頭蓋咽頭腫パーフェクトブック[動画付き]

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2016年9月
  • 電子版発売日 : 2017年11月17日
¥8,360(税込)
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商品情報

内容

第一線で活躍するドクターたちの手術手技を動画で追体験できる!

腫瘍摘出術の詳細を鮮明に伝える動画を持ち運びが簡単なスマホやタブレットでいつでもどこでも見ることができます。更に従来語られることの少なかった手術「後」のフォローアップについても、多岐にわたる領域のエキスパートたちが詳しく解説します!

序文

監修の序

頭蓋咽頭腫は頭蓋内腫瘍のうち膠芽腫や星細胞腫などの悪性腫瘍と比較して,病理学的には良性腫瘍に分類されています.しかし,頭蓋咽頭腫の発生部位が頭蓋の中心で,さらに頭蓋底であることから,種々の困難な課題が発生いたします.腫瘍の前方には視神経,内頚動脈,前大脳動脈,後下部には下垂体,下垂体茎,上方には視床下部が存在します.腫瘍が巨大になれば脳室を占拠します.これらの血管や器官は人の生命維持に重要な役割を持っているために,腫瘍が原因であるいは治療過程で日常生活に影響が大きい内分泌障害,視力障害,記銘力障害,症例によっては高次脳機能障害さえ生じます.したがって,頭蓋咽頭腫は病理学的には良性とされてはいますが,臨床的あるいは患者の日常生活上は多くの困難性を伴います.医療は,単に頭蓋咽頭腫を摘出するだけではなく,本疾患から派生し患者の日常生活に起きる多くの困難な課題にも対応できることが肝要だと考えられます.従来の教科書では,頭蓋咽頭腫を如何に障害を残さないで摘出するかに多くの紙数が割かれておりました.しかし,摘出後に残る多くの日常生活上の課題(後遺症)に答える教科書はほとんど見当たりません.本書は頭蓋咽頭腫の医学的解説,特に腫瘍摘出に重きを置いただけでは解決できなかった課題にも十分対応できる解説を付けて編集いたしました.

解説の仕方も重要と考え,一般論では解りにくい考え方を習得するために,具体的な症例を用いて,治療法の考え方を学べるようにしました.また,患者が外来で訴える症状を症状発生のメカニズムから解説し,その対応を具体的に記載することに力を注いでおります.本書は,従来患者が医師に訴えても医師が症状のメカニズムを理解していないために起こる無対応な課題も,十分に対応できるようになる工夫がされています.

本書は,脳神経外科医のみならず,患者家族,小児科医,内分泌内科医および小児期の頭蓋咽頭腫から派生する多くの課題に対応するために,学校の先生にも参考になる内容となっています.

本書を読めば,頭蓋咽頭腫の患者目線で患者が真に困っている課題に適切に対応できるようになると確信致しております.

嘉山 孝正

頭蓋咽頭腫は良性腫瘍ですが,全摘出が困難であるがゆえに再発を繰り返し転帰不良となることがあり,古くより,解剖学的悪性腫瘍とも言われていました.特に小児では腫瘍が残存すると早期に再発を繰り返し,治療困難となる例もありました.現代でも1回の手術で全く後遺症なく完治となることはまれであると思われます.

本疾患は,基本的に手術以外に有効な治療法はなく,近年,頭蓋底手術,内視鏡手術を含めその進歩は目覚ましく,手術アプローチ戦略が重要です.それぞれ一長一短はありますが,下垂体柄の温存方法,腫瘍と視床下部との剥離方法など経験を共有すべきと考えられ,3D画像再構成を利用した術前シミュレーションを含め,是非本書で共有していただければ幸いです.豊富な図・写真と手術に関してはインターネットを利用した動画を含み,ネット環境さえあればどこでも動画を見ることができます.あまり経験がないアプローチも動画で確認でき,先生方のお役に立てると確信しております.さらにできるだけ多くの患者様のお役に立てることができましたら幸いです.また,手術の困難さもさることながら,術後のホルモン療法を含め長期フォローが必要なため,認知機能障害,視力視野障害,ホルモン障害や肥満の問題など多くの問題点もあります.

本書は頭蓋咽頭腫の臨床像,様々な手術方法,画像診断,ラトケ胞との移行を含めた病理診断,放射線治療,小児と成人の管理方法,難治例などあらゆる面から考察したこれまでにない頭蓋咽頭腫に特化した本であります.

執筆をお願いした先生方は,脳神経外科のみならず,小児科,内科,放射線科と幅広く日本の第一線でご活躍している先生ばかりで,超ご多忙にもかかわらず,充実した内容に仕上げてくださり,この場を借りて厚く御礼申し上げます.様々な臨床の場で,本書がお役に立てればこの上ない幸せでございます.

井川 房夫

目次

CHAPTER1 疫学,症状,内分泌所見

A.疫学

B.症状

C.内分泌所見

CHAPTER2 小児の臨床像

A.小児頭蓋咽頭腫の疫学

B.小児期発症頭蓋咽頭腫の初発症状

C.視機能障害(長期予後)

D.視床下部障害(長期予後因子)

E.視床下部性肥満の疫学

F.外科的摘出術

G.術後合併症

H.腫瘍再発時放射線治療

I.頭蓋咽頭腫における標準化死亡比

J.長期フォローアップガイドライン

K.ヘルス・リテラシー(health literacy)

CHAPTER3 画像診断

1 総論

A.頭蓋単純撮影

B.頭部CT

C.頭部MRI

D.鑑別疾患と画像診断

E.術後の画像撮影

2 術前シミュレーション

A.融合3次元画像について

B.アプローチ別の検討

C.頭蓋咽頭腫シミュレーションの実際

CHAPTER4 外科解剖

A.視床下部・下垂体・下垂体茎

B.経鼻アプローチで必要な解剖

C.分類

CHAPTER5 外科治療

1 Pterional approach

A.術前検討

B.手術手技

C.合併症およびピットホール

D.症例

2 Dolenc approach

A.体位,皮膚切開,開頭

B.頭蓋咽頭腫に対するDolenc approachの実際

C.頭蓋咽頭腫に対するDolenc approachの利点

3 Interhemispheric(translamina) terminalis approach

A.術前の注意点・要点

B.手術手技(準備とアプローチ)

C.手術手技(腫瘍摘出など)

D.合併症・術後の注意点

E.症例提示

4 Transventricular approach

A.手術アプローチの選択

B.術前術後の注意点

C.経脳室法の手技

D.合併症

E.症例

5 Transpetrosal approach

A.手術適応

B.術前画像診断

C.手術法

6 Endonasal surgery

A.経鼻手術の発展と頭蓋咽頭腫

B.鞍内・鞍隔膜下頭蓋咽頭腫に対する経鼻手術

C.鞍上部頭蓋咽頭腫に対する拡大経鼻手術

D.適応と限界

E.合併症

7 Endoscopic transventricular surgery

A.神経内視鏡手技

B.症例提示

C.結果

D.考察

8 Endoscopic keyhole surgery(Supraorbital keyhole approach)

A.手技

B.合併症

9 Extended transsphenoidal approach

A.術前術後の注意点

B.手技

C.合併症

D.症例

CHAPTER6 定位的放射線治療

A.ガンマナイフによる頭蓋咽頭腫治療戦略

B.ガンマナイフ術前術後の注意点

C.ガンマナイフ治療手技

D.ガンマナイフによる腫瘍制御

E.ガンマナイフによる治療後合併症と再発対策

F.症例提示

G.考察

CHAPTER7 病理所見

1 組織型,mutation

A.病理学的所見141

B.電子顕微鏡所見143

C.鑑別診断143

D.遺伝子異常146

2 ラトケ胞との関係

A.頭蓋咽頭腫の組織像

B.ラトケ胞とは

C.肉芽腫性変化との鑑別

D.胞性病変の考え方

CHAPTER8 成人術後管理

1 水・電解質・内分泌管理

A.周術期管理

B.慢性期管理

2 性腺ホルモン管理

A.下垂体機能低下症の特徴

B.下垂体機能低下症の実態

C.性腺機能低下症

3 肥満・過食管理

A.視床下部性肥満の発症頻度と時期

B.視床下部性肥満と解剖学的障害部位

C.視床下部性肥満の発症メカニズム

D.視床下部性肥満を発症させる危険因子

E.治療

CHAPTER9 小児術後管理

1 水・電解質・内分泌管理

A.術前の評価

B.周術期の水・電解質管理

C.退院に向けた管理

2 長期成長管理

A.症例

B.小児頭蓋咽頭腫術後の成長管理

CHAPTER10 再発,難治性,悪性転化

A.再発・難治性頭蓋咽頭腫

B.再発頭蓋咽頭腫の症例提示

C.悪性頭蓋咽頭腫


あとがき

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498228702
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2016年9月
  • 電子版発売日:2017年11月17日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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