 門脈炎の原因

080 腸間膜脂肪織炎

081 吸収不良症候群

082 レイノー現象

083 アルコールがらみの病気

column14 小血管の閉塞(手の血管病変)

084 海綿静脈洞に発生する疾患

085 尿崩症

086 無菌性髄膜炎

Chapter 5 上達!知っておくと差がつく熟練のキーワード

087 増悪・軽快をくり返す疾患

088 発熱+脾梗塞

089 CRPが陰性の不明熱

090 フォーカスがはっきりしない感染症

column15 よくわからない脳炎の治療法

091 神経痛として咽頭痛をきたす疾患

092 Small fiber neuropathy

column16 ミエロパチーを疑うとき

093 運動後のトラブル

094 味覚障害

095 移動性関節炎

096 顎のしびれ

097 ペラグラの症状

098 後索障害

099 アルカリフォスファターゼ(ALP)のみ上昇し、AST・ALT・T-Bilがほぼ正常の場合

100 リング状造影(ring enhancement)

101 胃壁の肥厚

column17 多発する内臓動脈瘤

102 過凝固になりやすい悪性腫瘍

103 日中の過剰な眠気

■ 特記事項

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