下肢臨床症候の診かた・考え方

  • ページ数 : 258頁
  • 書籍発行日 : 2015年11月
  • 電子版発売日 : 2019年3月27日
¥7,150(税込)
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商品情報

内容

聞いて視て、患者さんに触れて、診る

設備・時間に制限がある診察室において,問診・視診・種々の検査や身体所見で想定される疾患を絞り込んでいく能力は整形外科医の診断力量の根底をなすものである.画像検査に頼りがちになってしまう昨今,あらためて診察室で行う問診や診察の重要性,身体所見の取り方などを再整理した下肢疾患を診るための実践書.

上肢臨床症候の診かた・考え方

序文

整形外科診療において患者の期待に応える質の高い治療を行うための基本の第一は,診察室で行われる臨床症候の正確な評価である.そこにおいてはまず,入室時の状態や表情の評価(視診)から始まって,問診,そして触診や身体所見,徒手テストにより現症を取る,という手順となる.また穿刺など診察室で可能な検査も行い,その後,そこで得られた情報に基づいて,必要と考えられる検査(画像検査や血液検査など)を効率よくオーダーするという段階にすすむ.近年,MRIやCT,超音波,その他の各種検査の評価法が発達し,より詳細で正確な情報が得られる一方で,前述したような診察室での一連の評価の重要性が軽視される傾向もあるように感じている.

本書の内容は,診察室でいかに診るか,ということに焦点を絞って,下肢の疾患・外傷患者へのアプローチの要点や注意点を解説するものとした.特に年齢層の若い先生方や整形外科を専門としない医師を読者対象としている.具体的な内容・構成は「股関節・骨盤部」「膝関節・下腿部」「足関節・足部」の3部構成で各々総論と各論に分けた.総論は診断の基本となる基本解剖や機能解剖,バイオメカニクスの基礎知識からはじまり,それに続いて年代別に鑑別のための問診(病歴聴取),視診,身体所見のとり方などを概説し,各論では疾患ごとに具体的症例を用いた診察の流れのなかで,確定診断までの思考とポイントを解説する内容になっている.また必要な身体所見については正しく捉えるための手技,判断のポイントなどを,イラストや動画を用いて視覚的にも理解を深めていただけるようにした.

各種検査が発達していくなかで,診察による鑑別診断や評価を正確かつ効率的に行うことの重要性はますます高まってきている.本書が読者にとって,より質の高い診療を行うための一助になれば幸いである.

最後に,ご多忙の中,ご編集に当たられた帖佐悦男先生と田中康仁先生,ご執筆の労をおとりいただいた著者の先生方,そして根気強く出版に至るまでサポートいただいた南山堂編集部の方々に深謝の意を表する次第である.


2015年9月

編者を代表して 吉矢 晋一

目次

Ⅰ編 股関節・骨盤部

第1章 股関節・骨盤・大腿部の解剖とバイオメカニクス

解剖と機能

Ⅰ.表面・基本解剖

Ⅱ.血管と神経の解剖

Ⅲ.機能解剖とバイオメカニクス


第2章 股関節・骨盤部の臨床診断総論

小児の診かた

Ⅰ.入 室

Ⅱ.歩 容

Ⅲ.病歴聴取

Ⅳ.視 診

Ⅴ.触 診

Ⅵ.身体所見

Ⅶ.診察室での検査・処置

Ⅷ.その後の検査や次回受診のプランニング

思春期・成人の診かた

Ⅰ.入 室

Ⅱ.歩 容

Ⅲ.病歴聴取

Ⅳ.視 診

Ⅴ.触 診

Ⅵ.身体所見

Ⅶ.診察室での検査・処置

Ⅷ.その後の検査や次回受診のプランニング

中・高齢者の診かた

Ⅰ.歩 容

Ⅱ.病歴聴取

Ⅲ.視診・触診

Ⅳ.身体所見

Ⅴ.診察室で行える検査

Ⅵ.その後の検査や次回受診のプランニング


第3章 股関節・骨盤部の臨床診断各論

●小児期

1.発育性股関節形成不全

2.化膿性股関節炎

3.単純性股関節炎

4.Perthes病

5.骨系統疾患

6.大腿骨頭すべり症

●思春期・青年期(スポーツ障害・外傷含む)

1.疲労骨折

2.裂離骨折

3.FAI(femoroacetabular impingement)

4.弾発股

5.鼡径部痛症候群

6.骨盤部筋損傷

7.骨軟部腫瘍(原発)

8.梨状筋症候群

9.骨盤骨折・股関節脱臼

●中・高齢期

1.特発性大腿骨頭壊死症

2.骨軟部腫瘍(転移性)

3.変形性股関節症

4.大腿骨近位部骨折

5.非定型大腿骨骨折

6.化膿性股関節炎

7.関節リウマチ

Ⅱ編 膝関節・下腿部

第1章 膝関節・下腿部の解剖とバイオメカニクス

解剖と機能

Ⅰ.表面・基本解剖

Ⅱ.血管と神経の解剖

Ⅲ.機能解剖とバイオメカニクス


第2章 膝関節・下腿部の臨床診断総論

小児の診かた

Ⅰ.病歴聴取

Ⅱ.診察にあたっての留意点

Ⅲ.視 診

Ⅳ.触 診

Ⅴ.身体所見の取り方

Ⅵ.診察室で行える検査

Ⅶ.その後の検査や次回受診のプランニング

思春期・成人の診かた

Ⅰ.入 室

Ⅱ.歩 容

Ⅲ.病歴聴取

Ⅳ.視 診

Ⅴ.触 診

Ⅵ.身体所見

Ⅶ.診察室での検査・処置

Ⅷ.その後の検査や次回受診のプランニング

中・高齢者の診かた

Ⅰ.入 室

Ⅱ.歩 容

Ⅲ.病歴聴取

Ⅳ.視診・触診

Ⅶ.診察室での検査・処置

Ⅷ.その後の検査や次回受診のプランニング


第3章 膝関節・下腿部の臨床診断各論

●小児期

1.Blount病(小児膝変形)

2.Osgood─Schlatter病

3.離断性骨軟骨炎

4.円板状半月板損傷

5.有痛性分裂膝蓋骨

●思春期・青年期(スポーツ障害・外傷を含む)

1.ジャンパー膝

2.膝前部痛

3.前十字靱帯(ACL)損傷

4.後十字靱帯(PCL)損傷

5.半月板単独損傷

6.内側側副靱帯(MCL)損傷

7.膝蓋骨脱臼

8.脛骨疲労骨折

●中・高齢期

1.特発性骨壊死

2.変形性膝関節症

3.膝関節部(周囲)の軟部腫瘍

4.急性発症関節炎(偽痛風)

5.特発性膝関節血症

Ⅲ編 足関節・足部

第1章 足関節・足部の解剖とバイオメカニクス

解剖と機能

Ⅰ.表面・基本解剖

Ⅱ.血管と神経の解剖

Ⅲ.機能解剖とバイオメカニクス


第2章 足関節・足部の臨床診断総論

小児の診かた

Ⅰ.問診票の準備と記入

Ⅱ.入 室

Ⅲ.歩 容

Ⅳ.病歴聴取

Ⅴ.視 診

Ⅵ.触 診

Ⅶ.身体所見

Ⅷ.診察室での検査・処置

Ⅸ.その後の検査や次回受診のプランニング

思春期・成人の診かた

Ⅰ.歩容

Ⅱ.病歴聴取

Ⅲ.視診

Ⅳ.触診

Ⅴ.身体所見

Ⅵ.診察室での検査・処置

Ⅶ.その後の検査や次回受診のプランニング

中・高齢者の診かた

Ⅰ.問診票

Ⅱ.入室,歩容

Ⅲ.問診,病歴聴取

Ⅳ.診察姿勢,肢位

Ⅴ.視診・触診

Ⅵ.身体所見

Ⅶ.診察室で行える検査

Ⅷ.その後の検査や次回受診のプランニング


第3章 足関節・足部の臨床診断各論

●小児期

1.小児期扁平足

2.先天性内反足

3.麻痺足(痙性麻痺と弛緩性麻痺)

4.足趾の先天異常

5.足の骨端症

6.足根骨癒合症

●思春期・青年期(スポーツ障害・外傷含む)

1.足の疲労骨折

2.足・足関節新鮮靱帯損傷

3.距骨骨軟骨障害

4.足の種子骨・過剰骨障害

5.足関節インピンジメント症候群

6.足関節陳旧性外側靱帯損傷とその合併症

7.足の腱損傷ならびに脱臼

●中・高齢期

1.外反母趾

2.強剛母趾

3.lesser toe障害

4.足の絞扼性神経障害

5.踵部痛症候群

6.成人期扁平足(後脛骨筋腱機能不全症)

7.関節リウマチの足変形

8.変形性足関節症

9.糖尿病性足部障害(神経病性足関節症)


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書籍情報

  • ISBN:9784525321710
  • ページ数:258頁
  • 書籍発行日:2015年11月
  • 電子版発売日:2019年3月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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