外来精神科診療シリーズ 精神療法の技と工夫

  • ページ数 : 368頁
  • 書籍発行日 : 2017年6月
  • 電子版発売日 : 2020年4月3日
¥8,800(税込)
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商品情報

内容

『診断の技と工夫』巻と対を成す1冊。診療に必要とされる精神療法の勘所とエッセンスを、流派を超えて簡明に伝授。繁忙を極めるクリニックでの精神療法の実際を、あえて実証された効果が得られない行き詰まり例を含めて豊富に紹介。精神科臨床の泰斗と、当事者による珠玉のエッセイ、原田誠一が森山成あきら、ならびに山中康裕と交わした精神療法をめぐる貴重な往復書簡は必読!

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序文

序 精神医療と精神療法をめぐる "3つの現実"と"本書の役割"

〈外来精神科診療シリーズ〉の「精神療法」巻を,諸兄姉のお手許にお届けする.この書には,本叢書の編者らが抱く"問題意識"と"祈り"が込められている.

編者が医者になってからの三十余年に及ぶわが業界の流れ~現状を,「①精神医療,②生物~薬理学的精神医学,③精神療法」というキーワードをもとに記してみるとしよう.この三題噺の内容は語り手によるバリエーションが大きいに違いないが,ここでは次の一文にまとめてみる.①患者・家族のニーズにしっかり応じることのできる,手応えのある良質な精神医療の実践を目指すうえで,②生物~薬理学的精神医学が寄与できる部分は,三十余年前に期待~夢想されていたほどは大きくはなさそうであり,③実効性を発揮できる精神療法の必要性と重要性が,改めてくっきりと浮かび上がっている(現実・その1).

たとえば,"精神障害は脳の生活習慣病である"(神田橋條治)という視点がある.この病態認識(診断)に基づく精神医療の実践を試みる際には,当該の「(千差万別の)脳の生活習慣」に適切~有効にアプローチして,患者の自然治癒力が発動する触媒となる精神療法の営みが欠かせないだろう.

しかるに,現在の精神科医の養成課程における精神療法の扱いは,概して不十分な内容にとどまっている(現実・その2).そのこともあり,臨床の場で実践されている精神療法の量と質は,必ずしも満足のいくものばかりではないように見受けられる(現実・その3).

以上のような「現実・その1~3」があるなか,すべての精神科医が習得すべき"実効ある精神療法"がどんな内容となり,はたまたどう学んでいけばよいか.この問いに対する編者の答えは,「まさにそのエッセンスが本書で明快に語られていますので,是非紐解いてみて下さい」という誘惑の言となる.

珠玉の力作が目白押しで,"臨床の場で役立つ新しい精神療法"を体現する一巻となったと自負している.本書を通じて精神療法への関心を深め,改めて精神療法の必要性と魅力を認識して,学びのプロセスを楽しんで下さる諸兄姉がおられることを祈念している.そのような同志が増えれば(増えないことには),わが国の精神医療の水準が上がる(上がらない)こと間違いなしですから.読者諸賢におかれましては,是非ご愛読のほどを.


2017年5月

原田 誠一

目次

Ⅰ.精神科診断概論

精神科診断概論

1 新しい精神科診断学の提案―「伝統的な診断学」と「操作的診断」を補完する内容とは?

II.精神療法の各流派からみた診断のコツとポイント

1 精神分析

2 自己心理学

3 行動療法

4 認知行動療法

5 ユング心理学

6 アドラー心理学

7 森田療法

8 内観療法

9 交流分析

10 芸術療法

11 動作療法

12 生活臨床

13 ブリーフサイコセラピー

14 家族療法

15 集団療法

III.精神科リハビリテーションからみた診断のコツとポイント

1 精神科リハビリテーションからみえてきた診断の工夫

2 リワーク活動における診断

IV.精神科診断に関するエッセイ

1 名づけることの意味

2 日々の診療―症状の連続性と「不連続さ」

3 解決志向における診断の技と工夫

4 私の臨床心得と診断

5 文化精神医学からみる解離症状の再考

6 新しい性格類型と精神疾患の診断―うつ状態の鑑別診断の試み

7 神田橋條治『精神科診断面接のコツ』を再読する

8 病跡学からみた精神医学的診察と診断

9 精神科診断をM's理論により科学にする

10 診断の「軽さ」と「重さ」―就労支援の現場から

11 「発達障害」と診断することの難しさについて

V.当事者からみた精神科の診断ー実態と問題点

1 「患者を良くする」ことを念頭においた診断を

2 あの頃は......18年を経て思い出すこと

3 精神疾患をかかえた方の「子ども」に目を向けてください

4 べてるの家

VI.精神科診断に役立つ質問票, 症状評価尺度ー概要と利用法

1 不安症, 気分障害

2 発達障害

3 依存症,嗜癖

4 睡眠障害

5 性の障害

6 パーソナリティ障害

7 認知症

VII.精神科診断をめぐる往復書簡

1 原田誠一, 山中康裕往復書簡

2 原田誠一, 森山成杉木往復書簡

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書籍情報

  • ISBN:9784521740072
  • ページ数:368頁
  • 書籍発行日:2017年6月
  • 電子版発売日:2020年4月3日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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