プライマリケアで診る小児感染症 7講

  • ページ数 : 118頁
  • 書籍発行日 : 2015年3月
  • 電子版発売日 : 2015年5月22日
¥2,640(税込)
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商品情報

内容

感冒診療って雑用だよな…一度でもそう思ったことのあるあなたに―

ベテラン小児科医の筆者が、豊富な経験から得た診療ノウハウを伝授。
ガイドラインを踏まえ、ガイドラインには書いていない診かたや考えかたについて書き下ろされた本書。
ありふれた疾患の中にこそ医療の本質がある。すべての医療者の必読書。

序文

小児医療の臨床で,ガイドラインに精通しマニュアルを手放さないことは必要だ.また,各論文に目を通し,世界の医療水準を理解しておくことも必須だ.しかし,臨床の医師は,そうした作業のみで良質の診療が可能だろうか.

臨床医の仕事の中身は,実は言語化(論文化)されない部分が大きい.ガイドラインどおりマニュアルどおりでは何としても仕事にならないことはしょっちゅうだ.むしろ,先輩,同僚との会話のなかに重要な技術が含まれていることもある.おそらく他の職種でも同様だと思うが,技術には明確に言語化されないで伝わる種類のものがある.しかしこの10年ほど,医師研修制度の変遷に伴い,そのような技術の伝承状態が変化してきていると感じてきた.

そこで,ここでは小児科の日常診療で遭遇する機会の多い疾患,特に感染症関連につき,私の経験をベースに,実感が伝わり,かつ診断の根拠が明確であるように執筆した.従来の教科書,ガイドラインとはおのずと異なる内容の部分もある.けれどもそれは教科書やガイドラインを否定するためではない.むしろそれらを前提としたうえで,臨床の現場に向かい合うためのひとつの方途として私の経験が「伝わる」ことを願って書いたのだ.

読者の日頃の診療のお役に立つことができれば何より嬉しい.


2015年2月
黒木春郎

目次

第1講 序章

はじめに

子どもと大人は違う

まず緊急性の有無をみきわめよう

技術は数値化できない

なぜ医師は診断できるのか

議論できる環境をもつこと

患者さんと接する際に(1):指示は具体的に

患者さんと接する際に(2):見通しを語ることの大切さ

第2講 感冒(風邪)の診かた

感冒診療は雑用か?

感冒診療の意義

感冒とは

重篤な疾患との鑑別

GASとの鑑別の重要性

GASとの鑑別

西洋医学の範疇における感冒の治療

感冒への誤った対応・処方

なぜ感冒に抗菌薬が処方され続けるのか

些細なことの大切さ

アメリカでは何が起きたか―感冒治療における矛盾

漢方による感冒治療の可能性

漢方処方の基礎:随証治療

漢方薬による治療:感冒初期

漢方薬による治療:咽頭炎

漢方薬による治療:鼻汁,痰

発熱に関連する考察−東洋医学と西洋医学における共通の論理

おわりに

第3講 GASによる咽頭扁桃炎の診かた

「首の痛み」が主訴の男児

GAS合併症 その1:急性糸球体腎炎

「首を頻繁に振る」子ども

GAS合併症 その2:PANDAS

確定診断をつけておくことの重要性

迅速診断をする基準

GAS迅速診断キットの使用法と原理

GAS迅速診断キットのpit fallなど

GAS感染症の標準治療

米国と同じでよいのか?

文化としての医療

短期療法の臨床研究

服薬コンプライアンスの視点から

短期療法の実際

第4講 下気道感染症の診かた

下気道感染症とは

洗浄痰培養

プライマリケアにおける洗浄痰培養

洗浄痰培養結果の疫学的考察

細菌の薬剤耐性機序

実際の抗菌薬選択

マイコプラズマ肺炎を考慮して

わが国のガイドラインについて

肺炎は外来治療が可能である

抗菌薬使用をめぐる議論

第5講 インフルエンザの診かた

メディアリテラシー

インフルエンザの疫学と病態

インフルエンザ脳症について

抗インフルエンザウイルス薬は積極投与すべきか

わが国で使用できる抗インフルエンザ薬

オセルタミビルの副反応について

タミフル®「耐性」ウイルスとメディアリテラシー

インフルエンザと漢方

インフルエンザの具体的な治療法

ラニナミビルの服薬指導

何日間休ませればよいのか

症状がない抗原陽性「患者」

近未来のインフルエンザ治療:抗ウイルス薬

近未来のインフルエンザ治療:ワクチン

新型インフルエンザ等対策特別措置法

第6講 易感冒の診かた

易感冒という概念

易感冒の定義

久保政次の研究

小児気道疾患鳥瞰図

易感冒とアレルギー性鼻炎

アレルギー性気管支炎

マルチネスの喘息疫学研究

ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)による

易感冒治療の可能性

漢方では柴胡桂枝湯

おわりに

第7講 ワクチンの考えかた

三重大劇症肝炎感染事件

予防医療の歴史

ワクチンの基本的考えかた

日本におけるワクチン接種の現状

ワクチンへの反発はなぜ起こるのか

当院のある,千葉県いすみ市の例

注目すべきワクチン その1:ロタウイルスワクチン

ロタウイルス感染症の病態

ロタウイルス感染症の疾病負担の高さ

ロタウイルスワクチンの登場

ロタウイルスワクチン導入後のインパクト

注目すべきワクチン その2:B型肝炎ワクチン

B型肝炎の疫学

セレクティブワクチネーションから

ユニバーサルワクチネーションへ

現場からの変革


おわりに

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書籍情報

  • ISBN:9784498021242
  • ページ数:118頁
  • 書籍発行日:2015年3月
  • 電子版発売日:2015年5月22日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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