これで完璧角膜移植

  • ページ数 : 90頁
  • 電子版発売日 : 2011年5月31日
¥15,400(税込)
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商品情報

内容

わが国で初の、本格的な「動画で読む」角膜移植手技解説書「これで完璧 角膜移植」の電子書籍版です。2時間を越える収録動画は本文からのリンク再生が可能です。

序文

本書はわが国で初の本格的な「動画で読む」角膜移植手技解説書である.角膜移植はドナーを扱うという点で「緊急的な手術」が多く,これらを学びたい医師にとって,なかなか目にすることが容易ではない.だが,言うまでもなく,事前に的確な手術手技を目に焼き付けておくのとおかないのでは,その後の習得スピードに雲泥の差が生じる.そこで,筆者の経験と東京歯科大学における年間300件という豊富な症例をもとに,「目に見える」ことを重視し,2時間にもおよぶ本格的な動画を収載した本書を企画することとした.

「特殊な手術」と思われがちな角膜移植術は実は基本手技の集大成といえる.つまり,切開,縫合といった基本的な手技がしっかりできないと角膜移植の習得は難しい.一方で,角膜移植は「開眼手術」としての性格を多く有しており,手術がうまくいった場合の視機能の改善はしばしば劇的である.人体の中でも最も透明である角膜 が,病的角膜に代わって移植されるさまは大変美しく,患者のみならず術者である医師にとっても深い感動を覚える瞬間である.

その中で,全層角膜移植は世界的には約100年,わが国でも約50年の歴史を持ち,かなり完成された手術である.しかし,近年はパーツ移植に代表される新しい手術コンセプト,マイクロケラトームやフェムトセカンドレーザー,再生医学といった最先端の技術を取り込んで,急速に発展しつつある分野でもある.くわえて,アイバンクの整備などにより年間の角膜移植患者数も増加しており,眼科医としてはしっかりと習得しておくべき技術であるといえる.

私自身は,特に系統立った指導を受けることなく,これまで1,500件あまりの角膜移植を手がけてきた.手先が特別器用ではないが,これまでの経験から「あらゆる試行錯誤をくり返してきた」という自負がある.東京歯科大学眼科には,角膜移植の習得を目指して全国からたくさんのフェローが来てくれる.彼らには,自らの技術や知識を包み隠さず教えてきた.その甲斐あってか,うちのフェローは上達が早い.だが,彼らの指導をする中で,初心者に(あるいは,多くの件数をこなした医師でも)共通したうまくできない「落とし穴」のような一定のパターンがあることがわかってきた.

本書は,そのような落とし穴を回避すべく,自らの執刀経験とフェローへの指導を再現しようと思い執筆した.冒頭に述べたように動画を駆使し,書籍のほうもイラスト・写真をふんだんに盛り込んで,自らの持っているものを最大限伝えるよう努力した.書籍と動画の相乗効果で本当の手術を観ているかのような臨場感を味わうことができると思う.本書が角膜移植を手がける医師はもちろん,眼科の手術の基本を習得したい医師の益になれば幸いである.


2009年 3月

島崎 潤

目次

総論

1.角膜移植の概略

1 角膜移植は面白い!

2 角膜移植の術式

3 角膜移植を始めるに当たって大事なこと

2.アイバンクとドナー角膜について知っておくべきこと

1 ドナー角膜が手に入るまで

2 ドナーについて,これだけは調べておく

3 ドナー角膜の保存法

4 ドナー角膜処理法

3.手術前に押さえておくべき7つのポイント

1 視力回復の可能性はどのくらいか?

2 角膜移植の目的は何か?

3 術後眼圧上昇のリスクは?

4 涙の状態はどうか?

5 薄いところはないか?

6 炎症の程度と原疾患の活動性は?

7 コンプライアンスと外傷の可能性は?

4.必要な術前検査

1 涙液機能

2 結膜嚢培養

3 周辺部ドナー角膜と保存液の培養

5.角膜移植の適応疾患と手術の決定

1 円錐角膜

2 水疱性角膜症

3 角膜白斑

4 ヘルペス角膜炎

5 角膜変性症(ジストロフィ)

6.角膜移植に用いる器具

1 セッシ

2 持針器

3 剪刀

4 トレパン

5 ドナーパンチ

6 強膜リング

7 縫合糸

8 粘弾性物質

7.手術の準備

1 麻酔,前処置

2 セットアップ

3 ドナー角膜の準備

8.角膜移植の基本手技:縫合を極めよう!

1 縫合は動くものから動かないものへ

2 持ったところに針を入れる

3 通糸の基本は「回転」

4 難しいところでは,短く持て

5 思うところに糸を通すためのコツ

6 inner edgeの概念

7 糸結びの組み合わせの基本をおさらいしよう

8 角膜縫合の基本は,2‐1‐1

9 一回し目は「縫合の強さの大もとの決定」,二回し目は「強さの固定」,三回し目は「結び目の固定」

10 ロックが外れてしまうときは

11 うまく結ぶには,糸のどこを持つかが分かれ目!

12 糸を巻き取るときは,左手で

13 どのくらいの強さで結べばよいのか?

14 結び目が簡単に角膜内に入っていくか?

各論

1.全層角膜移植PKP

1 適応とポイント

2 手術手技

3 オープンスカイでの眼内操作

4 ドナー角膜の縫い付け

5 連続縫合のトラブルシューティング

6 縫合から手術の終わりまで:最後のひと手間が結果を左右する

A:白内障との同時手術(トリプル手術)

1 適応とポイント

2 手術手技

3 後嚢破損が生じた場合

4 眼内レンズ度数計算

5 術後管理

B:角膜移植と眼内レンズ縫着後の併用

1 適応とポイント

2 手術方法

3 術後管理

2.前部層状角膜移植ALK

1 適応とポイント

2 前部層状角膜移植に必要な器具

A:光学的前部層状角膜移植

1 適応とポイント

2 手術手技

B:治療的前部層状角膜移植

1 適応とポイント

2 手術手技

3.深層層状角膜移植DALK

1 適応とポイント

2 手術手技

3 深層層状角膜移植後の処置と投薬

4.上皮移植LT,KEP

A:輪部移植

1 自己(オート)輪部移植

2 親族よりの輪部移植

3 他家(アロ)輪部移植

B:ケラトエピテリオプラスティー

C:上皮移植の術後管理

1 上皮管理

2 免疫抑制

5.内皮移植 DSAEK

1 適応とポイント

2 手術手技

3 内皮移植後の処置と投薬

4 内皮移植の術中合併症

5 内皮移植の術後合併症

6.困難な症例

1 眼球虚脱しやすい眼(無水晶体眼,硝子体切除後,強度近視)

2 硝子体圧の高い眼

3 再移植

4 菲薄角膜

5 虹彩前癒着,隅角閉塞,瞳孔偏位

7.角膜移植の術後管理

1 縫合不全(創口離開,房水漏出,浅前房)

2 眼圧上昇

3 拒絶反応

4 外傷性創口離開

5 乱視矯正

6 抜糸

術後管理Q&A

献眼時、摘出医の対応

DVD目次

1 強角膜切片の作製法

2 角膜移植に用いる器具

3 トレパンの使用法

4 強膜リングの縫着

5 セットアップ

6 ドナー角膜の準備

7 ドナー角膜の仮縫合

8 連続縫合1(順手)

9 連続縫合2(逆手)

10 連続縫合3(逆手-順手)

11 マーキング

12 レシピエント角膜切除1

13 レシピエント角膜切除2

14 虹彩前癒着がある眼での角膜切除

15 連続縫合での糸切れの対処

16 ワイパリングによる癒着解除

17 ワイパリングによる確認

18 連続縫合の締め方

19 粘弾性物質の除去

20 連続縫合の結紮

21 縫合の追加

22 仕上げ

23 連続縫合のアジャスト

24 core vitrectomy

25 pupil expanderの装着

26 電動トレパンでのCCC

27 皮質吸引

28 眼内レンズ挿入1

29 眼内レンズ挿入2

30 縫着用強膜フラップ作製

31 眼内レンズへの通糸

32 前部硝子体切除

33 眼内レンズの毛様溝縫着

34 強膜への縫着とフラップの縫合

35 表層角膜の切除

36 ALKドナー処理

37 輪部デルモイドの切除

38 角膜穿孔に対する治療的ALK

39 輪部デルモイドでのグラフト縫着

40 実質内ポケット作製とエアー注入

41 鏡面反射法によるデスメ膜の分離

42 深層実質の切除1

43 深層実質の切除2

44 Big bubble法1

45 Big bubble法2

46 DALKドナー角膜の準備

47 DALKでの仮縫合1

48 DALKでの仮縫合2

49 DALKでの連続縫合

50 デスメ膜穿孔時の対処

51 自己輪部グラフト作製

52 自己輪部グラフト縫着

53 他家輪部移植でのレンチクル作製

54 他家輪部移植でのレシピエント角膜の処置

55 モーレン潰瘍に対するケラトエピテリオプラスティー

56 DSAEKデスメ膜除去

57 DSAEKグラフト挿入1 Businグライド

58 DSAEKグラフト挿入2 IOLグラインダー+Businグライド

59 グラフト挿入後の処置

60 エアー注入によるグラフトの固定

61 虚脱した眼の縫合法

62 再移植眼でのグラフト切除

63 前眼部形成術1

64 前眼部形成術2

65 移植後乱視に対する compression suture

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対応機種

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    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:444.5MB以上(インストール時:966.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:1.7GB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:360.2MB以上(インストール時:900.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:1.4GB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784525360511
  • ページ数:90頁
  • 書籍発行日:Invalid date
  • 電子版発売日:2011年5月31日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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