癌診療指針のための病理診断プラクティス 肺癌

  • ページ数 : 376頁
  • 書籍発行日 : 2011年4月
  • 電子版発売日 : 2016年8月5日
¥19,800(税込)
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商品情報

内容

本書では、病理医、臨床医が互いに理解を深められるよう、病理診断の基本を解説。

病理診断を行う上で必要な情報を「基本的知識」として概説し、病理診断にあたって実用的で有用な知識を『診断のポイント』として整理。また、鑑別疾患が重要であるため、各分野のエキスパートが鑑別診断にしてたどる道程を『病理診断のフローチャート』として簡明に示しています。
病理医だけでなく、臨床医にも活用しやすい、実用のための書。

序文

近年の病理診断技術の進歩と知識の集積には目を見張るものがあり,また臨床からの病理への期待もますます大きいものとなっている.呼吸器疾患は多種多様であり,疾患名だけでも他の臓器に比較して,たいへん多いことが知られている.しかし,呼吸器疾患の臨床においてX 線,CT,HRCT,MRI,PET など画像診断の進歩により,画像所見は肉眼的病理像とも言える情報を与えている.そのお陰で病理組織像もより初期の病変,より微小な病変について観察する機会が増えてきた.時として従来から言われている典型的な組織像でなく,病理診断に苦慮することもあるが,初期の病理発生機序を知るうえで多くの情報を与えてくれるようになった.加えて治療法の進歩が著しく,たとえば肺癌に対する分子標的治療の進歩により,従来の様にsmall cell lung cancer とnon-small cell lung cancerの病理組織学的診断のふるい分けだけでは済まされない状況になってきている.そこで実用的な呼吸器疾患の病理診断において役に立つ対応を念頭に置いて本書を企画し,幸いにもわが国の呼吸器疾患の臨床,画像,病理をリードする先生方に執筆していただけた.

治療に直結する実用的な知識を提供するのが目的であり,病理診断を行ううえであらかじめ知っておくべき情報を「基本的知識」として概説し,病理診断にあたって実用的で有用な知識を『診断のポイント』として整理した.また鑑別疾患が重要であるため,各分野のエキスパートが鑑別診断に際してたどる道程を『病理診断のフローチャート』として簡明に示した.病理医は本書を利用することにより病理診断を行う広い知識とコツを掴むことができ,臨床医は病理医の診断の思考過程を理解できると考える.本書が呼吸器疾患,肺腫瘍の医療に携わる多くの関係者に活用され,役立つことを期待する.

本書の企画,立案,執筆に際して,中山書店編集部のみなさんに多大の ご助力をいただいたことに感謝いたします.

2011 年 春

防衛医科大学校

病態病理学教授

松原 修

目次

1章 病理診断の流れとポイント

肺疾患の診断

2章 診断のための基本知識

病理診断の参考事項

胸部画像診断 ─ X線写真,CTの診断

病変の広がり(病期)─ PET

気管支肺胞洗浄

細胞診断

生検手技と診断上の留意点

肺癌の広がり(病期)─ TNM分類

病理診断と治療

外科的治療

化学療法

放射線療法

内視鏡的治療

分子標的治療

3章 肺疾患の概要と鑑別診断

慢性間質性肺炎

前浸潤性病変

扁平上皮癌

腺癌

小細胞癌

大細胞癌

肉腫様癌

カルチノイド腫瘍

リンパ球増殖疾患

炎症性偽腫瘍

その他のまれな腫瘍

4章 胸膜腫瘍の概要と鑑別診断

孤立性線維性腫瘍

中皮腫

中皮腫の病理

中皮腫の初期病変

反応性病変との鑑別

癌との鑑別

間葉系腫瘍との鑑別

5章 アスベスト症の概要と鑑別診断

アスベスト症

6章 病理検体の取り扱い

7章 症例の実際

症例1 ALK陽性肺癌

症例2 EGFR変異肺腺癌

症例3 KRAS変異肺腺癌

症例4 肺線維症に伴う肺癌

症例5 ホルモン産生性小細胞癌

症例6 LCNEC肺癌

症例7 胸膜中皮腫(線維形成型)との鑑別が困難であった線維性胸膜炎

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書籍情報

  • ISBN:9784521733333
  • ページ数:376頁
  • 書籍発行日:2011年4月
  • 電子版発売日:2016年8月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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